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2023 J1リーグ第12節

 連休最終日の5月7日、ホーム エディオンスタジアムでJ1リーグ第12節が行われた。天候はあいにくの雨、しかも前日から激しく降り続き警報が出る状況下での言わば”滝行”のごときピッチコンディション。それでもスタジアムには多くのファンサポーターが駆け付けていたことは昨季から続くチームの好調さが影響しているのであろう。サンフレッチェは上位をキープしておりり、今節は上位対決となるアビスパ福岡との一戦だった。

 勝敗は3-1とサンフレッチェの快勝。結果だけを見ればそうなるが内容は決してそのようなものではなかった。昨シーズンの対戦成績は公式戦4試合でサンフレッチェが3勝1分と、数字を見ると圧倒している印象を受けるがどの試合も非常に難しい内容でなんとか勝ってきたというのが実感だ。今シーズンはそんなアビスパから志知がサンフレッチェに加入、アビスパにとっては痛い放出だっただろうが戦力補強として紺野、ウェリントン、佐藤といった攻撃陣を獲得し総合力をアップさせ、今期もまた厄介なチームの一つであることには変わりない。

 ゲームの内容として、前半は完全にアビスパペース。いつもの3421のシステムから3142に変えて挑んだがそれがハマらず押し込まれる展開が続いていた。激しいプレスやセカンドボールの回収など相手に上手くやられた感じであったが、サンフレッチェのパススピードは遅くパスを受ける時には毎回プレスを掛けられる様な状況であったので中盤あたりでボールロストすることが多くなかなかチャンスを作ることが出来なかった。そんな中、キープレイヤーである満田が負傷し交代でルーキー越道が入った。ここはこのゲームの分岐点となったが流れがサンフレッチェに傾くのはもっと後で、前半の越道は消極的なプレーが目立つ。満田との交代ということで少しナーバスになっていたのだと思うが前に向かう意欲が薄かったように思う。やはりチームとして、前向きのパワーが弱く、早くないサッカーをしていると上手くいかないというのを体現しているかのような前半だった。

 後半は開始から2枚のカードを切りシステムを3421に変更。これがハマったという解説は多いと思うが、私はそれよりもマインドがもっと前向きになり早くて、前に前に、よりゴールに直結するプレーをするようになった結果、内容が良くなったと思えた。同点ゴールをアシストした越道のアーリークロスは消極的とは程遠いアグレッシブな見事なクロスであり、それに合わせたのはオフサイドギリギリのタイミングで抜け出したFWピエロス。彼にとって今シーズン初ゴールであり、ホーム エディオンスタジアムでの初ゴールというメモリアルなこのゴールはポジショニング、抜け出しのタイミング、そしてシュート精度とどれをとっても一級品の素晴らしいゴールであった。海外のリーグからJリーグへと挑戦する選手は一様にJリーグ特有のサッカーに慣れ活躍するまでに時間がかかる。ピエロスもまたその一人なのだがこのゴールで殻を破りゴールを量産してもらいたいと願う。

 後半開始早々の同点弾から一気に流れがサンフレッチェに傾く。今までのやり難く、消極的なサッカーから、いつもの前向きなアグレッシブなサッカーに変わっていき、確実にチャンスをものにして3-1というスコアでフィニッシュ。選手達はこのピッチコンディションの中での勝利に各々がさらなる自信を身に着けたことであろう。これは勝ち点3以上に価値のあることだ。特にこのゲームで活躍した選手のこれからの躍動に期待したい。

 明日9日からは従前の練習場でのファンサービスが再開される。100%同様にとはならないが、ほぼ今までの日常が帰ってくるのである。これによりファンサポーターはますます盛り上がり、選手たちもモチベーションがさらに上がるのではないだろうか。何より、世界情勢や国の方針に即対応してくれるクラブに感謝したい。

ODA SYCLE
小田


 

 

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