ひそひそ昔話-その13 僕たちは簡単には、立派な人間にはなれない-
卒業式後のパーティでは、学生も卒業生も先生たちも一緒くたになって、お酒やオードブル料理をつついていた。僕は節目のパーティというものが割合好きで、年中なにか“節目”を刻んでパーティをしたらどうかと思う方だ。それで発泡酒片手に一つのテーブルからもう一つのテーブルへと渡り歩きながら、親しかったりそうでもなかったりした人と挨拶を交わしていた。どうせほとんどが今後一生会わないような人々だ。
学科長の教授の挨拶が始まると言うんで、僕らはステージに注目することとなった。
額に深い皺を刻んだ