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みずのつき


泣けるだけ泣いても良しと許されて内にもにも水は溢れて


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みなづき と言う言葉が好き。
理由は、六月と言う呼び名が今ひとつ好きになれなかった頃に出会ったこの響きに、ほんの少し救われたような気がしたから。

六月といえば…まずは雨。
あとは紫陽花にカタツムリに、誕生石なんて真珠だぞ!
子供の頃、全く華のないこの月に生まれたことを恨んだ。
4月の子は良いなあ〜
8月の子も良いなぁ〜
あ、9月や10月、5月も良いかも!


6月って鬱陶しいよねぇ 

と聞くたびに自分のことを言われてるような気がした。

ピーカンの青空の日より、ほんの少し曇った日が好きだったりすると

あ、6月生まれだもんね

なんて言われると、少し見下された気さえした。

6 って数字も野暮ったいと思ってた。漢数字に至っては、キュッやシュッやカクカクのないなんて締まりのない間抜けな字なんだろうって。

まぁ、今となってはもう全部どうでも良いことばっかりなんだけど。笑



水無月の「無」の意味をせっせと調べたりしたこともあった。


そんなことをぼんやり思い出してたら、雨が降るだけ降って、「雲の上の水が無くなる月」ってことで、水無月か?なんて。

それに来月は7月じゃん、七夕じゃん。

逢瀬まであとひと月ってところで、耐えきれなくなった織姫が雲の上でエンエン泣いてるのか?とか
彦星が渡り易くなるように天の川の水嵩を減らそうと川底の栓を抜いたのか?とか

織姫はそんなことで泣かんやろ!川底の栓ってなんやねん!って話だけど、そんな妄想がぶくぶくと膨らんでく。



……


忘れ去るわけを尋ねも出来ぬまま今日も過ぎゆく年一ねんいちの日

……

アタシの誕生日だけを忘れた母。何日も過ぎてから毎年聞かれるのも辛い。
なぜなんだろうね。兄のは忘れてないし、なんなら嫌悪感しか示さない自分の結婚記念日なんかも覚えてるのに。

なんでなんだろうねぇ…
綺麗さっぱり忘れられてることを思い出す日になっちまった



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