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教員ではなく教師。教師としての覚悟が凄まじい。

人々よ。

時は明治。

弱視のアメリカ留学帰りの去場安の元に伊藤博文から書簡が届く。

聾盲唖の三重苦の少女が青森県弘前の名家にいるという。

名家故に、その子を蔵に閉じ込める私宅監置が行われる。

見えず、聞こえず、話せず、その姿はまるで、けもののようだと。

そう、本書はヘレンケラーとアン・サリバンの日本版。

ヘレンケラーの奇跡の人は未読だが、目頭が熱くなってしかたがない。

聾唖盲の人間にどうやって言葉を教えるのかと疑問であったが、やはり入りはパブロフの犬で始め、そこからは人類ゆえの学習能力の高さがモノを言う。

しかし、教師としての覚悟が凄まじい。

教員ではなく教師。

克服した主人公れんももちろんだが、奇跡をもたらした去場安に感服です。

しっかし、舞台が青森の僻地って設定が良いね。

日本人の遺伝子に刻まれてるのか、醸し出すね。

初めて読む作者でしたが、素敵な一冊でした。

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