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くらしのスケッチ

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今日が人生最後の日なら
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2020年1月の記事一覧

オンはコンタクト

休日出勤したある日のこと。

部屋の中に若手の同僚男性の姿があったため、「お疲れ」と声をかけると、見上げた顔が凛々しい。

「あれ?コンタクト?」

彼はメガネ青年なのだ。

「そうです。休みの日はコンタクトです。」

「へえ、何で?俺はオフの日がメガネだよ。」

僕はその日もボロっちいメガネをかけていた。

「だって、仕事パソコンばっかだから、コンタクトだと疲れなくないスか?」

その通りだ。ぐ

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誰かが捨てたもの

息子とHobby Offにいた時のこと。
Book Offのおもちゃ版、中古ショップだ。

彼はあれやこれやと棚を漁り、自分の小遣いで買えるものを吟味していた。弟にも買っていくのだと足し算をしていた。

一時間近くかかって息子は偽フェラーリのような得体の知れない赤い車を選んだ。1,000円。

これは弟に、とスカイラインGT-Rとパトカーのセットを選んでいた。800円。

そこに一組の親子が通りす

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もし僕が神様だったら

ある日の職場の宴席でのこと。

おでんが美味しいお店だった。

僕はこれまでの仕事人生では、いつも素晴らしい上司、同僚、部下たちに恵まれてきた。

もう30代になった独身女子の部下。とてもいい人。

職場には30代、40代の独身女性が増えてきた。真面目な、素敵な人ばかりだ。男はしょーもない奴でもおおむね既婚。僕とか。

心から、幸せになってほしいなあ、と思う。

早く結婚できたらいいね、という意味

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マルクスでエエんですか?

自分の内面を見つめるというのは、気が進まないものだ。

見れば見るほど、ろくなものではない。

だから、大学生の頃、私は自分の内面を見つめるのはもうやめることにした。

私にはたぶん、優しさとか思いやりとか、そういった、人として大切な「良きこころ」が欠落している。

しかし、お前の人格など社会全体から見ればどうでもよいこと。

「かれらがなんであるかは、かれらの生産と、すなわちかれらがなにを生産し

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