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犬は人に、猫は家に。

犬と猫の決定的な違いの一つに、彼らにとって生活の基盤はなのなのかということがあります。
犬は人につきます。よって飼い主が変わることの影響は大きいです。
一方、猫は家につきます。なので、彼らにとって引っ越しはかなりの負担になるわけなんですよね。

ついに、やってきました!
「おかわりくん」を迎える日が!
掃除をして、猫にとって危ないものがないかをチェックして、夫婦で待ち望んだ日です。

「到着しましたー!」

と、チーカワさんから連絡をいただき外に出ると、ご主人と車で来てくれていました。
我が家は、残念ながら賃貸マンションで、駐車場が無いので、ご主人は近くの駐車場まで車を運び、待機という手筈になっていました。
後部座席から出てきたのは...「おかわりくん」!
移動用のキャリーケースにタオルを掛けて暗くしてありましたが、間違いなく「おかわりくん」で、その重みにビックリしながら家の中に運びました。

チーカワさんから、まず最初に「おかわりくん」が安心できるようにケージに移すように言われました。
私は、猫を触ることも掴むこともド素人。
わからん、わからん、となっているうちに、妻がささっとケージに入れて、引っ越しはスムーズに行われました。

持参してくれたトイレも一緒にケージに入れ、直近まで使っていた猫砂を入れました。
これによって、猫が「見知らぬところだ〜わからないよ〜」とならず、自分のテリトリーとして認識し、安心してトイレをしたり、過ごせるようになるそうです。

借りてきた猫とはよく言ったもので、ちょこんと座りポーズのまま、ジーッとそこから見える風景を観察するだけで、忙しなく動いたりするってことはありませんでした。
譲渡会の時も、おとなしい雰囲気だったので、イメージの通りだなーと思いつつ、のそっのそっとスローに動く感じが「おかわりくん」らしいなぁと思って眺めていました。

トイレの他にも、数日分のごはんとネット、それから今までシェルターで使っていた小さいベッドをいただき、諸々の説明を受けることになりました。

基本的には、すでに譲渡会の交渉時に説明してくださった内容と、それに加えて、現状の家の中を見る限り「どんな危険があるか」「何に注意した方がいいか」「万が一、緊急事態になったら」など、様々なアドバイスを頂きました。
私にとっては、猫の身体能力と習性については未知のもの。
多少、妻から聞いた程度なので、情報量がとてつもなく、覚えるのに必死でした(こんなんだったら、メモしながら聞けばよかった...)

トライアル開始となるタイミング、つまりこの日に、保護主と里親希望者とで契約書が交わされます。
もちろん、このトライアルで里親になれない判断もあります。
しかし、お預かりするからには、お返しするまでは責任を持って接するべきですよね。
この契約書も、双方にとって安心感があります。

チーカワさん「ちなみに、名前はどうされますか?」
妻「『おでん』にしたいと思っています。」
チ「『おでん』?」
私「ええ。譲渡会のとき、みなさんに『おーちゃん』と呼ばれていたので、『お』から始まる名前がいいなと。で、やっぱり食いしん坊だから食べ物の名前がいいなってことで、『おでん』です。」
チ「いい名前ですね!おでんくん、ですか!素敵です〜!」

こんなやり取りを交わしつつ、契約書にも「おでん」の名前が書かれ、ついに「おかわりくん」は仮称ではなく、「おでん」という正式な名前を手に入れたのでした。

チーカワさんとはその後、様々なことをおしゃべりして、気がつけば2時間くらい経とうとしていました。
いろいろ気をつけなければならないことはたくさんあるけど、とにかく、このトライアルにおいての約束事は、

「毎日、おでんくんの様子を観察して、連絡すること。」

これによって、お互いに安心できるし、何より信頼を築くことができます。
困った時にすぐ質問できる人がいる、というのは保護猫を飼うのにかなり大きいメリットだと思います。
環境に慣れるまでは、猫も緊張していて、どんなトラブルが起きるか予想がつきません。
ですので、私たちにとってはありがたいルールでした。

こうして、猫神様「おでんくん」との共同生活が始まったのでした!

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