写真の依頼について

これまで趣味として写真撮影や動画制作に取り組んできて、ちらほらと依頼を受けるようになったので、写真との向き合い方について改めて書いた。noteにある「お仕事依頼」に記事をセットしてみたかっただけなので、そんなに仰々しいものでないんだけど、書いていたら意外と長文になったな。

失敗が多いマニュアル撮影

わざわざ依頼するのだから、それなりのクオリティ担保が求められているのは理解しております。でも、私が撮っている写真の方向性としては、仕事で求められる要件と真逆を向いていて、そもそも上手く撮れなくて当然な機材を使っています。

本業の職場ではCanon EOS R5とかSONY a7iiiとか、そこそこ新しいカメラを使うこともありますが、私用ではNikon D90, D70という10～15年落ちのボディだし、レンズに至っては50年前のオールドレンズです。

オールドレンズで写真を撮ると、デジカメの機能が使えずマニュアル撮影となり、とにかく失敗します。露出が手動なのでシャッタースピードも絞りも自分で設定しなければなりませんし、フォーカスも手動なのでファインダーを見ながら手動で調整しなければなりません。

凄い枚数を撮りますが、環境が変わって最初の5枚くらいは暗すぎ・明るすぎ・ピンボケなどで失敗しています。激写しているように見えて、ちゃんと撮れるまでに失敗しているだけだったりします。

祖父の形見を使っている

わざわざマニュアル撮影する理由としては、父方の祖父から受け継いだ形見のオールドレンズを使うためです。祖父はこっそりカメラやレンズを買って散在しては祖母と喧嘩していたので、私はお金をかけずに写真を楽しもうと決心しました。失敗が多いけれど撮れた時の喜びもあり、スマホでも綺麗に撮れる時代だからこそ逆行して苦行を乗り越えて写真を撮っています。

撮った写真が誰かの役に立ったりすることは私にとっての喜びでありながら、撮る体験そのものは純粋に自分のためと捉えています。お金を貰って撮影する時は、失敗で待たせるような機材を使っていては駄目だけど、個人的に依頼を受けて撮る場合は自分の撮りたいようにオールドレンズでマニュアル撮影します。

「オールドレンズらしい写真」を意識しつつ、レタッチでフィルムルックに寄せる技能を持った人がいるのを見ると、あんまりオールドレンズを推しても仕方ない気がします。私もLightroomでRAW現像していて、最も意識するのは（機材関係なく）自分の理想とする写真のイメージに近付けることです。そうやって作り込んだ表現を好きになってくれて、依頼されるのは嬉しかったりもします。

これまでに撮ってきた写真・映像など

プロを雇うほどでもないくらいの案件でオファー頂いております。例えば、移転するオフィスを写真に残したいとか、バイト卒業する方に卒業アルバムを残したいとか、パネルディスカッションイベントの記録撮影とか、ストックフォトに無いくらいニッチな地元の森林の写真素材とか。

出せる作例でいくと、近所の商店街のお店のSNS写真を頼まれたら撮ります。頼まれなくても撮っている延長で、たまに頼まれて撮ります。

マニュアル撮影ができると動画撮影で役立ちました。撮影中にピントや露出が変わるといけないので、けっこうマニュアル撮影の機会があります。Premiere Pro / After Effectsで動画編集した、行きつけの立飲み屋の紹介動画はコチラ。

別に頼まれた訳ではなく、ボランティアスタッフしていた商店街のイベント動画なんかも作りました。

ビストロスイッチ当日編

貨幣を介さずクリエイティブで生きたい

そもそも表向きに副業できないので、今のところお金稼いで云々は重視していません。が、本業で身に付けたクリエイティブなスキルを、身の周りを良くすることに活かせたらいいなとは考えています。それが、生活者が「撮って残したい」と強く欲することの市場調査となり、本流に還元できれば綺麗と思います。

近所の商店街がシャッター街になるのは寂しいので、街が活性化することなら私用・商用を問わず力添えしています。頼まれなくても撮るくらいの「応援したい」気持ちと、愛着ある対象であれば依頼は受けて立ちます。でも、タダでやっちゃうのも写真で飯食っている人の機会を奪っている気がする（アマチュアとはクオリティが違うと言え）葛藤はあり、今のところ報酬として「ご馳走してくれたらやるよ」くらいに考えています。撮った被写体を美味しく頂いたり、メシ奢ってくれたら撮ります。

田舎で農作物を譲渡しあう風習みたく、クリエイティブ関連の役務を提供して、貨幣を介さず市場でご飯が食べる生き方にあこがれています。