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#0151 勝手に空想旅行~朝食は市場で食べよう!~

こんにちは。釧路出身の小田原です。
暑い日が続き、正直言ってバテております💦

大学進学を機に上京し、2年ほど札幌で過ごした後、ずっと東京で暮らしているので、東京の気候には慣れているつもりですが、連日35度越え、寝苦しい熱帯夜は、暑いのが苦手な私にとって、結構しんどいものがあります。

最近は、暇があったら釧路のライブカメラを見て(今の時期は大抵は濃い霧に覆われている)、涼を感じるのがルーティン化しています笑

↓釧路のライブカメラはこちら!

さて、夜に釧路の炉端を楽しんだご一行は、ホテルに一泊して朝を迎えます。あえて朝食付きにせず、市場を楽しもうとしていました。
さぁ、どんな朝ごはんにするのか!

↓前回の勝手に空想旅行はこちら

○海霧に包まれた朝

翌朝、ホテルの部屋で目を覚ました私は、朝日を浴びようとカーテンを開けた。

そこには、眩しい朝日ではなく、街全体が濃い霧に覆われた幻想的な光景が広がっていた。

東京なら明るく強い日差しが入り込むのが日常だが、まるで夢の中に迷い込んだかのように、遠くの船もぼんやりと霞んでいる。突然のこの視界の悪さに、思わず驚きの声を上げると、まだ眠気を残している妻と子供たちも起き上がり、窓の外を見つめていた。

「すごい霧だね!」と、息子が窓に顔を近づけながら言った。
その表情は半ば興奮しているようにも見える。

外に出てみると、霧はさらに濃く、まるで別世界に迷い込んだような感覚に包まれた。そんな中、末っ子が突然、大きく息を吸い込んでから、一気に吐き出した。

「霧を晴らすんだ!」と、彼は真剣な顔をして、再び息を吸い込む。そして、また吐き出す。その一生懸命な姿に、私たちは思わず笑ってしまった。

「そんなに頑張らなくても、そのうち晴れるよ」と、妻が微笑みながら言うと、子供たちは大笑いしながらも、霧の中を嬉しそうに駆け回り始めた。霧が作り出す不思議な朝の風景が、家族の笑い声と共に、いつまでも心に残る思い出となった。

そして、そんな楽しいひとときを後に、私たちは「くしろたんちょう市場ぐるめ館」へ向かうために、ゆっくりと歩き出した。霧の中でも、家族の絆は確かに感じられる特別な朝となった。

○ホテルの朝食は付けなくて正解

早朝の澄んだ空気が心地よく、釧路の静かな朝に包まれながら市場へ向かうと、地元の新鮮な食材が並ぶ活気ある市場の雰囲気に心が躍った。

市場内にある「橋本商店」は、まさに地元の海の恵みが詰まっていた。

黒板に書かれた本日のおすすめメニューが目に飛び込んでくる。

迷わず選んだのは、色とりどりの海鮮が豪華に盛り付けられた海鮮丼。
そして本日の煮魚定食だ。

海鮮丼に盛り付けられたネタは、どれも新鮮なものばかり。

特に鮭のバリエーションが豊富で、脂の乗ったトロ鮭や、トキシラズ、塩気の効いた紅サケが口の中でとろけるような味わいを見せる。
鮭だけでもこんなにバリュエーションがあるのか。
釧路ならではの鮭の美味しさが、この地の自然の豊かさを物語っている。

一方、本日の煮魚定食は、カレイの煮つけだそうだ。

聞くと、ババガレイという種類とのこと。

大皿に乗ったカレイの迫力ある大きさにまず驚かされた。

じっくりと煮込まれたババカレイは、身がほろほろと崩れ、煮汁がしっかりと染み込んでいる。

口に運ぶと、甘辛い味わいがご飯と見事に調和し、ついついおかわりを頼んでしまう。魚屋が営む食堂ならではの新鮮さと、家庭的な味付けが、朝から満足感をもたらしてくれる。

市場の喧騒の中で、地元の人々が普段の生活の一部として楽しんでいるこの朝食は、観光客にとっても釧路の魅力を肌で感じる特別な体験だ。

鮮やかな海の幸が盛り付けられた一杯一杯に、釧路の海の力強さが詰まっていることを感じながら、私たちは満足感に包まれていた。

ババガレイ

厚く脂がのった身は煮付けにうってつけ

・産地・生息域
太平洋沿岸の水深50~400mに多く分布。
産卵場所は北海道では釧路以東海域。

・特長
体は長楕円形で肉厚。
目の付いている表側は暗褐色で表面に大小様々な斑点がある
裏側は限りなく白に近いピンク色。
体の表面には粘液が多くヌルヌルしていることから、あわふきやなめたとも呼ばれる。

・おすすめの食べ方
身が厚く脂がのる冬が旬。
煮付け。冷めてできる煮こごりが、カレイ最高級と称される。

北海道ぎょれんHPより

○朝食おかわり

たんちょう市場を出た瞬間、子供たちが「もう一回食べたい!」と言い出した。

普段はトーストで済ませているのに、朝ごはんでおかわりしたいなんて言うのに驚いた。

せっかくなので、道路を挟んで向かいにある「和商市場」に足を運ぶことにした。ここは釧路の台所とも呼ばれる場所で、地元の人々と観光客が入り混じり、活気に満ちた空間が広がっている。

和商市場で有名なのが「勝手丼」だ。ご飯を片手に市場内を歩き回り、自分の好きな魚介類を選んで丼に盛り付けるスタイルは、釧路ならではの楽しみ方だ。私たちも市場を巡りながら、トロイワシ、トキシラズ、ニシン、ホッケといった珍しいネタを次々と選んだ。

特にトキシラズは、時季外れに獲れる希少な鮭で、その脂の乗り具合と旨味は格別だ。

ネタを選び終わり、家族それぞれがオリジナルの海鮮丼を手にすると、自然と笑みがこぼれる。

花咲ガニの鉄砲汁や漬物も一緒に味わいながら、私たちは釧路の海の幸を存分に堪能した。

和商市場の「勝手丼」は、釧路の豊かな海の恵みを自分の手で選び取るのと、お店の人とのコミュニケーションが本当に楽しい。
他では味わえない贅沢な朝食を楽しんだのだった。

和商市場の歴史

釧路市の「和商市場」は、1954年に「市民の台所」として設立されました。当時、釧路の中心部にあった青空市場がそのルーツで、戦後の復興期に地域経済の活性化を図るため、現在の形に整備されました。

「和して商う」という言葉からその名が付けられた和商市場は、長年にわたり地域の人々に愛され続け、釧路の文化や生活の一部として根付いてきました。

和商市場の最大の魅力は、釧路ならではの新鮮な海産物を取り揃えた「勝手丼」です。訪れる人々は、自分好みのネタを選び、オリジナルの海鮮丼を楽しむことができ、これが和商市場の名物として観光客の人気を博しています。

時代の変遷と共に、和商市場も進化し続けていますが、変わらぬ「市民の台所」としての役割を担い続けています。

和商市場HPより

つづく・・・

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