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ORANGE RANGE「ИATURAL」

2005年発売の3枚目のアルバム。このアルバム発売前にメンバーであったKATCHANが脱退した為、5人体制となってから初のアルバムとなる(シングル「*~アスタリスク~」から「お願い!セニョリータ」までKATCHANが参加していた曲も収録されている為、実質最後に参加するアルバムでもある)。「musiQ」まではロックバンド的な側面が大きかったのに対し、本作はそこに電子音がこれまで以上に散りばめられているのが特徴。同じ19曲入りの双方と比べると音の違いが出ている。リーダーのNAOTOもKATCHANが抜けてからこのバンドのオリジナルなグルーヴ感が変化していると述べていたようである。このアルバムから(シングルでは「キズナ」から)ドラムはサポートメンバーが務め、特に桜井正宏は2022年の配信曲「キリサイテ 風」まで長きに渡りレンジを支えてきた。
余談だが、個人的には生まれた初めて祖母に買ってもらった音楽CDだったので思い入れが非常に強く、持っているCDの中では一番古い。

メンバー
YAMATO・・・ボーカル
HIROKI・・・ボーカル
RYO・・・ボーカル
NAOTO・・・プログラミング、インストゥルメンタル、ギター
YOH・・・ベース

収録曲
1.yumekaze
2.夢人
3.お願い!セニョリータ
4.Winter Winner
5.CRAZY BAND
6.雨
7.GOD69
8.HYSTERIC TAXI
9.pe nyom pong
10.盃Jammer
11.*~アスタリスク~
12.sunrise
13.U topia
14.BETWEEN
15.re-cycle
16.キズナ
17.ラヴ・パレード
18.Иatural Pop
19.Kirikirimai~Fantastic Four Remix~

yumekaze
作詞・作曲 ORANGE RANGE
アルバムの始まりはストリングスとバンドサウンドが見事に重なり合った壮大なバラードソング。「楽しいトキも辛いトキも夢見てリセットできる」という歌詞のYAMATOパートと最後のサビの後のアウトロに行くまでのこの曲最大の盛り上がり部分が特に好き。
開始早々いきなりドンッと始まるので少し驚く。

夢人
作詞・作曲 ORANGE RANGE
「パティシエになりたいの~♡」で始まる引き続き夢をテーマにしたこれまでにないくらい電子音にまみれたテクノポップ調の曲。HIROKIパート部分で聴こえてくるNAOTOの若干テキトー気味の「にゃんにゃん」コーラスが可愛くないようで可愛い。個人的に好きなのは最後の3ボーカル陣によるかけあい。

お願い!セニョリータ
作詞・作曲 ORANGE RANGE
シングル曲で、メンバーであったKATCHANが最後に参加した曲。「上海ハニー」「ロコローション」に続くスピード感溢れる夏歌。イントロのフラメンコギターの演奏が地味に凄い。ラテン音楽を中心に活動するミュージシャンであるパラダイス山元が本作にパーカッションとして参加している。MATCH(大塚製薬の微炭酸飲料)のCMに使われており、この曲のPVにもMATCHが堂々と登場するので個人的には夏というよりはMATCHの曲という認識でいる。ところどころ謎の男性による「Ahh~Foo!!」というシャウトはおそらく何かの音源のサンプリングだろうか?

Winter Winner
作詞・作曲 ORANGE RANGE
レンジ初の冬ソング。曲が明るくパーティー的なノリなので冬なのにどこか暖かそうな雰囲気で、曲の構成的に「上海ハニー」冬バージョン的なイメージ。イメージとしては冬のスキー場のあるコテージで若者が楽しんでいる図が浮かぶ。

CRAZY BAND
作詞・作曲 ORANGE RANGE
なんとも気の抜けるようなシンセのイントロから始まる全体的にネガティブでやる気がない事を歌詞にした曲。レンジの歌詞はなんだかんだ言って最後はポジティブに持っていきがちだがこちらは終始ネガティブモードとなっている。個人的にはこういうノリの方が好きなのだがw。それとは裏腹にギターとベースの音色は異様にかっこいいフレーズが聴ける。歌詞の「俺平成のMr.スネ男」が好き。


作詞・作曲 ORANGE RANGE
ジャズテイストの曲で雨の日をイメージしたどこもかしこも外は雨で湿ってて曇り空の薄暗い感じが出ている。是非とも雨の日に聴いてなんとも言えない気分に陥りたい。歌詞の「湿ってる てるてる坊主は 朝まで笑わなかった」が非常に雨の日の子供の感情が出ていて好き。サビのシンセの音が哀愁感漂う。アウトロのジャズ感がまた良い。

GOD69
作詞・作曲 ORANGE RANGE
前曲の鬱憤さを晴らすようなハードロックサウンド。「キリキリマイ」や「チェスト」のように聴いてて気持ちのいい歌詞の語感と厚いギターサウンドが相変わらずで、逆にYAMATOパートではギターではなくベースがメインとなっているのも本曲の特徴。「O.R, Sound Just Now 爆発 BOMB! それはバイノーラルと化す GOD69!」という歌詞が特に好き。

HYSTERIC TAXI
作詞・作曲 ORANGE RANGE
ドライブにぴったりなスピーディーなロックサウンド。実際に車で流したら盛り上がる事間違いないだろう。気に入っているのはサビのスピーディーに盛り上がるところと、Cメロの逆に一旦落ち着いた静かになる感じと合わさってあちこちで鳴るクラクションSEが夕方の渋滞した道路の情景が見えてきそう。

pe nyom pong
作詞・作曲 ORANGE RANGE
おそらくレンジの曲の中で一番意味不明でカオスな曲。サビは無く、YAMATOの声が目立つスキャットになっている。Aメロの高い声と低い声に加工されてるパートはおそらくYAMATOだろう。
RYOパートが一番普通だが電話パートは本当に友人に電話して録音したとか。
HIROKIパートでは一瞬「以心電信」のメロディが流れる箇所があるが、勿論これは制作者の作為的なものなのだが当時私はこの部分を聴いて「このCDなんか録音ミスってる」と思い込んでいた。
レンジのナオキって誰やねん。

盃Jammer
作詞 RYO、TKC、アルシオネ
作曲 低音一家
レゲエテイストの曲。この曲ではHIROKIとYAMATOは歌に参加しておらず、ゲストとしてC.I.C.(ロックバンドである山嵐のボーカルのSATOSHIとベースの武史)がRYOとボーカルを務めている。普段のレンジとは系統が違うヒップホップな感じに仕上がっており、このようなコラボ枠は翌年発売の4枚目のアルバム「ORANGE RANGE」にも存在する。
低音一家とは、低音ボーカルのRYOとベースのYOHの二人を指している。

*~アスタリスク~
作詞・作曲 ORANGE RANGE
シングル曲でアニメ「BLEACH」の初代オープニング。曲のイメージ的には冬の夜空。電波受信音のような電子音が鳴り響く非常に疾走感溢れるロックナンバーで空に浮かぶ星を歌った曲。一番好きなのは2番目のサビの後の間奏からRYOパートのスピーディーなパート、そしてトーンダウンしたゆるやかなYAMATOパートが堪らない。自分がレンジを知ったきっかけがこの曲で前述の部分で見事にこのバンドにハマったわけだ。
カラオケで歌うと結構難易度が高い。

sunrise
作詞・作曲 ORANGE RANGE
シンセサウンドが全体的にメインでところどころに謎のコーラス?のような音が入る。夜中の3、4時を歌った曲で全体的に何とも言えぬ不思議な雰囲気を醸し出す妖艶のような曲。サビはHIROKIのみのソロ歌唱という点でもこれまでのレンジの曲にはなかったテイスト。YAMATOパートからアウトロまでの流れが特に好き。

U topia
作詞・作曲 ORANGE RANGE
外人視点の日本を歌ったナンバー。「芸者」というワードがちょくちょく出てくるので幕末・明治頃の外人視点の日本をなぜかイメージしてしまう。こRYOパートの背後で鳴らすギターの音色が地味に好き。外人が間奏で片言日本語を話す場面はよく真似してしまうw特に最初の「ナカトミノカタマリ!」が勢いも相まって面白いw
NAOTOが気に入っている曲らしく、ライブでも演奏される事が多い。

BETWEEN
作詞・作曲 ORANGE RANGE
勢いのあるノイジーなギターサウンドに全体的に厚みがあるサウンドが特徴なロック。理想と現実の狭間を歌った曲。RYOパートの疾走感が一番好きで最後のサビで再度登場して重なる部分はいかにもレンジらしい。
YOHが気に入っている曲。

re-cycle
作詞・作曲 ORANGE RANGE
爽やかなシンセストリングスとギターのイントロから始まるポップソング。
歌詞は人生をリサイクルに例えている感じで歌詞のテイスト的に「ミチシルベ~a road home~」と少し似ている。

キズナ
作詞・作曲 ORANGE RANGE
シングル曲。KATCHANが脱退した後に作られた曲で、「落陽」以来の琉球色を取り入れたバラードソング。ストリングスの他に三線と二胡を起用しており、上海出身の二胡奏者であるチェン・ミンが参加している。「花」と同様に「いま、会いにいきます」に起用され、本曲はドラマ版主題歌。歌詞は恋人通しが遠く離れても絆で結ばれている事を歌っているが、同時に脱退したKATCHANに向けた友情の絆を歌っているようにもみえる。間奏は三線と二胡の見せ場でその後の最後のHIROKIパートまでの盛り上がりが感動的。

ラヴ・パレード
作詞・作曲 ORANGE RANGE
シングル曲。映画版「電車男」の主題歌でメンバーは本作をテーマに作詞している。HIROKIとYAMATOパートの歌詞は統一感があるが、RYOパートだけは少しだけ2人の視点と異なるような感じがするのは気のせいだろうか。サウンド面においては、このアルバムの中では電子音等が用いられていないシンプルなバンドサウンドとなっている。

Иatural Pop
作詞・作曲 ORANGE RANGE
このアルバムのリードトラック。タイトル通り自然な、ありのままを歌った所謂応援ソング的側面を持つ曲。まさにこのアルバムの締めくくり(正確にはまだ次の曲はあるが)に相応しいトゥルーエンドのような曲。特に間奏のギターソロからアウトロにかけての疾走感は気持ちがいい。
ちなみにこの曲が終了した後2分ほど音が無い状態が続く。

Kirikirimai~Fantastic Four Remix~
作詞・作曲 ORANGE RANGE
リミックス Josh Deutsch
アルバムの締めはシングル曲「キリキリマイ」のリミックス。おそらくボーナストラック扱い。映画「ファンタスティック・フォー」のテーマに起用されていたらしい。このリミックスではボーカルとサウンドに一部エフェクトや加工が施されているぐらいで、リミックスでよくある元の曲の原型が留めていないという様な事は起きていない。
ちなみにリミックスを担当したJosh Deutschという人物は検索するとアメリカのトランペット奏者の名前が出てくるが、その方では無く同名のアーティストらしく主にアメリカの映画やテレビ番組の音楽を担当されている方らしい。

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