効果的な集客、そしてプロモーションのメソッド~CAMPFIRE×BASEイベント~
2019年2月14日、billage OSAKA内にてNPO LOCALCREATION主催「「CAMPFIRE×BASE」 ~ クラウドファンディングとネットショップをするうえで知っておきたい、これからの集客&プロモーションのヒント」が開催されました。
クラウドファンディングに関して「CAMPFIRE」さんから、そしてネットショッピングに関して「BASE」から、それぞれ登壇いただきお話を伺いました。
今回の登壇者は以下のお二人。
生島 正 さん(FAAVO by CAMPFIRE アドバイザー FAAVO神戸運営管理)
地域ビジネスや地域活性化のプロジェクト等のクラウドファンディング活用アドバイスを2014年から開始する。この4年で約200件のプロジェクトをサポートを行い、約9000万の資金支援を行ってきました。
2014年、地域クラウドファンディングFAAVO兵庫を立ち上げる。2016年、FAAVO兵庫脱退し、CAMPFIREと提携 「CAMPFIRE x LOCAL×HYOGO」の運営開始。
2017年 神戸市中央区とまちづくり支援でクラウドファンディング活用事業を開始。2018年、FAAVObyCAMPFIRE神戸の運営開始。
宮本 順一 さん(BASE株式会社 BASE Business Division)
和歌山県和歌山市出身。ネットベンチャー複数社を経てプランナーとして独立。ネットショップ作成サービス「BASE」の地域におけるネット通販事業の支援プロジェクト「&BASE(アンドベイス)」に参画。
セミナーやトークイベントの企画・講師を担当するほか、ライティングや催事のキュレーションなども行う。文化服装学院非常勤講師、EC-GAIN顧問といった活動も行う。
今回はクラウドファンディングに興味のある人、ネットショッピングに興味のある人それぞれ半々くらいが参加しました。
まずは生島さんから、クラウドファンディングに関してお話を伺いました。
クラウドファンディングで支援者を増やすメソッド
生島さんは普段NPO法人LOCALCREATIONの代表をしています。クラウドファンディングで地域おこし、コンサルティングを行ったり、神戸市の商店街や市場の会員拡大をするためのアドバイスをされています。最近ではふるさと納税がクラウドファンディングでできるようになったため、その導入のアドバイスもされているそうです。
2年ほど前、CAMPFIRE上であるプロジェクトが掲載されました。お笑い芸人キングコングの西野亮廣さんの作品『えんとつ町のプペル』の絵本展を無料で開催したい、というもの。なんとそのプロジェクトが約4,000万円資金調達し、6,257人ものパトロン(支援者)が集まりました。これは当時最多のパトロン数。これがきっかけで主婦層や若い人達にクラウドファンディングのすそ野が広がっていき、クラウドファンディングが世に広まりました。
クラウドファンディングとは、ネット上のサイトに様々なアイデアを掲載し、資金を集めるためのサービスです。今では弁護士費用を集めるためだけ、音学活動をするためだけのサイトなど、日本だけで70個ほどサイトがあります。
では、どのように資金を集めるのでしょうか。
例えば、飲食店を開業したい人がプロジェクトを作成した時に、パトロンに対して「1,000円出してくれた人にランチ券1枚」「10,000円出してくれた人にディナー券1枚」と、制作物やサービス、体験、お礼などのリターンを還していきながらお金を集めます。
クラウドファンディングの流れとしては以下になります。
・募集の期間と目標金額を設定
・目標金額を達成したら成立
・翌月手数料を差し引き支援金を入金
・入金後プロジェクト実行、リターンの履行
クラウドファンディングに興味のある人の中には「すぐにリターンをしないといけないのだろうか」と思っている人もいるかと思いますが、実はそんなことはなく、プロジェクトが終了し、入金が完了してから行っても問題はありません。野菜をおくる、といった季節に左右されるようなものや、製品を作るプロジェクトだと3~4ヵ月かかるリターンもあります。
プロジェクトとして一番多いのは地域のイベントを開催したい、という内容です。夏祭りや花火大会、コミュニティの開設、商品開発・販売など。最近ではワイヤレスイヤホンの開発のプロジェクトが多く立ち上がりました。出版、映画製作費用などもプロジェクトとして立ち上がることもありました。映画製作のプロジェクトでは、リターンとして最後のエンドロールに自分の名前が流れるというものが実際に出され、多くパトロンが集まりました。ガジェットプロダクトも多く立ち上がります。
以下のようなメリットが考えられます。
・自分のやりたいことと販売品目が定まる
…パトロンをより集めるために自分が何をやりたいのか、何を伝えたいのかをわかりやすくする必要が生まれます。また、リターン品目を考えることが自分のメニューも考えることにもなります。自分のミッションとメニューが明確になるのです。
・実行資金と応援者が集まる
実際に実行するための資金が集まるとともに、パトロンという、自分を応援してくれる人たちも集まります。応援してくれるファンと資金の両方が集まるのです。
・多くの方に告知ができ、反応が直に分かる
広く告知ができる機能があるとともに、商品を出したときにそのプロジェクトを見る人の反応がすぐにわかります。ただ掲載するだけでは入金も反応も起きません。まずは身近な人たちに「いいね」といわれるように、作り方や派生の仕方を研究しましょう。
最初の「自分が何をやりたいのか」をきちんと明確にすることが何より大切です。ミッションとメニューをきちんと考えないとその先にはなかなかつながりません。
クラウドファンディングにはいくつか種類があります。
・購入型
モノ・サービス・権利などを販売することで資金を調達する方法。パトロンはリターンの金額に応じたメニューを購入することで支援をします。生島さんの所属するFAAVOやCAMPFIREはこれに該当します。
・寄付型
寄付をすることで支援する方法。神戸のルミナリエはこの方法で一昨年650万円ほど調達しました。リターンは特になく、実行員会からお礼と報告書が送られたそうです。
・金融型
支援者のリターンがお金で返ってくるもの。今一番勢いがあるのは株式投資型。billage OSAKAでもイベントを開催したFUNDINNOはこれに分類されます。5,000万円がわずか3分半で集まることもあります。
CAMPFIREでも融資型のクラウドファンディング「CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)」を2019年春にリリース予定です。
融資型とは、お金で入金し、お金でリターンを返す仕組み。まだ詳細は発表されていませんが、春にリリースされる予定なので、ぜひチェックしてみてください!↑
CAMPFIREとFAAVOが合併しました。そのことにより、地銀や信用銀行などの銀行との連携が加速してます。
クラウドファンデングで100人から100万円集めました、という実績があると、銀行側がとても融資しやすくなります。なので、金融機関とクラウドファンディングが連携することで、クラウドファンディングで資金調達に成功した人には無条件で銀行が融資をする、という仕組みができつつあり、特に、地銀で融資を積極的に行う動きがみられるようになりました。
CAMPFIREは流通額100億円、支援者数101万人以上、月間PV数が1000万以上と、ほとんどのポイントで日本一です。それはなぜでしょうか。
実をいうと、CAMPFIRE、FAAVOとも、少しだけ審査が甘いんです。他のサービスで落とされるような資金を集めにくいような小さな案件でも掲載可能で、公序良俗に反しなければ掲載ができます。なので、掲載数がとても多いのです。
また、昨年の8月からふるさと納税の仕組みを開始しました。ふるさと納税には納税控除があり、10万円ふるさと納税すると、還付申告で支払った98,000円が戻ってくるだけでなく、10万円の品物が届く、そんな仕組みです。(※所得税を払っている人のみ対象)普通は納税するとその地域の特産品が送られますが、CAMPFIREで開始した仕組みでは、起業家の支援などができます。例えば、京都市で古民家のシェアハウスを作りたい、という人がいれば、京都市の許可のもと、ふるさと納税の仕組みを利用して起業家の支援ができる、というものです。
過去日本で最高金額を調達した案件がCAMPFIREにありました。ページをリロードするたびにパトロンが100人単位で増えていき、最終的には1億3,000万円を調達しました。バンドマンを育成するアドベンチャーゲームです。また、パトロン数の最多記録を持つ案件もCAMPFIREにあります。SMAP解散の時の新聞の大応援プロジェクトで、なんと13,103人も集まりました。
他のサービスにはなりますが、キックスターターというアメリカのサイトで約175億円も調達した案件があります。スターシチズンというプロジェクトで、ネットゲームの開発資金として掲載されていました。その資金調達額は世界1位だとか。
まず、基本は自分の周りから拡散していきます。チラシを作成して配ることが多く、チラシを配ると、そこにQRコードを掲載しているので、そこからすぐにアクセスすることができます。チラシはデザイナーに頼んだり、自分たちで作ったりと様々。頑張れば30人~50人は集まりますが、そこからが大変です。しかしそこでメディアなどに掲載すると爆発的に拡散します。
プレスリリースをご存知でしょうか。メディアに対して自分たちの活動をお知らせする連絡票のようなもの。昔は直接持ち込むか、FAXで送る必要がありましたが、今はネットからリリースを打つことができます。CAMPFIREではプレスリリース配信サービスValuePress!と連携しているので、同じアカウントでプレスリリースを配信することが可能です。
プレスリリースを出すとメディアに掲載される機会が増え、より支援が増えます。逆に言ってしまえば、メディア掲載がないと中々支援は集まりません。
あとは共感を獲得するためにはどうすればいいのか、というところを詰めていきましょう。興味関心(ストーリー)がなければそのプロジェクトは見てもらえないし、拡散もされません。以下のものが必要になります。
・合理的な同意
当たり前の話ですが、なぜそのプロジェクトをするのか、ということを明確に記載することです。
・信頼
信頼とは実績です。製品を作成できるか?施設を運営できるか?本当にできるのか、本当に信頼できるのか、ということが見えないと集まりません。
明確にやりたいことを記載すること、そして、SNSなどで日頃からやりたいことを発信していること。また、きちんと自分の支援したお金が正しく使用されるのか、ということを担保する実績がないとなかなか共感は得られません。
加えて述べるなら、以下のものも上げられます。
・具体的要請と社会的報酬
クラウドファンディングをしていること、支援してほしいこと、シェアしてほしいことをきちんと伝えること、そして、支援してもらった人に対してブログで記載したり、SNSで発信したりすることも大切です。
・シェア・口コミ
30日、40日でできることは限られています。クラウドファンディングを始める前にきちんと活動内容を明確に発信することが大切なのです。
クラウドファンディングは資金調達ではありません。商品・サービス・体験の予約販売のデザインを行うこと、そして、ソーシャルメディアの特性とスマホの利用特性を理解することです。
商品のみでクラウドファンディングをするときに注意するものは原価です。クラウドファンディングをすると数十%の手数料が差し引かれます。また、商品の発送料や商品の制作コストを考えると、原価はどんどん上がっていきます。リターンとして、商品だけではなくサービスや体験も盛り込む必要が生まれてくるのです。
では、サービス・体験とはどのようにして作るのか。飲食店を例にすると、商品はそこで販売されている食事です。この場合に考えられるサービスとはランチやディナーです。体験は場所を貸す権利や、お店の料理を作るワークショップなどを開催すること。そうすると、原価もかかりませんし、また、お店に実際に足を運んでもらえ、食事をしてくれ、ゆくゆくはファンになるかもしれません。一石二鳥です。
自分が売っているメニューを商品・サービス・体験に分けてみるといいかもしれませんね。
また、昨今ほとんどの人たちはスマートフォンを見ています。8割、9割がスマホからの閲覧です。なので、スマホでカード番号を入力してくれないとクラウドファンディングで支援をしてくれません。では、考えてみましょう。カード情報は何時に入力しますか?昼間の14:00や15:00に一生懸命投稿してもなかなか支援は集まりません。一番支援が集まりやすいのは23:00です。なので、20:00、21:00に投稿する方がお得なのです。しかしこれは主婦層を狙っているのか、男性を狙っているのかで時間帯は左右されますので、ご注意を…。
また、キャッシュレスの動きも始まっています。これからはクラウドファンディングもキャッシュレスの動きに乗っていくので、上記に述べた時間帯がちょっと変わってくる可能性があります。入金にかかる手間が省かれるからです。
今は本当にスマートフォンの時代です。以下のことを注意しましょう。
・無料でできるSNSは絶対活用する。
無料で活用できるSNSは必須で行うこと。そして常に情報を更新すること。そうしないと忘れられてしまいます。また、支援告知は夜間に行いましょう。
・クラウドファンディング=資金調達ではない。
資金調達ではあるのですが、自分から生み出したというストーリーがないと絶対に集まりません。そして、自分から生まれたストーリーをメニュー化しないとリターンができません。やる前に箇条書きにしてしっかり作りましょう。
・その先には必ず人がいる。
スマートフォンの先には必ず人がいます。なので、人を動かすのには理由が必要です。しっかり明確にしましょう。
そして企画スタートまでにもやることはたくさんあります。詳しくは交流会で!ということで生島さんのお話は終了しました。
続いてBASEの宮本さんのお話です。
クラウドファンディング、ネットショップの効果的なプロモーション
宮本さんはBASEでセミナー・イベント企画をされています。最近は専門学校で非常勤講師やCAMPFIREの案件をつないだりと多岐に渡って活動されています。
BASEは自分だけのネットショップを無料で作成できるサービスです。販売したい商品を登録し、たくさんあるデザインテンプレートから自分だけのネットショップを作成できます。販売もすぐに開始可能。ショッピングアプリもあり、自分が販売を始めた商品もすぐにユーザーに公開されます。プッシュ通知機能でショップ情報を届けることも可能。よりショップファンを広げられます。
現在BASEを使って開設されているショップ数はなんと60万にものぼります。一番多く売り出されているジャンルはファッション。そしてエンタメ・ホビー、食べ物・飲み物で、購入されている比率もこれに比例します。また、年齢層は20代から40代の比較的若い方が多いですが、中には70代のおばあちゃんが自分で作った手芸作品を販売したり、4歳の女の子が描いた似顔絵をお母さんに登録してもらって販売していたりしている事例もあります。こういったユニークな事例もあれば、芸能人の開設するショップなどもあります。
BASEは創業して6、7年。どうしてここまで人気を博しているのでしょうか。それには大きく3つの特徴があります。
①初期費用、維持費用が無料である。
BASEではクレジットカードや銀行振り込み等の決済機能が即日支払可能なだけでなく、すべて無料で提供されています。BASEは売れたときの手数料でマネタイズしています。なので、ユーザーの商品が売れない限り、BASEももうからないので、BASEではどうしたらユーザーの商品が売れるのか、という部分に注力しています。
②機能拡張が豊富
BASEには約50種類のオプションがあり、そのほとんどが無料で利用できます。ブログを書いたり、プレスリリースのように情報を発信できたりします。例えば、定期販売ができる定期便の機能。課金のサイクルをユーザーが設定でき、決済を代わりにBASEがしてくれます。ライブショッピング機能もあり、動画の中でテレビショッピングのように商品紹介をし、お客さんに商品情報を届けることができます。リアルな接客に近い販売形態もとれるのです。インスタグラムとBASEのショップを連携することもできます。インスタグラムの写真をタップするだけでショップにアクセスでき、インスタグラムの中だけで買い物が完結する機能が今話題です。
③販売チャネルが豊富
BASEではショッピングアプリを開設してます。ショップを開設するとインターネット上だけではなくアプリ上でもショップが無料で自動的に掲載されます。アプリは今や400万~500万ダウンロードされており、見込み顧客に対して商品を見せることができます。インターネット上に本店を構え、アプリ上に支店を構えるイメージで、インスタグラム等を利用すればチャネルは2つ3つと増やしていくことが可能です。また、リアルの販売にも力を入れており、渋谷BASEに行くと、渋谷のマルイを一日3.5万円で借りれて、自分の商品を販売することが可能です。
インターネット販売とリアル販売を考えるときに最近トレンドになっているキーワードが「オムニチャネル」。インターネットだけ、リアルの場だけではなくすべての販売チャネルがつながったらいいのではないか、という考えです。
最近はYELL BANKというサービスも始めました。「資金調達をリスクなく、一瞬で。」というキャッチ。クラウドファンディングは「モノを作るからお金を寄付してください」という感覚ですが、このサービスは、未来の売上を担保にして資金を調達できる仕組みです。例えば売り上げを毎月300万円稼いでいたとします。新しい商品を開発するために300万円必要だとすると、過去の売上の成績から換算した額をBASEが資金提供してくれるのです。
皆さんは目標は決めていますか?売上の目標、クラウドファンディングの調達目標など…。目標を決めないとどこに向かって走っていけばいいのかわからなくなってしまいます。
ネットショップの売り上げ目標を立てるときは「流入数」×「購入単価」×「購入率」で求められます。これはクラウドファンディングでも同じで、「流入率」×「リターン単価」×「支援率」=「支援目標」と求められます。
ページに流れ込んでくる率、売っているものの単価、何人が買うのか…。それぞれが持つ目標は違うと思います。クラウドファンディングで流入率を上げたいならば、生島さんが言っていたようにプレスリリースを出したり、リターンのラインナップを変えたりと柔軟に対応できますが、ネットショップではそうはできないと思われています。しかし、ネットショップでも対応は可能です。
上位にランクインするショップが何をしているのかというと、例えば「10,000円以上ならば送料無料」とし、商品のラインナップを8,000円と2,000円用意しておきます。すると、8,000円の商品だけだと送料が無料にならないからついでに2,000円の商品も買う、結果購入単価が8,000円から10,000円に上がる…。という手法をとっているユーザーもいます。写真、テキストでどれだけ見栄えをよくするのか、なども重要になります。
ではどうやって流入数を増やすのか、という話をしましょう。
岐阜県のアクセサリーブランドのクラウドファンディングの案件の話です。ロンドンの出品会に出品したいので、クラウドファンディングを開始しました。
この案件はすでにBASEのショップの中でも人気のショップだったので、すでにいるフォロワーの力を入れて資金調達しようというものでした。しかし、本当のファンでないと、なかなかクラウドファンディングでの支援はしないものです。
この案件では169人がパトロンになり、資金調達に成功しましたが、実際のフォロワー数はもっと多いです。しかし、出品したブランドオーナーにもある一定数のフォロワーがおり、この案件が成功したのは、そのオーナー個人個人をフォローしている人たちが、オーナーの人柄に惹かれて支援してくれたのではないか、と考えています。
「支援者3分の1の法則」というものがあります。支援者の3分の1は出品者の知人、3分の1は知人の知人、そして残りの3分の1が他人、という法則です。生島さんも先に言っていたように、支援者は不特定多数へ発信していても、内訳は不特定多数にはなりません。先ほどの案件も、知人、知人の知人からどれだけお金を取ってくるのか、ということが重要になっていました。
また別の案件で山燕庵という農家が新しい商品のクラウドファンディングをした案件がありました。普段は食品を販売していますが、米ぬかを使用したカイロを作成しました。しかしその商品は年配の人にしか利用されなさそうで、もっとスケールするためにはどうしたらいいか、という相談が舞い込みました。そこで山燕庵はクラウドファンディングをすることになりました。
クラウドファンディングをするときにやったことは、年配の人しか使用しなさそうなデザインからファッションよりのデザインにし、またそのカイロの生地をその時話題になっていた生地屋に頼み、またそのプロデュースを数千万単位のクラウドファンディングを毎月成功させているクラウドファンディングに依頼し、さらに、ソーシャルメディアに取り上げる、ということをしました。フォロワーのいる4人でコラボレーションすることで、資金調達につながった、という案件です。
そして次に話す事例は逆に知人、知人の知人ではなく他人から資金調達をした事例です。
日本で初めてマシュマロを使った和菓子を作った会社が岡山にあります。やはりパッケージのデザイン等が年配向けのものでした。そこでBASEと提携を結んでいる岡山の会社と手を組み、ブランディングを行っていきました。お菓子の見た目、パッケージを変更し、プレスリリースを配信したら、なんとホームラン。見事にヒットし、日経新聞に掲載されました。地元で記者会見をし、試食会イベントをし、どんどん人気に。しかしこのままだと岡山の人しか買えない、ということで、BASEでショップを立ち上げました。
クラウドファンディングをし、プレスリリースを配信し、記者会見をし、リアルの場でイベントをし…。こうして着々と人気を築いていき、ネットショップまでオープンすることとなりました。今でも多くのメディアに取り上げられています。
上記の例を見てみると、きれいにストーリーがスケールしているように見えますが、実はこれは反転させているのです。
もともとの構想としてネットショップのオープンやブランディングは考えていました。しかし、ネットショッピングでより人気、売上をスケールさせたいと考えたときに、先にクラウドファンディングや記者会見、リアルイベントなどを開催して、人気があるようにみせてからネットショップをオープンさせました。
クラウドファンディングを成功させるためには以下の点がよく話に上がります。
①しっかりと仕込みの準備期間を設けよう
②メディアにコンタクトをとっておこう
先ほど紹介した事例でも、クラウドファンディングの準備期間として半年ほどかけています。それまでにしっかりと準備をし、メディアにコンタクトを取っておくことが大切なのです。
BASEでもValuePress!と提携しています。「プレスリリースなんて誰も見ない」と思うかもしれませんが、そんなことはないのです。
ValuePress!の転載先をよくよく見てみると、結構いろいろなところに掲載されているのがわかります。なおかつ、Yahooニュースに情報を提供している媒体にも配信されるので、二次情報としてどんどん取り上げられていきます。なので、プレスリリースは配信しておいた方がいいでしょう。
ここまでの話でお気づきかと思いますが、ここまでの話で一切話をしていないのが「検索エンジン」の話です。
SEOやモール内検索、リスティングや広告の話は一切していません。それらのことをしなくても、先の事例の方々はクラウドファンディングを成功させています。
これからの集客はネットでの検索ではなく、SNSでのいわゆる「タグる」によってきます。SNSのメリットとしては以下が上げられます。
①無料で使える
②会話が広報化している
③リーチしやすい
実際にBASEで売れているショップをデータ的に分析をすると、どのジャンルを見てもSNSを使用している人の方が良く売れています。
では何のSNSを使用しているのか。圧倒的にInstagram経由で物が売れている時代に今はなっています。これはBASEだけの特殊な数字ではなく、全体的に言える話でしょう。
SNSで物が売れている時代。SNSでのプロモーションにおいて気を付けることとはいったい何でしょうか。
宮本さんがBASEのショップオーナ向けに個別相談会をするときに、よく「あなたの商品の魅力、ブランドを教えてください」と聞きます。直接話をしてみると話を止めるほど多くの情熱や情報を話していただけるのですが、いざネットショップをのぞいてみると、その熱量とずれている情報量しか載っていないのです。たったの3行しか載せていない、だったり…。
なぜ直接話せる内容をネットにも書かないのか。疑問をぶつけてみると「そんなことは当たり前だと思っているから、当たり前だと思うことを書く必要がない」という返答が返ってくるのです。(もちろん書き方がわからない、という方もいます。)
しかし、そのブランドを作っている人にとっての当たり前は、そのブランドを買おうと思ってる人たちにとっては当たり前ではないのです。周りが当たり前だと思っていないことはきちんと書いた方が良いです。
また、写真も重要です。写真は文字だけの情報よりも7倍もの情報量を持つといわれています。
BASEの場合、1商品に対し20枚まで写真が掲載でき、CAMPFIREでもプロジェクトページにたくさん掲載できます。写真を掲載した分だけ、買いたいという人たちにアプローチができていると考えるべきです。その時に取るものとしては、「情報」「イメージ」「共感」という3つの軸に重きを置いて写真を選ぶべきです。
①情報
商品そのものの写真
②イメージ
お客さんが使用しているイメージを誘う写真
③共感
制作過程やバックボーンなど共感できる写真
上記をイメージしながら写真を撮るといいと思います。
また、ブランドコンセプトと商品を書くページ、プレスリリースの配信などもあるので、テキストの情報も大切です。
わかりやすい文章を書くためには「6W2H」を覚えておき、分解しながら書くと良いと思います。
・6W
→What(何を)
→When(いつ)
→Where(どこで)
→Who(誰が)
→Why(なぜ)
→Whom(誰に)
・2H
→How(どうやって)
→Howmuch(いくらで)
それぞれに対して購入検討者が知りたい情報を意識して書くとよりよいでしょう。
ひとりで考えるのは大変だと思うので、スタッフの人たちと一緒にワークショップをしながら考えるといいと思います。付箋にそれぞれ商品に思うことを書き出して机に一斉に出すと、いくつか同じ意見が出てくると思います。それが商品の魅力だと思いますので、これを6W2Hに分けてワークショップをしてみましょう。
BASEとFAAVOを使用している事例です。痴漢抑止バッジを作った人がいるのですが、こちらも元々クラウドファンディングから始まり、達成率はなんと426%を達成しました。
こちらは女子高生が考えたプロジェクトです。クラウドファンディング調達してできたものをBASEで販売しています。先に写真、テキストが大切だとお話をしましたが、このBASEのページでは漫画で解決しているところが面白い点でした。テキスト、写真が苦手な人は漫画でやってみる、というのも一つの手段だと思います。
以上でセミナーは終了しました。
終了後は簡単な懇親会も実施しました。
ネットショッピング、そしてクラウドファンディング、それぞれ共通することも多くありましたね。皆さんもぜひ実践してみてはいかがでしょうか。
FAAVOさんのホームページ
BASEさんのホームページ
billage OSAKAでは今後もこのようなイベントを随時開催していきます!
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