【セルフライナーノーツ】優しい言葉

8月6日。広島原爆の日。世界で初めて原子爆弾が投下された日から、今年で75年。

戦争や核の存在の恐ろしさ。平和とはなにか。
いつも忘れずに生きてるわけではありませんが、この日をきっかけに改めて考え、家族や周りと話し合う機会にしたいな、と思っています。

自分の思う「平和」を求めるためにも、ありきたりだけど、優しくありたいな、と思っています。人に対して、世界に対して、最後に自分に対してもきっと。
全ての想いが重なるわけではないし、分かり合えるわけでもないし、優しさの形だって時に変わるだろうけど、根っこはそこでありたい。

このタイミングで改めて書いてみたいと思いました。
万貴音の楽曲「優しい言葉」のセルフライナーノーツ。

・5月9日リリース、配信限定シングル。

自分が主として活動しているユニット「万貴音」、5月9日に配信限定シングル「優しい言葉」をリリースしました。

https://linkco.re/ZTSUcyv5

優しい言葉 by 万貴音

リリース記事はこちら。

https://magazine.tunecore.co.jp/newrelease/63465/

万貴音、「優しい言葉」を配信開始｜THE MAGAZINE

YouTube「万貴音ミュージックチャンネル」でもインフォ動画を出しました。

2020年、今もまだ日本中、世界中を脅かしている新型コロナウイルス。
瞬く間に拡がり、人と会う行動は封じられ、人は人に気軽に会えなくなり、今も収束の見えない現在。こんな事態を誰が知っていたのか。
世界中が驚き、戸惑い、悲しみながら、多くの人は日常と生き方を変えざるを得ない状況になりました。

そんな中、万貴音が感じているテーマを、最速でリリースした楽曲です。

・人の言葉が怖い、と思ったコロナ禍。

https://ameblo.jp/odatakane/entry-12587481600.html

『伝え方を考える、と、作ること。』

https://ameblo.jp/odatakane/entry-12595927487.html

『万貴音「優しい言葉」リリースと配信ラッシュ。』

アメブロの方で、ライナーノーツの切れっ端というか、感情的な部分は少し書いています。興味があればご一読を。

「言論の自由」という権利があります。とても大事な権利。
なんだけど、「インターネット」という存在と、そこに大きく乗っかった「匿名性」という機能が生み出したのは、自由や便利さと一緒に、悪ノリを逸脱した「悪意」も膨れ上がらせてしまったように感じます。
これって今に始まったことではなくて、自分の印象では匿名巨大掲示板「2ちゃんねる」がバズったあたりから、顕著に。
（2ちゃんねる自体は革命的な、面白いサービスだったと思ってます）

新型コロナウイルスの脅威が大きくなって、自粛要請、緊急事態宣言に基づいた「ステイホーム」の流れ。人に直接会えないと、「みんな何してるかな」って感じに、いつもよりSNSも気になって、アクセス頻度が増す。今までより少しSNSに気持ちが寄りかかる、とも言える状況でした。

「なんとか乗り越えよう」「こんな助けがあるよ」といった助け合いの言葉もある。たくさんあったはず。なんだけど、真逆の感情ばかりが目に飛び込んでくる。
建設的な批判は必要なんです。だけど、その何倍も無慈悲で、辛辣で、例え少しのミスでも槍玉に上げてみんなの晒し者にする言葉の数々。批判じゃなくて、誹謗中傷。
自粛ストレスとかも溜まってるんだろう。みんなやるせなかったんだろう。
とも思うけど、匿名（アノニマス）の皮を被った人の言葉が、怖くなりました。

本当のことを言うと、曲を作って発表するのもちょっと怖かった。
「大して売れてもないやつが幼稚な綺麗事言って、何の意味があるの？」って言われる想像もしてしまってたから。
作りきれたのは、ギリギリの天秤の傾きだったのかもしれないです。

・音の特徴。

自分の中では最強セットの一つ、ストリングス入りのピアノロック。アルバム「Smile Co.」の「Crush On」「Answer」も基本、同じ編成です。
斬新さよりも、自分が一番信頼している音で作りたかった。

と言いつつ、ピアノロックのテイストで16ビートのノリは初なのかな。
16ビート基調の曲ってどちらかと言うと軽やかな雰囲気になるんだけど、メロディは大きめなトメハネを意識して、どしっと座らせてみました。

イントロのピアノフレーズは幾度となく出てきます。繰り返す日常と、そこから自由に外に出られない日常と。
時刻合わせのようなリフを杭にしながら、各パートの特徴は、
・Aメロ：細かく揺らぐメロディとリズム
・Bメロ：ボーカルを切り替え、タイム感を8ビートに転換
・サビ：16ビートに戻しつつ、グランドビート（2拍4拍）強調
・Cメロ：音数を落として大きくクライマックスにつなぐテンション
って感じ。

使用音色も吟味してないわけじゃないんだけど、熟考よりもスピード感をより重視してました。リリースからしばらく経った今でも、必要な音がぎゅっとしてるので、当時の判断は間違ってなかったなーと思っている。

・誰が言ったか、何を言ったか。

同じ意味をもつ言葉であっても、誰が言ったのか、どういう言い方をしたのか、で受け取る意味は驚くほど変わります。

「この世界で君はたった一人だよ」、という歌詞。
どう聞こえますか？
「誰にも負けない個性を持った大事な人だよ」でしょうか。
それとも、
「何を頑張ったとしても、お前は孤独なんだ」でしょうか。

言葉は切り取る場所だったり、相手との関係性で驚くほど意味が変わります。
一字一句違わない言葉でも、誰に言われたかで変わるし、例えば恋人からなら「ばかだなあ」でさえ、たまらなく愛しくもなる。唯一無二の感情なんてないんだと思います。

どう伝えたいか、どう受け取りたいか。どうあがいても曖昧な、言葉を介する感情のやりとりを、自分はどうしたい？その中で、他人とどう生きていきたい？曖昧が故に面倒臭いこの部分を、万貴音として溢れんばかりのエゴを添えて吐き出したのが、「優しい言葉」という楽曲の言葉です。

・まごころを、君に

今自分たちができること、伝えたいこと、を集めてリリースした「優しい言葉」。世間を大きく騒がすわけでもなく、ただし大切にリリースされました。この曲のリリースを喜んでくれた方も、今大事にしている方も、確かにいてくれることが、とても嬉しいです。

「CDでも販売してほしい」という言葉もいただいていますので、なんとか出来ないかなあと思ってます。こういう声があること自体が嬉しいよね。

どうせ一緒に生きてるなら、仲良くなれるといいね。
ほんの少しでも、ね。

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