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繊細女子の映画鑑賞記録「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」

 映画鑑賞記録14本目。

 初ウディ・アレン監督作品。
 えっ、映画好きなのに見たことなかったんですか?そうなんです。
 そもそも自分が恋愛に対してそれほど熱量を持ってこなかった人生だったことと、ウディ・アレン監督自身の性的趣向と人間関係に敬意を持てなかったから。作品と作者は別物だと考える人も多いけれど、自分はそんな器用じゃない……。

 さて、そんなだけど、ティモシー・シャラメとジュード・ロウが好きだから「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」を視聴してみた。

 食わず嫌いしていたウディ・アレンだけど、ニューヨークの霧がかった世界と音楽はとてもよかった。ファッションも含めてとてもお洒落でティーンが憧れる恋愛映画だなって感じ。
 うだつがあがらないジュード・ロウが凄くよかったし、「ローグ・ワン/SW」ではめちゃめちゃかっこよかったディエルゴ・ルナが顔がいいだけのくそ男だったのも笑ってしまった。もちろんティモシー・シャラメのお坊ちゃんニューヨーカーもキュートでとても良かった。エル・ファニングはいつもあんなに洗練とされて儚くて透明感溢れてるのに、芋くさくて視野の狭いガニ股女子になってたのもビックリした。総じて演者の演技は本当によかった。

 肝心の脚本だけど、まぁこんなもんかという。覚悟していたよりは性的でなかったけれど、思ったよりも倫理観皆無だったなぁと。人間の本質を描いているのかもしれないけれど、日本人にはちょっと共感しづらいと思う。

 でも、自分も過去に「人間としてとても優しくて面白くて一緒にいると落ち着く」恋人と「住みやすい世界が違う」という理由で別れたことがあるから、ギャツビーの気持ちもアシュレーの気持ちもわかる。
 その人間の本質って結局一緒に住んでみたり、生まれ育った街に行って自分がそのにおいをかぎ取ったり、その人の家族と話してみないとわからないもので、結婚ってそれら全部をひっくるめてお互い歩み寄っていくものだと思うんだよね。

 結局ラストシーンでも描かれていたけれど、ギャツビーにはまだまだ人生経験も恋愛経験も社会経験も足りない。アシュレーには自己の芯が無いから目先のことに夢中になってあらゆることをボロボロと落として失くしていってしまう。
 ただ、それが全部足りすぎても「結婚」の難しさを理解しちゃうから、勢いで結婚しちゃわないと出来なくなるって聞いたことあるけどね。

 昔の作品を見る気にはなかなかなれないけれど、恋愛と人生のむず痒さとほろ苦い恋愛映画、これがウディ・アレンなのか~と雨の東京を見ながら思った。

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