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一寸法師殺人事件:古事記が明かすミステリー 田島 恒 (著)

[商品について]
―一寸法師の原像から解き明かされる古事記の謎―
今から23年前、美恵子が5歳のときに父が死んだ。強盗に殺されたのである。しかもその手口は刃物で殺した後に鈍器で頭を殴るという残忍なもので、さらに奇妙なことに犯行現場には「一寸法師、鬼を成敗する」と書いた紙が残されていた。温厚で実直だった父が恨みを買う筈はなく、結局動機も分からず目撃情報もないままに事件は迷宮入りとなった。なぜ父は殺されたのか、はたして一寸法師とは何ものなのか。恋人の健治とともに事件の真相究明に乗り出した美恵子の前に現れた、古事記に秘められた驚愕の真実とはーー誰もが知るおとぎ話「一寸法師」の謎に迫る古代史ミステリ―小説。

[担当からのコメント]
昔話やおとぎ話の中には、よく読むと不思議に思える謎が多くみられます。荒唐無稽な創作話などではなく、もしそこに歴史の謎に迫る真実が隠されているのであれば、子どもだけの楽しみとしてしまうのは惜しいというものです。『「古事記」を解く』『古事記の秘密』の著者がミステリ―仕立てで描いた本書、古事記の視点で迫る一寸法師の秘密をぜひお楽しみください。

[著者略歴]
田島 恒(たしま ひさし)

1939年12月15日生まれ
1962年 広島大学工学部卒業
2014年 広島大学文学研究科博士課程前期修了
(株)日立製作所を経て広島アルミニウム工業(株)に勤務

著作 2002年 古事記の秘密 太安万侶の込めた謎を解く 文芸社
   2004年 一寸法師殺人事件 文芸社
   2020年 電子書籍 古事記の秘密 改訂版 秘められた謎にみる歴史の真実 22世紀アート
   2020年 電子書籍「古事記を」解く 伝説と神話に秘められた古代史の闇 22世紀アート



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はじめに



一寸法師は何者か? 一寸法師は室町時代に成立した御伽草子のなかにある話です。

子供向けのアニメまんが日本おとぎ話などで知られていますが、「小さな子」が活躍する話は桃太郎、かぐや姫など類話が存在し民俗学上でも取り上げられる題材です。

本書は一寸法師の実像に奈良時代七一二年に成立した古事記を鍵として考え、推理小説形式で迫ったものです。

古事記は現存する最古の本で、「イザナギ・イザナミの國生み」「天岩戸」「因幡の白兎」「天孫降臨」「海幸・山幸」「ヤマトタケルの英雄伝」など、誰でも知っている話が記載されています。

これ等の伝説を解釈しながら、殺人犯が明かされます。

なお本書は創作ですが、古事記については筆者が真相とする解釈に基づきます。


本書により古事記の新しい解釈に触れていただくことが、筆者の望みです。

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79,457字

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