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ネットで「女性」に売る 数字を上げる文章とデザインの基本原則

「女性向けの商品ですので、女性のコピーライターさんをおねがいしたいです」
コピーライター界隈でも、よく聞くのがこの話題。
女性でないと、女性の気持ちはよくわからない。
すなわち、女性向け商品は女性に依頼しないと、精度が低いアウトプットになる問題である。
「いいコピーに、男性も女性も関係ない。性別よりも、キチンと刺さるコピーが書けるかどうか。そこがポイントだ」
コピーライターは一斉に叫ぶのだが、クライアントはなかなか聞き入れない。
そこで、この本を読んで問題を解明しようて、3年くらい前にこの本を読んでみた。

・色づかいに注意したほうがいいでしょう
・特にピンク色には配慮が必要
・大事なところは、マーカーで強調
さまざまなスキル面での解説は、たしかに充実している。たしかに実践的で、明日から、いや今からでもコンテンツ制作に活かすことができる。

しかし、この本で最も重要なところは、コラムに書かれているように思う。84ページの『男女差は、「切り口」にすぎない』というタイトルの部分だ。大事な箇所だけ抜粋する。
『誰もが自分の中に「男性性」と「女性性」の両方をもっているものです。(中略)男性向けでも女性向けでも、マーケティングの本質は変わりません。ですから、男女差にとらわれすぎることなく、自分のお客さんがもっている「独特の価値観」を把握するヒントとして、活用していただきたいと考えています。』
このページで著者自ら、この女性向け商品問題について、はっきりと結論らしきものを述べている。男女差より、顧客差である。
「性別より大事なもの。女性コピーライターが見つけたマーケティングの本質」本来なら、こういったタイトルの書籍であるべきの本だ。しかしこれでは本そのものが目に留まらず、本が売れないだろう。それゆえに、男女差について言及した書籍にしている。

【この書籍のポイント】
①著者の谷本さんが伝えたかった顧客ごとの差に目を向ける。
②正しいマーケティング活動を実践して、男女差にとらわれすぎない商品提供を行うこと。

実際、女性向けに商品提供しているノエビアも、カネボウも、北の達人コーポレーションも、それぞれ顧客差がある。かつ、女性向け商品と言っても、化粧水などは男性が使用するだろうし、メーキャップする男性も少数派だが確実に存在する。

顧客ごとの違いを理解する。
そして、マイノリティを大事にする。
自分の中の別性を意識する。
わたしは、これからのコピーライターに必要なことをこのように考えている。

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