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座談会に込めたもうひとつのミッション

ここ数ヶ月、グループインタビュー(座談会)が続いている。
グルインは企業にとって、消費者たちのインサイトを知る大切なリサーチ。多くの企業が、消費者の本音をきちんと知りたいと考えてくれるようになったことは本当に嬉しい。

そうなんだけど、実は私たち、リサーチだけではないもうひとつの想いをグルインに込めている。それが日々実感できてとっても嬉しい。

それは、消費者の「目を肥やす」こと。

普段何も考えずに消費していることを、グルインで「それはナゼ?」と質問されることで「あれ?」と気づくことがたくさんある。深く質問されることで、自分自身のインサイトに気づいていく。自分以外の人の意見を聞いて「なるほどそんな考え方があるんだ」と新しい発見がある。

「●●●についてどう思うか?」と企業側からの質問を聞いて、企業がどんな視点で商品やサービスを作っているのかを知ることができる。そうすることで、単に「消費」するだけの人から、自分の意思を持って「買う」人になれる。一方的に享受するだけではなく、自立的に選択するようになる。

企業の商品やサービスの解説を聞いて、これまで知らなかった情報を知ることができたり、新たなファンになったりする。

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リサーチ用語では、回答者のことを「サンプル」と言う。これが私は大っ嫌い。だって失礼でしょう。一人ひとりを無視したような言葉にげんなりする。リサーチの世界のデータ至上主義にちょっと反発したくなる。

リサーチはデータを取るため。もちろん間違いではないし、ほとんどのリサーチ会社はそこで脳みそは止まってると思う。

でも、そこに私はこだわりたい。私たちのグルインに参加した人たちは、ほとんどが「楽しかった」と言ってくれる。そして「新たな知識をありがとう」と言ってくれる。中には、頼んでもいないのに、その後レポートをくれたり周囲の人の意見をわざわざ教えてくれる人も出てくる。

そんな姿を見ていると、ますます「サンプル」などという扱いはできない。私たちのミッションは、単に調査することだけではない。マーケティングをやっているのも想いがあるから。

それは、考える消費者を増やすこと。それが引いては、環境や教育や持続可能な社会へと繋がっていくと信じているから。

なかなか遠まわりな道のりだけど、自分にできることはそこだから。ひとつずつ、一人ずつだけど、変えていければと思う。

※写真はどうしても「ハム」にしか見えない駐車場(本文とまったく関係ありませんが)

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