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正しい道をまっすぐ進むことにこだわっていたころ:最初に会社をやめて無職になることを決断した当時の話

こんばんはこんにちは。

わたしは十数年前に、新卒で入った大手企業を2年半でやめました。
人からしたら大した決断ではないかもしれません。ただ同時の私にとっては一世一代、本当に大きな決断でした。

その頃の話を少し書いてみようと思います。

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そもそも、私は多分いわゆる優等生的な人生を送ってきました。

家族仲はよくありませんでしたがそれなりに裕福で、受験に失敗した経験もなく、高校は件有数の進学校に入学し、大学は卒業して10年以上たった今でもすごいね!と言われる国立大学に入りました。

理由はわかりません。もともとそうゆう人間だったからか、父も母もいい大学を出ていたからなのかは不明ですが、本当に普通にそうゆうものだと思っていました。
一度も勉強を周りに強要されたことはありませんでした。

でも勉強はするもの、するなら真面目にやらなければ、やるからにはちゃんとやりたい、嫌なことから逃げちゃいけない、そうゆうものだから。

そう思っていました。

目標は特になく、学習欲もなく、ただひたすら勉強をしてるうちに成績が上がり、じゃあ今の成績でいい感じに受かるところどこかな?と探して受験校を決めた感じでした。
ちょっとそうゆう世界から逸脱してみたいなと思ったことはありますが、結局あるべき場所に戻ってくる、ということを繰り返していました。

なので、私は人生において、

「自分の意思で選択をして、挑戦をする」

という経験が圧倒的に人よりも浅い人間でした。
目標のためにジャンプした挑戦をすることもなく、自分の力量でだけ勝負をして挑戦しないので、悔しい思いも挫折も味わったことがなかったと思います。

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さて、そんな実態のない「普通」に何の疑問も抱かない私は当然、大学を出たら有名な会社に就職して働くもの、と思っていたので、大手企業に入社しました。

そこでの日々は自分が思っていた以上にしんどいものでした。

滾ってた期、で詳しく書きましたが、仕事云々というより特に社風が合わなくてめちゃくちゃしんどかった。

周りに評価される分だけ、自分の心の大切な何かが削られていくというか、すり減って尖っていって、、自分じゃないトゲみたいな人間になっていく気持ちでした。

そして、2年半がたっところわたしは会社をやめる決意をします。

理由は、「とある夢を叶えたいので勉強に集中したい」というものでした。

私は実際に会社をやめてから1年近くほぼ無職(半年は派遣やってました)その勉強に勤しんでいましたが、今思えば、この理由は完全に後付けでした。

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その当時の私は、多分自分が思っている以上に無理をしていてしんどくて、とにかく会社をやめたくて仕方がありませんでした。

ただ、プライドが高くて周りの目を気にする人間だったので、会社をやめる正当な理由を探していました。

「しんどいから」、「辛いから」、ではダメで、苦労して入った大手企業をやめるに足る理由が必要だった。

それは多分完全に、自分にとってでした。

勉強自体は好きだし得意だったので、そこで見つけたのが、「とある資格をとってその職業につくことを目指す」というハリボテの目標でした。

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私は高らかにその夢を掲げて会社をやめました。

ただ、ずっと不安でした。

今まで何の挑戦もしたことがない人間が、完全にレールから外れる。
戻ってこれるかわからない。誰も自分の人生に責任なんかとってくれない。

薄々、自分を騙してることにも気づいていました。
夢を叶えるためにやめるなんて言ってるけど、本当は会社をやめたかっただけ。逃げただけの卑怯な人間じゃないか。

毎日そう思っていました。

正しいかわからないけど、どうか自分がこれから進む先は、自分の人生の前だと信じたい。
絶対に後退してるわけじゃない。私は前に進むためにやめるんだ、そう言い聞かせていました。

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そんな頃、わたしを救ってくれた曲があります。

ELLEGARDENのSalamanderです。一部サビを抜粋し引用させていただきます。

Just let it slide
Wasting time
Just keep it goin' and goin'
Just let it slide
Wasting life
Just keep it rollin' and rollin'
Just make it loud
In your room
Just make it loud
No one cares
And just let it slide

最終出社日のその日まで、エンドレスリピートでこの曲を聞いていました。
3分ちょっとの短い曲なので、人生ですでに1万回くらい聞いてる気がします。

なんか、この曲に出会ってずっと聞いてるうちに、

前でも後ろでも何でもいい
動いてもがいて、転がり続けてあがいて、
私の小さな人生で私の中で何叫んでたって、
誰も気にしない。
くだらないことなんか考えてたら時間と人生の無駄。
とにかく何でもいい、動いて動いて傷ついてもがくんだ!

そんな気持ちになれました。

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私は多分それまで、

正しい道を前を向いてまっすぐ進んでいくこと

にこだわっていました。

後退してはいけない、道を逸れたら戻れない。寄り道してる時間なんかない。あるべき姿でいなければいけない。

何も目標なんかないのに、不思議ですよね。寄り道せずに、どこに行きたかったんだろう。

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正直、綺麗な夢を隠れ蓑に、嫌なことから逃げただけの卑怯な人間じゃないかなっていう思いはずっと拭えず、今でも思うことはあります。

ただ、皮肉なことに、この経験が人生で初めて、「自分の意思で選択をして、挑戦をした」ことでした。

理由はどうであれ、完全にレールから逸れて、違う道を選んだ。

今となっては本当によかったと思います。

その後、ハリボテの夢だったとはいえ、私は1年本当に勉強に集中しました。
でも結局夢は叶えられず諦めてしまいました。

今は普通の会社員ですが、でも前にいた場所とは多分違う場所で、また新しい道を歩いてます。

何だかあの頃を思い出すと、苦しくて楽しくて恥ずかしくて、本当に不思議な時間だったように思います。

とても貴重な経験で、迷走していた自分が愛おしいなと思います。

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これは、何も考えずにとりあえず動いてみりゃいい!という話では決してありません。

周りからどうみられるか、あるべき姿にこだわって、やりたくないことをやり続けている方や、やりたいことができていない方に送りたい。

あなたは十分にまっすぐ生きてきたし、誰があなたの人生に口を出せるというのか。

自分の小さな部屋の中でどれだけ叫んでも誰も何も気にはしない。
外から何かいう奴がいたら、音量をあげて部屋から締め出してしまえ。

思いっきり叫んで動き回って暴れて傷ついて、そしてまた満足すれば、またスタートを設定すれば良いです。

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それではまた!



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