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介護士たちがもめるワケ

こんにちは。
日ごとに冬の到来を感じられる札幌です。
北海道の中心部にある大雪山ではすっかり雪が積もっていてタイヤ交換しなければなりませんね。

さて今日は介護施設でスタッフさんたちがもめるワケについてご説明します。

『なんであの人はあんなケアをするの』
『せっかく落ち着いているのに余計なことして』
『やり方がおかしいよね』

そんな愚痴とも悪口ともつかないセリフは現場ではよく聞かれます。
女性が多い業界ですから感情が口をついて出やすいというのもあるのかもしれません。

しかし根本的な原因はなんでしょうか。

介護は誰にでもできる。歴史的に女性が家庭で担ってきたことだから家事の延長線上で語られることが多いと、前の記事で記載しました。

家事の延長という視点で考えると家事は家庭によってこだわりが異なるため些細なことでお互いに苛立ちを感じやすいポイントでしょう。おそらく実の母娘でも娘が大人になると自分の価値観が出てくるため母親との違いが生じるのではないでしょうか。

私が訪問介護員として仕事をしていた20年以上前の話しですが
【卵焼きを作ってほしい】という利用者様のご希望があれば卵焼きの味付けを確認することから始まりました。
味付けは塩・砂糖・味醂・コンソメなど家庭によって様々です。
このこだわりを思い込みで行うとそれはクレームになります。
(最もこうした個別性にこだわる介護が日本の介護保険を危うくさせている原因のひとつでもあるでしょう。海外だと食べられたらいいじゃないという考えで味付けは一つだったりします)

実は同じようなこだわりと価値観をそれぞれの介護士が現場に持ち込むことがトラブルの原因なのです。スタッフ全員が共通の価値観で仕事をしなければ当然トラブルになりもめることになるワケです。
ケアプランにはそこまで記載していませんし、毎日の業務の一つ一つにそこまで話し合いをするのは困難です。

そこでおススメしたいのが【申し送りの方法】の見直しです。
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【ダメな申し送りの例 夜勤⇒日勤】
夜勤担当→日勤チーム全員:
Xさんはどうしてかわかりませんが夕べ殆ど寝ていませんでした。
日勤チーム全員:何があったんでしょうね?わかりました。
日勤Aさんの心の中:(じゃあ今日は何がなんでも起こしておかなきゃ)
日勤Bさんの心の中:(眠くてふらついて転んだら大変。午前中は寝てもらおう)
日勤Cさんの心の中:(Xさんの好きに過ごさせてあげよう)

【良い申し送りの例 夜勤⇒日勤】
夜勤担当→日勤チームリーダー:
Xさんは昨日の昼にずっと眠っていたので夜は殆ど寝ていませんでした。
日勤チームリーダー→日勤チーム全員:
今日の日勤帯で眠ってしまうと昼夜逆転してしまいますね。ウトウトされるかもしれませんができるだけ起きていていただくように声かけやレクに参加していただきましょう。
もし眠気が強くて座位が保てなかったりふらつくようなら1時間くらい昼寝をしていただくようにします。
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いかがでしょうか。
良い申し送りの例にあるように、日勤帯で【どうケアするか】までをスタッフで共通認識することで、スタッフがお互い『あの人何してるのよ?』という不満を感じることなく業務ができるのです。

申し送りに30分も時間をかけて【何があったか】だけを発表する申し送りをする施設が散見されます。
しかしそれは時間のムダです。

当日のリーダーとなる人がその日のケアの方向性をスタッフ全員に指示を出すことで共通認識を持って業務にあたることができるのです。
ぜひ試してみてくださいね。

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