人生100年時代 ~50代半ばで年金予定額を聞いて愕然としてから始めたこと~
こんにちわ、Kimmyです。
今では、人生100年時代と盛んに言われるようになりましたが、10年ほど前には、まだあまり言われていませんでした。私が50代半ばの頃、社内で、「ライフプランセミナー」があり、それは、各自が貰う予定の年金額や退職後の資金計画を立てるというものでした。その内容にとても興味があった私は、セミナールームの最前列に座り、講師の話に耳を傾けていました。
それまで年金取得予定額を知ることがなかった私は、渡された書類に書かれた金額を聞いて愕然としました。「え~!これじゃ生活できない!!」と、思わず、呟いてしまいました。すると、講師の方が私の書類をのぞき込み、「その金額は女性としては、良い方ですよ。」と言われ、ますます「目が点!」になってしまいました。
それまでは、退職後の生活などあまり真剣に考えていなかったのですが、この機を境に、色々考えるようになりました。まずは、お金の話です。マンションのローンは支払い終えていたものの、自分のお金の管理には無頓着でした。仕事の予算管理にはシビアだったのに、自分のこととなると全くダメダメでした。とりあえず、銀行預金に入っていた貯金を、リスクの少ない保険商品や個人年金商品に移しました。この段階では、まだ、株や投資信託は始めていませんでしたが、後にそれも検討しました。同時に、スマホのアプリで家計簿をつけて、管理をするようにしました。
次にキャリアです。会社の60歳定年の後、どうするのか。会社で65歳まで再雇用を受けたとして、その後、どうするのか等です。当然ですが、自分がやりたいと思える仕事しかしたくないと考えました。60歳から65歳までの5年間は、その後のキャリアの準備期間とのアドバイスを頂いたりもしました。60歳が近づいた頃、社内に残るとしたら、女性活躍推進、ダイバーシティの仕事がしたいと思うようになったのです。私の若い頃は、「女性は、お茶くみにコピー取り、結婚したら、会社を退職すること」と言われており、その後、女性も結婚後も男性同様に仕事を続けることができるようになったものの、今でも、ジェンダーギャップが残っていて、女性が思う存分仕事をするには課題が多いのが現実でした。ですから、私の後輩の女性社員が、結婚しても出産しても、活き活きとキャリアを重ねられるように、社内の制度や風土を変えられる仕事をしたいと考えたのです。
有り難いことに、60歳の再雇用の段階で、ダイバーシティ等の研修を行う人財開発の部署に異動することができました。社員が多い会社でしたので、ダイバーシティ研修だけで、管理職向けに数十回、女性向けにも数十回の研修を行いました。その時、ダイバーシティだけでなく、キャリアプランの要素も多く入れこみました。そのこともあり、社内に作った社内大学で「キャリアデザイン学部」を任せてもらうことにもなり、キャリアに伴う様々な研修を行うことになったのです。同時に、週末に学校に通い、「キャリアコンサルタント」の資格も取得しました。
私自身は、新卒入社後、一度も転職はしていないものの、最初の企業に勤務していた時、新しい会社設立のために、当初は出向、その後転籍してその会社を軌道に乗せた後、その親会社に異動して全く別の仕事をするというかなり多様なキャリアを積んでいました。そのいずれも私にとっては意味があり、どの仕事もとてもやりがいがあり、楽しむことができていました。ですが、定年後は自分で新たな道を自分で切り開いていかないとならないと考えると同時に、会社の後輩にも、会社を離れたときのセカンド・キャリアを計画することの重要性を知ってもらいたいと思ったのです。人生100年時代という事は、定年後、40年間あり、多くの人が新卒後の年数とほぼ同じなのですから。
日本の企業に勤めていると、異動や転勤は会社次第のことが多く、個人の希望するキャリアを歩むことは容易ではありません。それでも自分の人生は自分で選択して、自ら学び、自分の足で歩んでいけるよう、自立と自律を目指したいものです。
2021年8月31日
Kimmy Iwamoto 岩本郁子
Office Kimmy代表
https://www.officekimmy.com/