#299 なぜ両立が大変だと多くの人が感じるのか？夏の自由研究！
今日は木曜日なので、通常でしたら、チームVoicyの26歳リナちゃんの質問コーナーなのですが、今日はリナちゃんが夏休みにつき、私の方で配信をさせていただきます。
なぜ両立が大変だと多くの人が感じるのか？
今日は、私のここまでの勝手な研究結果を皆さんに共有できればと思うのですけれども、研究というと大袈裟なのですが、私のここ数年の大きな振り返りテーマというのは、『なぜ両立が大変なのか？』語弊を恐れずに言い換えると、『なぜ両立が大変だと多くの人が感じるのか？』これがテーマなんですね。
この「両立が大変だと感じるのか？」という表現がめちゃくちゃミソなのですけれども、私も特にそれを感じたのは、第一子の出産後だったんですよね。
この放送でもいろんなもがきを共有させていただいたと思いますが、相当ばたついて、相当もがいていたし、その時は「両立ってなんでこんな大変なんだろう」って思っていました。
その当時は「子どもを持って働くって、やっぱり大変なんだな」って思っちゃったのですけれども、そこから時間が経つと、「なんかその発想だと違うんじゃないか？」要は、「子育てが大変だからじゃないよね、このいろんな悩みは」って思うようになったんですよね。
もちろん子育ても大変ですよ。
寝ないとか、泣いててもなんで泣いてるのか分からないとか、なんにも思い通りにいかないとか、何が正解か分からないという大変さはあるのですけれども、たぶんそれだけじゃないなって思うようになりました。
いろいろ考えたり、自分のケースもそうですし、事業を通じていろんな人と出会って、多くのケースに向き合ってきたり、新しい視点を要所要所で学んだりしながら、『なぜ両立が大変だと多くの人が感じるのか？』このテーマに対して、現時点での「こうなんじゃないか論」がちょっと固まってきまして、これを共有させていただきたいなと思います。
研究とか言っちゃってますけれども、完全に小田木私見ですので、皆さんも友人が「ちょっと聞いてよ」そんな感じで言ってきた話だと思って聴いていただければ幸いです。
出産後の私自身と私たちを取り巻く環境
まず、出産後にどういった状態になるかというのを、私自身と私を取り巻く環境に分けて考えると、ちょっと整理ができるかなって思いました。
私自身と私を取り巻く周囲の環境、主に職場が多いですよね。仕事、両立という上では。
まず環境に目を向けると、往々にして、私たちはいろんな仕事してるし、置かれた状況も違うのですけれども、どんな環境にいるかというと、ある程度共通点があるんじゃないかなって思います。
職場だとか、仕事を取り巻く環境ですよね。
一言で言うと、変化がめちゃくちゃ早いですよね。
VUCA（ブーカ）みたいな感じで、変動的で、不確実で、複雑で、曖昧と言われますけれども、変化が早い。
分かりやすく表現するとどういうイメージかというと、まず一つは、誰も答えを持っていない。
例えば、会社がいろんな工夫をしながら、事業をしたり、ビジネスをしたりしてますけれども、どうやったらこれからもずっと発展的に会社や事業が成長するのかって、誰も答えを持ってないと思うんですよ。
社長だって、そんなものを精緻に予測がついて何をすれば正解か分かるんだったら苦労しないよ、こういう感じじゃないですか。
こういった環境下の私たちは「去年までと同じ仕事のやり方で、ずっとそれを続けてくれればいいからね」こう言われている人って、一人もいないと思うんですよ。
何が問題か、そこから考えてどうしたら解決できるのか、一人一人とにかく一生懸命考えてください、こういう状況の中にいるんですよね。
さらに職場というのは、いろんな働き方だとか、価値観だとか、バックボーンを持っている人が増えてきて、要は、自分の思い込みだとか、阿吽の呼吸だと、コミュニケーションも上手にとれない。つまり、変化に対応するのも難しい。
こういった状況が、まず私たちをとりまく環境かなと思います。
今度は、自分自身に目を向けるとどうかというと、子どもを持つといろんなことが変化しますよね。
そういった中で、とにかく私自身もブーカなんじゃないかなと思います。
変動的で、不確実で、複雑で、曖昧。
変化は早いのだけれども、どのように変化していくのかって、超初心者で始めた子育てで経験がないのもそうだし、子どものことなんて誰も予測がつかないし、一カ月ごとにどんどん状態が変わっていくし、こういった何が正解か分からない状態が、私自身にも起こっているなと。
加えて、子どもを持ってからいろんなことが変化するじゃないですか。
物理的な状況だけじゃなくて、私自身の考え方とか、価値観というものも、根底から大きく揺らぐのがその状況だったなって思います。
個人の中の多様性が一気に広がるんですよね。
パートナーにとっての妻や、夫としての自分もそうですし、子どもにとっての父や、母としての自分もあって、もともとそこに仕事をしたい仕事人としての自分がいて、個人の中の多様性も激広がり。
変動要素が多すぎて、正解もない
外もそんな感じで、中もこんな感じ。
これって一言で言うとどういう状況かというと、変動要素が多過ぎちゃって決めるのが難しいという状態ですよね。
しかも誰も答えを持っていないし、正解もない、こういう状況が一気に進むのが、おそらく出産後になるんじゃないかなと思います。
変動要素が多いと決めるのが難しいって、イメージすると分かりますよね。
例えば、いろんな数式があって、どこか一つを固定できるのであれば、A×BのBだけを変動要素にするのであれば、Bをいろいろ組み替えると、答えを出せるじゃないですか。
でも、A×B×C×Dみたいな状況で、AもBもCもDも全部変動的だというと、もはや答えは出せません。こういう状態ですよね。
これが出産後に起こることなんじゃないかなと思います。
こうなってくると、どんな問題が起こりやすいかというと、変動要素が多くて決めるのが難しい、しかも誰も答え持っていないし、正解もないというと、起こりがちな問題というのは、例えば、考えるべきことが多過ぎちゃって、何を考えたらいいのか整理されずに、頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃうんですよね。
はい、なりました、それに。
自分自身も一人の個人の中にいろんな多様性が生まれて、周りもみんな多様な人たちだというと、自分中心だと相手に理解されないって悩んじゃうんですよね。
そういった状況を抜け出そうと、とりあえずいろいろ動いてみるけれども、動きすぎちゃって、今度は「結局どうしたいんだったっけ？」目的がなかなか定まらないし、目的を決めにくいという状況から、結局どうしたいのかよく分からない問題といったものも生じてきますし、いろいろそこから生まれてくるタスクに今度は邁進しちゃうと、なんか常に追いかけられている気がして、でも、理想と現実のギャップが埋まらない感覚を持っちゃって、頑張っても報われない、こんな思いにとらわれちゃうこともあるんじゃないかなと思います。
加えて、体力的にしんどかったりとか、そういった不確実で不確定な状況に身を置き続けるというのは、相当な揺らぎを伴いますので、結構しんどいですよね。
こういう状況になるというのが、私自身ももろにはまったし、「両立って大変だわ」と多くの人が感じる状況なんじゃないかなと思うようになりました。
両立が大変だというのは、子どものせいじゃない
どうでしょう、皆さん。
同じように思うのか、「えー、そう？」という感じで思うのか、いろんなご意見があると思いますけれども、今、私は「なんかすごい大変だな、モヤモヤするな」と思う根底にあるのは、こういう構図があるんじゃないかなと思います。
変動要素が多くて決めるのが難しくなっちゃって、しかも誰も答えを持ってなくて、自分の中にもまだ正解がないので、だいぶしんどく感じちゃう。
何が言いたいかというと、唯一言えるのは、「あ、そうか、子育てが大変だからじゃないんだな」と改めて思いました。
もちろん子育ても大変なのですけれども、それだけじゃないし、そもそも両立が大変だというのは、子どものせいじゃない、こう思うんですね。
そして、この話を聴いたからって、何か問題がすぐに解決するわけではないのですけれども、今置かれている状況をどう見るかによって、おそらく打ち手が確実に変わってくると思います。
例えば、変動要素のうち、まずどこに手を打とうか、もしくは、どこを固めた上で次に向かおうか、こんな感じですね。
今日はまず、こんなふうに見るようになったよという共有まででしたけれども、夏の自由研究をお聴きいただきありがとうございます。
それでは、今日も一日良い日にしましょう。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子（おだぎともこ）です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール“育休スクラ”から出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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