見出し画像

ORANGE RANGE「1st CONTACT」 レビュー

沖縄が生んだ6人のモンスターバンドによる彼ら初の1枚目のオリジナルフルアルバム。
このバンドの特色ともいえる低音(RYO)・中音(HIROKI)・高音(YAMATO)の3ボーカルによる掛け合いがこれでもかというほど盛り込まれているほか、ゴリゴリなロックな曲、ノリノリのポップナンバー、テクノ調のエレクトロテイストの曲、ストリングスを用いた壮大なバラードなど幅広い音楽性を持ち、現在のアルバムにも引き継がれている。
近年の彼らの作品と比べると当然ながらバンドサウンド目立つ一方。3枚目の「ИATURAL」以降から一気に見せつけてきたバンドのリーダーであるNAOTOによるエレクトロな側面もこのアルバムの頃から実はチラつかせていたりもしている。
ジャケットは物凄くインパクトが強いオレンジ男(wikiによると彼の名前は「オレンジレンジャー」だそうだ。)
この前年にインディーズから発売されたミニアルバム「オレンジボール」と比較するとかなり音が進化しており、低音ボーカルのRYOの声が大幅に違う。

メンバー
HIROKI・・・ボーカル
YAMATO・・・ボーカル
RYO・・・ボーカル
NAOTO・・ギター、シンセサイザー、ヴォコーダー
YOH・・・ベース
KATCHAN・・・ドラム

収録曲
1.Fever!
2.上海ハニー
3.ミッションinポッピプル
4.ヤング8
5.サムライマニア
6.ゆうぐレッド
7.ビバ★ロック
8.ジャパニーズピープル
9.パーリィナイッ
10.O-MO-I
11.TWISTER
12.ベロシティー3000
13.キリキリマイ~Alubum Ver.~
14.落陽~Long Ver.~
15.アンビエンタ
16.山内中校歌

1~5、7~14 作詞・作曲 ORANGE RANGE
6、15 作曲 NAOTO
14 ストリングスアレンジ 吉俣良
16 作詞 喜屋武真栄、作曲 喜納昌隆

Fever! 
1曲目からゴリゴリなロックナンバー。ところどころ挿入されるパチンコのフィーバー時のような音が妙に心地よい。
「失神寸前。点滴注入。状態悪化。どうする大佐?」という歌詞が特に好き。
余談だが中学の同級生はサビの「フィーバー~♪」の部分を「ビーバー~♪」と変えて歌っていた。おかげでビーバーのイメージが強くなったw。

上海ハニー
2枚目のシングルで彼らを見事に有名にさせたポップな夏歌。ナンパができない内気な男の心情を歌った曲で割と共感できる人も多いだろう。
間奏のダチョウ倶楽部のようなやり取りでは演奏陣の声も入っており、特にドラムのKATCHANの声が唯一聴ける曲でもある(台詞はおそらく「やだー(棒読み)」だろうか)。
最後の「ハーイヤ、イヤーサーサー」が地味に肝だったりする。近年のライブではここでライブ客と一緒にカチャーシーを踊るのが定番となっている。
カラオケで歌うとサビ以外の掛け合いパートがなかなか難易度が高い。

ミッションinポッピプル
ストーリー仕立ての曲で、怪盗が警備の目を搔い潜ってダイヤを盗む内容となっている。後半における警報からのくだりが特に好き。
ポッピプルというのはwikiによるとYAMATOがこのワードを呟いてメンバーにウケた為付けられたとのことらしい…w。
ちなみに9枚目のシングル「*~アスタリスク~」のカップリング曲「ミッションin大作戦」ではこの曲の刑事目線となっている。

ヤング8
Fever!同様自分たちを歌った実に彼等らしい曲。途中で曲のテンポが変わる部分が特徴的。
wikiによると元は「*~アスタリスク~」と同じメロディーだったらしい。

サムライマニア
1枚目のシングル「キリキリマイ」のカップリング曲でテクノテイストな曲。サビの「時空超え遥か彼方頂上~」の歌詞の語感がたまらなく大好き。
最後のヴォコーダーによる「SAMURAI MANIA」のスペル読みはYMOの「テクノポリス」を彷彿する。

ゆうぐレッド
インスト曲ではあるもののHIROKIとRYOが何かしら歌っている。RYOのは全くわからないが、HIROKIのは辛うじて聴きとれる。
どこか夕暮れの物悲しさのようなものを感じる気がしないでもない。夕暮れを眺めながら聴きたい曲である。

ビバ★ロック
3枚目のシングルで所謂応援ソング。テレビ東京で放送されていた人気アニメ「NARUTO」のエンディングテーマだが実際に使用されたのはシングルのカップリング曲である「ビバ★ロック~Japanese size~」で聴き比べるとサビ以外歌詞がかなり違う。
「大きい人小さい人ビビデ バビデ ブー」という彼等らしいユーモラスな歌詞が地味に好き。
余談だがこの曲を聴くとゲームキューブで発売された「ドンキーコンガ2」を思い出す。よくこの曲でタルを叩いたものだ。

ジャパニーズピープル
これまでの賑やかな流れをぶった切る暗い雰囲気の曲。各々ボーカル陣によるパートは最初はネガティブな事を歌うが最後は「辛いことを経験したからこそ乗り越えられるよ」と後押しするような感じでビバ★ロックとは違った感じの応援ソング。
ただやっぱり応援ソング向きではないw

パーリィナイッ
4枚目のシングル「落陽」のカップリングでファンク寄りな曲。イントロのベースが何とも言えないくらい好き。
「ダンシングパラパラヤングマン」というフレーズは妙に頭に残る。

O-MO-I
レゲエ調の曲でレンジの曲でよく出てくるちょっと切ない恋愛ソング。
「ツライ苦い暗い恋はしたくない シアワセな恋がしたい そんなコトばっか理想が高いから 素敵な恋できない」という歌詞がグサッと来る。

TWISTER
メジャー時代のライブでは必ず演奏された激しいハードロック。タイトル通り竜巻の荒々しさが出ている。
この曲のライブではタオルを回すのが恒例だったが近年のライブでは長らく演奏されていない。

ベロシティー3000
3枚目のシングル「ビバ★ロック」のカップリングで元はミニアルバム「オレンジボール」収録の「ベロシティー」のアレンジ。原曲と比べるとメロディーはほぼそのままだが歌詞が大幅に変わっている。
近未来の機械的な感じがたまらなく、これと「サムライマニア」は別格で好き。

キリキリマイ~Album Ver.~
1枚目のシングルで元はミニアルバム「オレンジボール」に収録の同名タイトルの曲のアレンジ。オレンジボール収録のものとは印象が大きく変わるほどアレンジされており、ハードロックなテイストに仕上がっている。
サビのインパクトは歌詞にある通り一度聞きにしたら離れない事間違いない。このアルバムの中では間違いなく大好きな曲だ。
アルバムバージョンとシングルバージョンの違いはアルバムの方が音に厚みがある。

落陽~Long Ver.~
4枚目のシングルで初の参加ミュージシャンを招きストリングスを起用した壮大なバラード。沖縄の楽器である三線を用いており、ライブでこの曲を弾く時はYAMATOが弾く。
時が流れていく中で自分たちは音楽でこの先を進んでいく決意を歌った曲。一般的な知名度は低いがファンには非常に人気が高く、特にRYOのサビあたりからはライブでしか味わえない感動がある。

アンビエンタ
打ち込み主体のインスト曲。タイトルはおそらく「アンビエント」と「エンターテイメント」を交えた造語だろう。
時々聞こえる音声は何かの番組のサンプリングなのだろうか?

山内中校歌
メンバーの母校の校歌をレンジ流にアレンジしたカバー曲。
メンバーの郷土愛を感じれる。

さて一通り述べてきましたが、まぁ1枚目から濃すぎるなとw
これ以降はもっと濃いのが待ち構えていますが…w
とりあえずこれからオレンジレンジを聴きたいという方には2枚目のアルバム「musiQ」と同じくらいおススメです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?