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日本の特別支援教育が国連勧告されたことをオーストラリアから考えてみた

元学校の先生、アラフォーでオーストラリアにやってきました。

現在は、オーストラリアのハイスクール(中高一貫)で、学習支援の仕事をしています。

こちらは、「インクルーシブ教育」が進んでいます。

私の住む地域では、特別支援学校は閉鎖される傾向にあり、一般校にも特別支援学級というものが存在しません。(少なくとも私の勤務校は)
【追記】※やはり学校裁量な部分が大きいので、近隣の学校でもやっていることが大きく異なるようです。

ある日、日本のこんな記事が目に留まりました。

日本のように特別支援学校・学級と分けることはやめ、すべての子どもたちを同じ教室(一般学級)で教育していく方向にせよ。

ということが国連から勧告されたそう。

日本で約14年、オーストラリアでも教育現場で働く私が、両国を見て感じたことをつづっていきますね。


日本で感じたこと

インクルーシブ教育がすすんでいないとされる日本が悪いかというと、そうでもないような気もします。

何人もいる日本の先生の中のたった一人の私の意見ではありますが・・・。

少なくとも私の勤務が最後に勤務した学校では、特別支援学級と一般学級の垣根が少なかったです。

国数英は、抽出。その他は一般学級で学ぶことが多かったですね。学年行事は、リーダーの子たち中心に誰もが楽しめるような工夫をたくさん考えてくれました。

日本では、学校で暖かく見守られても、社会に出ると冷たくされるということが課題ではないかと思います。

オーストラリアで感じたこと

「インクルーシブ教育」は、どんな子も適切な支援を受けながら、その学年ですべきことをみんなと同じ教室で学習していく。または、その子の発達段階にあった内容と当該学年の内容を調整して学ぶ。ということが基本。

先生方の努力は果てしないし、私のような支援員は不可欠ですよね。

そして、教科の特性や生徒一人ひとりが抱えているものが違うので、なかなか理想通りにならないのが現実です。

「インクルーシブ」って聞こえはいいのですが・・・。

特別支援学級(抽出授業はあり)はありません。どの生徒も基本的には、一般学級で授業を受けます。

【追記】日本のように国語(英語)、数学を抽出している学校もあるようです。

数学の授業を例にすると、1桁の計算もままならない生徒が中学校レベルの数学を受けている場合があります。

そうなると、お客さん状態。

または、公文状態。

1桁の計算に課題があるので、その子はその子に合った課題を中学校の数学を受けている学年の子の中で受ける。

どこがインクルーシブですか?

本当に必要なことは?

「選べること」が必要なのではないでしょうか?

一般校、一般学級で我が子に学んでほしいと思う親御さんと本人。

特別支援学校で我が子に学んでほしいと思う親御さんと本人。

どちらもニーズがあると思います。

また、どちらかが合わなくなれば、スムーズに転出入できるシステムの構築が最も必要なのではないか、と感じています。

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