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【ユニファ CTO赤沼氏】4チームで14プロダクトを回す。ユニファCTO赤沼氏が目指す、開発組織のあり方

Offersでは、あらゆる業界の開発スペシャリストをお招きし、これまでのキャリアや経験を深ぼることで、企業を超えて開発の実践知をつなぐ「#開発の実践知をつなぐ」というインタビュー企画を行っております。

第1回では、医療からゲームまで幅広い業界を経験され、現在は45名の開発組織を率いるユニファCTO赤沼氏ををお招きし、これまでのキャリアや現在の組織開発の考え方について深掘りします。


ユニファ株式会社 取締役CTO 赤沼寛明 氏

エムスリーやNubee Tokyoでの開発業務を経て、2015 年にユニファ東京オフィスの立ち上げ時に入社。ユニファの開発体制を構築し様々な新規サービスの立ち上げにも関与。 現在は取締役CTOとして、システム開発を担うプロダクトデベロップメント本部全体を統括。また、外国籍エンジニアも積極的に採用し、多国籍のエンジニアのマネジメントも担う。技術系カンファレンスにも多数登壇。

SESからのキャリアスタート

エンジニアとしてのキャリアのスタートは、社会人1年目に入社した未経験OKの会社でした。ここでは開発ではなく、SESの形態で運用や保守の現場からのスタートでした。

エンジニアとして何もわからず業界に入り、まずは運用から始めてみたものの、色々やっていくうちに「運用や保守だけやっていてもキャリアを積んでいけないな」という思いが強くなっていきました。当時、会社には「できるだけ開発をさせてほしい」と希望を出しつつも、エンジニアのスキルについて独学をしながらキャッチアップに力を入れていました。

1社目は運用や保守メインの会社だったので、もっと開発案件を扱っているところで経験を積みたいと思い、そこから医療従事者向けWebサービス開発・運用を行う、エムスリー株式会社(以下、エムスリー)に転職をしました。そこが私の自社サービス開発としてのスタートとなります。
エムスリーでは、システムエンジニアとしてサーバーサイドの開発に携わりました。当時はiPhoneもない時代なので、モバイルの区別もなく、システムエンジニアとして入社しています。


エムスリーでは事業として、医師や看護師の方などの医療従事者向けのプラットフォームを展開していました。事業自体は社会貢献性がありその点でやりがいはあるのですが、開発している私にとっては「医療従事者向け」ということもあり身近なサービスではなく、作ったものに対してのフィードバックをあまり感じる機会がありませんでした。
徐々にダイレクトにフィードバックを感じられる環境に身を置きたいという思いが強くなり、Nubee Tokyoというソーシャルゲームの会社でサーバーサイドエンジニアとして転職をしたんです。

ゲームのサーバーサイドは、莫大なトラフィックをきちんとさばいていかなければいけないこともあり、サーバーサイドでは求められるレベルが高く、難易度もかなり高いです。ゲーム開発は未経験だったのでとてもチャレンジングな選択ではありましたが、ゲーム業界は自分にとっては面白いと思える仕事だったと思います。

ソーシャルアプリの開発の特徴でもあると思うんですが、ダイレクトにユーザーからの声が返ってくるところは大きく変わった点ですね。あとは、ユーザーを飽きさせない施策としてイベントを2週間ごとに実施しており、リリースタイミングも夜中だったこともあり、スピード感はありましたね。(笑)

ソーシャルゲームの開発は技術的にはとても面白い世界ではあるんですが、自分自身が元々ゲーマーだったわけではないこともあり、特にソーシャルゲームはそんなにやってなかったので、やはり事業自体に興味を持ちきれなかったという理由から、現在のユニファにCTO候補として入ることになりました。
自分が携わった開発が事業貢献・社会貢献していることが感じられる事業であり、かつお客様からのフィードバックも得られるという点でユニファを選びました。


ユニファでの開発組織の立ち上げ

ユニファは今年創業から11年を迎えますが、私がCTO候補としてジョインしたのは2015年2月で、実は創業メンバーではないんです。
当時、正社員のエンジニアは誰一人おらず、弊社代表がコワーキングスペースでお声がけしたフリーランスの方数人に、ユニファ最初のプロダクトである「ルクミーフォト」の初期サービスの開発をお願いしている、という状況でした。

なのでCTO候補としての最初の仕事は、自ら開発も行いつつ、「開発組織の立ち上げ」と「正社員エンジニアの採用強化」でした。
拠点も当時本社が名古屋にあり、私の入社と同じタイミングで東京オフィスも立ち上がりました。

開発に関わるメンバーは少なかったものの、開発組織として動いていたわけではないので、機能によって構成が異なるなどの課題はありました。開発組織を立ち上げ、その状況を整理していきながら、今ではプロダクトマネージャーやデザイナー含め45人の組織体制になりました。

“経営/事業視点を持つ”エンジニアを必要とする理由

どうしてもCTOとしての目線にはなってしまうのですが、頼れるエンジニアに共通している能力として、「経営視点や事業視点を持っている」ことはとても重要だと思っています。

私自身、入社時にそのような視点を持っていたかというと全然自信はないのですが(笑)。でも、やはり今になって思うのは、特に自社サービス内の開発をやる上では、そういう目線がすごく必要だなと思っています。

例えば「技術面でこうあるべき」など、エンジニアとしての定義は色々あると思うのですが、売上や利益が切っても切り離せない事業会社事業会社では、その”エンジニアリングの正”だけを振りかざしていいわけではないんです。経営や事業の視点で考えると、今はここが重要だからこっちやるべきだよね、という考えが生まれます。「もちろんエンジニアリングとしてはこっちでやるのが正しいけど、もっとライトにやれるこっち側のやり方の方がいいよね」みたいな議論がされることはかなり大事ですね。

そのためユニファでは、事業のことをできるだけエンジニアに共有する機会を増やしています。
開発側の組織の中でのミーティングをやると、ビジネスの数字というよりはどうしても技術的な課題の部分や実際の進捗確認にフォーカスしがちですが、「結局それって何のためにやっているのか」、「どういう背景があってこの機能を開発することになったのか」など、その辺りの視点がないと、単にやれと言われたからこの開発をやる、となってしまう。
そうすると、社内受託的な要素が強くなり、ビジネスサイトや他の組織との溝を生んでしまうんです。
そこの部分を、今はプロダクトマネージャーがかなり頑張ってくれていて、ビジネスと開発の橋渡しをしてくれているんです。とてもいい循環が生まれていると感じています。

あとは「コミュニケーション」ですね。もちろんエンジニアなので、プレゼンが上手いとかそこまでは必要ないのですが、別チームであってもお互いの意図を汲んで、ちゃんとリスペクトを持ってコミュニケーションを図れるのかは重要なところです。

ここは会社によって本当に考え方が異なるところだと思うので、どれだけ円滑なコミュニケーションを取れなくとも開発技術さえあればいい、と考える会社も実際にあります。

でも少なくとも弊社の開発組織体制では、技術があってもコミュニケーションが上手く取れないと仕事が進まないので、マストなスキルだと思っています。


ユニファが目指す開発組織の在り方

組織図としては、エンジニアやプロダクトマネージャー、デザイナーなど職能別の部署が存在しますが、実際に開発をする時にはその各部署からメンバーをアサインして開発チームを構成しています。今の開発組織は4チームで構成されていて、各チーム内にプロダクトマネージャーやサーバーサイドエンジニア、モバイルエンジニアやデザイナーなどがアサインされます。各部署から横断的に必要なフェーズで関わっていて、いわゆるマトリックス組織に近い形をとっています。

弊社はルクミーの中でもルクミーフォトやルクミー連絡帳などいろんなプロダクトがあり、1つ1つは独立したシステムになっているんですね。なので、プロダクトの数で言うと14個ほどのプロダクトがあって、それを4チームで開発しています。

元々は今のようなチーム構成ではなく、個別でプロダクトにアサインしていました。そのため、当然プロダクトによってチームの構成が全く異なりました。私が例えばAとBというプロダクトをやっていたとして、Aはこの人とこの人、 Bはこの人とこの人と一緒に進めているという状況ができあがり、
同時にそれぞれが複数プロダクトを兼務していてすごく効率が悪かったんです。

人によってやり方も違うし、そしてスケジュールの調整もチーム間でその方のスケジュールが共有されているわけではないので大変でした。
その経験を踏まえて、同じチーム構成で固定し、複数のプロダクトを担当するという方法に変えました。
そうすると、別のプロダクトを兼務するにしても、同じメンバーで常にやれるので、作業の優先順位を考える時にもプロダクトマネージャーが自分の見ている範囲の中で優先順位を考えればいいので、とても効率的になりましたね。

また、同チーム内にいろんな職能のメンバーがいることは、開発だけをするといった凝り固まった環境になりにくく、以前よりも一緒にプロダクトを作っているという空気が生まれているなと感じます。

専門領域の壁をなくしていきたい

ソフトウェアのエンジニアとしては、サーバーサイドもフロントもさらにはモバイルもみんなコードを書いてソフトウェアを作ってるんだったら、みんなソフトウェアエンジニアだと思うんですよね。

今はAndroidやiOSエンジニアなど、それぞれ個別の専門領域に分けて仕事をしてくれているんですけど、将来的にはそういった垣根もどんどんなくしていきたいです。

面白いものを作る上で、変に壁を作らなくてもいい、 いい意味でどんどん境界を曖昧にしていけるといいなと思っています。


- 赤沼さんありがとうございました。




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