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リモート面接

3月から無職となり仕事を探していたのだが、例のコロナウイルスの件で面接すらしてもらえない状況が2カ月ほど続いていて、なんだか気分も滅入るし、先行きも不安なので、とりあえず正規の雇用は諦めて非正規の仕事やアルバイトを探して何社か派遣会社に登録をしてみた。

昨今の社会情勢により派遣登録の面接も直接担当者に会うか、リモートで行うかを選べるとのことで、物は試しと思い、リモートを選択してみた。

私が受けた派遣会社ではLINEのビデオ通話を使用して面接を行うとのことで、ビデオ通話など使ったことがなかったので一抹の不安があったが、担当者のLINE IDを登録するだけでOKということで、特に労もなくリモート面接にのぞむことができた。

指定の日時に担当者から練絡があり、早速スマホをスタンドに取り付けて電話をかけている時と同じようなテンションで面接が始まった。

元来、私はあまり人と話すのが得意でなく、かなりしっかりと意識しないと人の目をじっと見ることすら出来ないタイプの人間なのだが、リモート面接中は割とリラックスして話せるし、相手の視線に対する圧迫感はほぼ皆無に等しかった。

おかげで無事登録も完了し、派遣先も決まって7月から少ないながらも収入を得ることが出来るようになって一安心なのだが、なんでリモートだとあんなリラックスして話せたんだろう、と不思議に思い、何故なのか色々と考えてみたところ、何点か気付いたことがあったので列挙してみる。

・一つ目は、自室で行われているという安心感。

これによってもし万が一、圧迫面接の類に遭遇した場合にこちらから一方的に回線を切って面接を打ち切る事ができる。もちろんそんなことをするつもりはないが、最悪の場合そういう選択肢もあるというのは正直、心強い。


・二つ目は、面接室に入る時の緊張感がない。

連絡を受けてビデオ通話を起動した時点からすぐに面接が始まるので、部屋をノックして、名前を言い、促されたら席に着く、という一連の流れみたいなものがない。個人的に私はあの面接作法みたいなのが苦手で、それがないというだけで精神的な負担がかなり軽減した。


・三つ目は、割と新しい試みなので面接する側にもきっちりしたマニュアルみたいなのがない。

これに関しては完全に推測の域を出ないが、面接を受けた印象としてはそんな感じがした。向こうも手探りでやってる感じが伝わって幾分リラックスできたかな、と思うが、これに関しては派遣会社の面接なので、企業面接とはまた違うかもしれない。


・四つ目は、視線が交わらない。

これが個人的に一番感じたこと、かつ、リモート面接の利点かな、とも思った。先述したとうり私は人の目を見るのが得意ではないのだが、リモートだとお互いの顔を見ようとすると自然と画面の方に目が行き視線が合わず、逆に相手と視線を合わせようとするとカメラのレンズを覗き込まねばならず、そうすると今度は相手の顔が見えない。なのでお互いの顔は見ているのに視線はずれているというリモート特有の現象が起こる。これによって相手に観察されているという圧迫感がなくなりすごくリラックスできた。

以上の四点がリモート面接をしてみて感じたことだが、私にとってはリモート面接は利点しかないなと感じるほどであったけれど、面接する側にとってはどうなんだろうか?それは分からないが、対人だと緊張して空回りしてしまったり、考えてることを簡潔に伝えられなかったり、変にどもってしまったりする人や、私のように視線に若干の恐怖心があったり、人の気に当てられたりしてしまう人にとっては自分をよりアピールしやすい環境なんではないか、と思えた。

仕事の能力は高いのに、面接だけはどうしても上手くできないという人も世の中には結構な数いると個人的には思うので、そういう人が自分をしっかりアピールできて、能力を活かした仕事につきやすくなるなら、今後、リモート面接を主流にするのも大いにありだと思わせてくれた経験だったように思う。


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