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#863 「端的に」「簡潔に」だけではコミュニケーションが難しい

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今週も一週間がスタートしました。
天気予報を見るに、今週の一週間はだいぶ梅雨らしいお天気になりそうですね。
月曜日、良いスタートを切っていきたいですよね。

「端的に」「簡潔に」が、ビジネスコミュニケーションのスタンダードになっている

今日の放送は、私が最近、思うことを取り上げて放送させていただこうと思います。おなじみの小田木所感の放送です。
最近、どんなことを思うかというと、「端的に」とか「簡潔に」っていうじゃないですか。「端的に」とか「簡潔に」だけでは、これからのコミュニケーションは難しいな。
そんなふうに思うことを皆さんに共有したいなと思います。

私たちは、ビジネスパーソンとして仕事を始めて以来、例えば、「端的に話せ」とか、「簡潔に伝えろ」これが大事なスキルだということで、教えられてきたし、一生懸命に磨いてきたという背景がありますよね。
そして、仕事においてはできる限り、感情とか感性みたいなものはいったん脇に置いて、「論理的であれ」「冷静であれ」こういうことが大事な価値観として育まれてきた今日までだったなと思います。
だから端的に話そうとするし、簡潔に相手からも伝えられる。
これが、ビジネスコミュニケーションのスタンダードになっているし、私たちもそれを大事なものととらえている。
こういう前提がありますよね。
もちろん、「端的に話す」とか「簡潔に伝える」「冷静に物事を判断する」「論理的に考える」は、これからもめちゃくちゃ大事なんですけど、ただそれだけだと、そっちに偏中しすぎちゃうと、コミュニケーションがうまくいかないことが増えてくるな、そんなふうに思うんですよ。
そのように感じることはありませんか。
「端的に」「簡潔に」は、もちろんこれからも大事だけれども、これだけだとこれからのコミュニケーションはうまくいかないなとか、チームで適切に仕事を前に進めていくことが、結構難しいケースがあるなとか。

丁寧な前提共有と、背景の説明と、感情や感性を丁寧に扱うが、これからますます重要になる

じゃあ、どうする必要があるかというと、丁寧な前提共有だとか、丁寧な背景説明が、これからますます大事になってくるし、さらに、丁寧な前提や背景の共有や説明において、感情だとか感性を丁寧に扱う
自分の感情や感性もそうだし、相手の感情や感性を丁寧に扱う。
これが、これからますます大事になってくる中で、あまりにもコミュニケーションを「端的であれ」「簡潔であれ」だけでとらえちゃうと、結構難しくなるんじゃないかという所感を持っています。

例えば、「端的に」「簡潔に」が行きすぎちゃってつい起こってしまうことが、前提や経緯の説明がなしに、決定事項だけを伝えられるとか、もしくは、その事実に対して、どんな感情や思いを持っているかの説明がなしに、事実情報だけが話される。
もっとエスカレートすると、「とにかく決まったんだ」みたいなことで、物事がゴリ押しで進められようとして、関わる人がモチベーションを下げるとか、あと、会議といって集められるけれども、「なぜこの会議か?」「なぜこの議論か?」が説明されない中でアジェンダだけがきて、結局、とりあえず聞くしかなくなる。
「端的に話すべき」「簡潔に伝えるべき」ということを妄信的に支持してきた結果、そういうことがかえって仕事のパフォーマンスを下げちゃっていることがあるんじゃないかなと感じています。

私は「対話」とか「ファシリテーション」の人材育成プログラムを作ったり、それを実際に提供したりする機会があるんですけど、その中で、「簡潔に伝えるべきじゃないんですか?なんで丁寧に背景や意味を言語化しなければいけないのか、よく分からない」とか、もしくは、そういったことをちゃんと説明する必要性が頭では分かったとしても、「何を、どのくらい、どう表現していいのか、それをすることがものすごく難しく感じる」そうやって葛藤する人たちもいるんですよね。
そういった葛藤や難しさはどこから生まれるのかなと思うと、「端的に伝えろ」「簡潔に話せ」「結論だけ言え」といった、これまではそれでよかったという側面が、強く出すぎちゃっていることもあるのかな、と感じたりしています。

多様性が増して複雑性が増しているからこそ、なぜその選択をするのかというのが、より重要になってくる

じゃあ、なんでこれまでは「端的に」「簡潔に」だけでよかったものが、丁寧な前提の共有や、背景の説明や、感情や感性の丁寧な扱いが求められるかというと、これはシンプルに多様性が増して複雑性が増しているから。
こういうことですよね。
職場にいろんな人がいるし、そのいろんな人は考え方も違う、知っていることも違う、仕事への動機の持ち方も一人一人に個性があるわけだから、「とにかく決まったんだ」とか、「上が言っているから」とか、「普通、そう考えるだろ」こういうコミュニケーションだと、やっぱり良いパフォーマンスは発揮されないと思うんですよね。
さらに、仕事を取り巻く環境の複雑性も増しているので、これがいわゆる「正解がない」とか、まだ勝ちパターンが固まっていないので、みんなで探求しなきゃいけない。さらにいうと、答えも一つじゃない。
なので、どれを選ぶかよりも、なぜその選択をするのかというのが、より重要になってくる
こんな背景からですよね。

なので、これまでは例えば、「結論から言え」とか、「結論だけを伝えて」といったコミュニケーションも、結論だけだと意味が見えない、背景が理解できない、だからなぜそれをやるのか動機付けができないし、結果、モチベーションが下がるとか、エンゲージメントがあがらないとか、そこからパフォーマンスも十分に発揮されないということがあると思います。
あと、これまでは「端的であれ」「簡潔であれ」が大事だとされた意図は、効率性じゃないですか。生産性を上げるために「端的に」「簡潔に」が重視されてきたと思うんですけど、ただ、今は、効率や生産性の観点で考えても、背景や意図が見えないと、推察の応酬になってしまって、こっちのほうが圧倒的に非効率なんですよね。
なので、関わる人のやる気も大事だし、仕事を進める上で効率性や生産性も大事。
だからこそ丁寧な前提共有と、背景説明と、感情や感性を丁寧に扱うことが必要になってくる。
最終的に実現したいことは変わらないけれども、状況を踏まえて、そのために大事にすべき行動というか、基本スタンスが変わってくる。
そんな感じのイメージですかね。

背景や意図が見えないと、推察の応酬になってしまう

ちなみに今、推察の応酬という表現を使いましたが、これはイメージできますか。
背景や意図が見えないと、推察の応酬になってしまう
背景が見えないから、勝手に相手のことを「そんなことを言うなんて、やる気がないんじゃないか?」とか、もしくは、「なぜその決定なのか、まったく意図が見えないので、やる気が湧かない」もしくは、「自分たちはないがしろにされているんじゃないか」もしくは、「それをやることが、本当に顧客のためになるんだろうか、疑問」こういった各々の推察が膨らんで膨らんで、結果、パフォーマンスを落としてしまう。
あるあるですよね。

なので、くどいようですけど、「端的に」「簡潔に」だけでは、コミュニケーションは難しくなっていて、これからはそっちに偏り過ぎないように、仕事で関わる人たちと良い価値を発揮しようと思うと、丁寧な前提の共有や背景の説明、そして一人一人の感情や感性を丁寧に扱っていく、そういうコミュニケーションがますます大事になってくるよね、と、最近、思っているという放送でした。

今は「伝え方」や「話し方」に関して話しましたけれども、そんなふうに今までは大事だねといわれてきたビジネススキルの定義が、ちょっとずつアップデートされていったり変化しているものが、他にもたくさんあると思うんですよね。
例えば、プレゼンテーションも、今も昔もこれからもずっと大事ですけれども、これまでのプレゼンテーションは自分の見ている景色を伝えることに注力したビジネススキルだとすると、これからは自分の見ている景色を一方的に伝えるだけでは伝わらなくて、相手が見ている景色や関心を想像しながら伝える。もしくは、伝える前に相手の景色を見にいく。
この段階が、いわゆる「対話」とか「傾聴」といわれると思うんですけど、より適切に伝える上で大事になってくる。
プレゼンテーションも、一方向のスキルではないというとらえ方が、よりされるようになっていくんじゃないかなと思ったりもします。

なので、今、必要なスキルはどんなスキルなのか?
その中で私たちはどんな強みや力を磨いていったらいいのか?
これを普遍的に変わらないものとして扱うよりも、状況に合わせてたまに棚卸し、たまにアップデートをかけていく必要があるなと思ったりもしています。

ということで、今日は「最近、思うこと、小田木所感」ということで、「端的に」「簡潔に」だけではコミュニケーションが難しくなっているんじゃないか問題をお話しさせていただきました。
皆さんは、どう思いますか?
よかったらコメントをお寄せください。

今週はイベントウィーク!

最後にアナウンスチャプターをお届けさせてください。
皆さん、今週は雨模様ですねという話を冒頭にしましたけれども、私たちにとっては今週は楽しいイベントウィークリーです。
先週からぜひ来てくださいと言っていたイベントが、なんと二日連続であるんですよね。
まだお申し込みを大歓迎で受け付けておりますので、紹介をさせてください。
まず、明日6月13日火曜日は、毎月恒例90分腹落ちオンラインライブのスピンアウト企画ということで、私たちのビジョントークイベント『日本のチームの景色を変えよう ~NOKIOOが目指す世界観~』ということで、私たちがチームワーキングというキーワードで、働く人の景色をもっともっとよく変えていこう。こんな発信をさせていただいていますが、それが何を課題だととらえているのか、事業を通じてどんなことを実現したいのか、このチャンネルもそうですけれども、ビジョンをつながる人や応援してくれる人とどう育てていきたいのか、こんなことをワイガヤする機会として、90分腹落ちオンラインライブのスピンオフ企画を今月はご用意をさせていただきました。
明日6月13日の午後15時スタートの16時半までの90分です。
日本のチームの景色を変えよう ビジョン・トークイベント』おなじみ沢渡あまねさんとワイガヤのトークライブとしてお届けします。
こちらが、13日火曜日ですね。

そして、翌14日水曜日は、この放送のタイトルコールでおなじみ、オンラインスクールスクラが主催するオープンイベントです。
こちらは、『「仕事の手詰まり感」の正体が分かる!持続可能な仕事のやり方を手に入れる“はじめの一歩”セミナー』です。
環境が変化したら、これまでの頑張り方をアップデートしていこう。それってチャンスだよ。そのために何から始めるか、そこについて考える、はじめの一歩セミナーという位置づけでございます。
こちらは、6月14日水曜日の午前中開催で10時スタートの11時半までの90分です。

二日連続で2種類もあってどっちに行けばいいの?と思う方もいるかもしれないですが、チームワーキングとか組織、自分がどう働くかを越えて、仲間とどう関わるか、どんなチームや組織を作っていきたいか、こんな目線で関心のある方は、ぜひ13日のビジョントークライブのほうにお越しください。
一方で、ここからの自分の持続可能なキャリアだとか、持続可能な働き方について考えたいという方は、ぜひ14日のイベントのほうに来ていただきたいなと思いますので、主語がチームか、それともまず自分か、そんな感じで選んでいただけるといいなと思います。
ちなみに、13日は大人数でのワイガヤ、そして14日は少人数のアットホームでのワイガヤになりますので、そんな雰囲気もよかったら参考にしていただければと思います。
このイベントの情報は、この放送の概要欄にリンクを貼っておきますので、そちらをご覧いただけるとうれしいです。

ということで、今週のイベントウィークをぜひ皆さんと盛り上がっていきたいなと思っています。

最後までお聴きいただきありがとうございました。

それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜
び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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