見出し画像

WOMAN Life Style & Career Interview|岩崎美奈さん<前編>

女性の自分らしい生き方を応援するための、ライフスタイルとキャリアをテーマにしたインタビューブログ。
今回は、物心ついたころから”石”に魅了され、資源開発の世界で活躍されている美奈さんにお話しを伺いました。大好きな”石”と地球規模で仕事ができる会社に就職できた美奈さん。自分自身が持つ「総合職はこうあるべき」「結婚したらこうすべき」などの無意識の思い込みに囚われていたそうです。妊娠・出産・育児で価値観が大きく変わり、思い込みに気付き、手放すことができました。今は自然体で子育てと仕事をポジティブに捉えられ、両立生活を送られています。
美奈さんがどのように自分らしい生き方を見つけていったのか、ぜひご覧ください。結婚までの話を前編で、出産から現在までの話を後編で紹介します。

美奈さんの紹介

Q出身地
川崎市。武蔵小杉の変貌ぶりに戸惑いを隠せません
Q幼少期のエピソード
石が好きすぎて宝石店のチラシをコレクションしていた
Q学生時代に熱中したこと
学園祭の運営スタッフ。色々学ばせていただきました

画像1

”石”が大好き!大学の専攻はもちろん鉱物

ーー”石”のどんなところに惹かれていたんですか?

子どもの頃にキラキラとした石を拾ったのがきっかけで、石を集めることが大好きになりました。高校の授業で地学があったんですが、鉱物の結晶構造の話がとてもおもしろかったんです。

水晶はなぜあんなにきれいな形になるのか、色や透明度の原因は何なのか、どんな原子で構成されていて、どんな結晶の形で、どのように光を通してキラキラして見えるのか、さらに知りたいと思いました。大学ではもっと石の勉強をしたいと思い、あまり得意ではなかった理系科目の勉強も石のためにと頑張り、進学を目指しました。

ーー大学で鉱物を専攻されてみてどうでしたか?

大学で学ぶのは”石”という小さな世界のことだけではなくて、”石”ができる過程、それも地球規模の成り立ちや歴史、活動を学びました。最初は、これは知りたい分野じゃないかも?と思ったのですが、学びを深めるほどに地球規模の大きな世界のことを学ぶ必要性や大切さが分かり、とても楽しかったです。

ーー大学生活では”石”以外に熱中したことはありましたか?

学園祭を運営するサークルに所属していて、運営リーダーをするくらい熱中しました。ただ、今思い返すと当時のマネジメントはとても下手くそでした。すべてを把握しておきたい性格が邪魔をして、ひとりで抱え込み、自分が動くことで運営を切り盛りしがちだったように思います。もっとチームメイトに頼りなよ!と当時の自分に言ってやりたいです(笑)

”石”の世界で食べていけるのか?迷子の就活時代

ーー学生時代はどんなキャリア観でしたか?

大学入学時には、まずは大学院(修士)まで進学しようと決めていました。実際に大学院に進学し、一層専門的な学びを深めていくほど、この領域の専門家として食べていくのは難しいということを痛感していきました。

また、アカデミックな世界独特のコミュニティ内だけで完結する風通しの悪さも感じており、一度は社会に出て仕事をしたいと思うようになりました。

ーー就職活動ではどんな職種や業界を目指していたんですか?

就活では大学と大学院での学びが活かせる職種や会社を探しました。例えば、職種としては鉱山技師、分析技師などを検討していました。その中でも、地球を相手にしながら仕事をしたいと思い、鉱山技師に憧れがありました。

ただ、大学院での研究と就職活動の両立でストレスが溜まり、体調不良になったこともありました。就活の時間が必要なので、物理的に研究に費やす時間が少なくなり、もっときちんと研究しないとという焦りや、リーマンショックによる漠然とした社会に対する不安もあったと思います。

地球を相手にできる仕事に就職成功

ーー念願の地球を相手にした仕事はどんなことをされていたんですか?

国内や海外に鉱山を持つ会社の鉱山技師として採用が決まりました。専門職として女性は少なく、1つ上の代に女性の先輩が2人だけいるような、まだまだ業界的には珍しい存在だったと思います。

1年目は国内鉱山の現場に配属となり、鉱山内の有用な鉱石の分布を確かめ、どのように掘り出していくのかを計画する仕事をしていました。現場で重機オペレーターの方々とも接しながら、生産量を把握し、翌日の計画を立案するのが日々の主な業務でした。生産量のシミュレーションは、正確かつ素早い数値処理能力が必要とされ、苦手意識がありましたが…若かったこともあり、何事も経験と思い、気合と根性で頑張っていました。

もう少し現場経験を積みたいと思っていたのですが、2年目で本社異動となりました。総合職で採用され、管理職に登用されているような人は、現場経験が豊富な人が多かったため、現場経験の少ない自分のキャリアに不安がありました。

ただ、本社勤務でしか叶わない、海外を含めた様々な現場研修に行くことができ、自分の知見や経験を広げることができたと思います。

結婚を機に家庭と仕事のバランスに悩む

ーー家庭と仕事の両立はどんなことが大変でしたか?

結婚をする際に自分の両親から「これからは仕事だけではなく”嫁業”もがんばるように」と言われていました。仕事が忙しくて残業が増えていった時期と結婚が重なったこともあり、結婚をしたのにきちんとした家事ができていないという想いが強くありました。夫は家事にも協力的だし、理解もあったのですが、自分自身の「こうあるべき」という姿とのギャップに悩み、自分を許せない部分がありました。

同僚の女性は結婚を機に退職したりする方もいたのですが、仕事の面でも自分自身が持っていた「総合職で採用されたら、しっかり働いて、管理職になるべき」という考えがあり、仕事も手は抜けませんでした。その一方で、女性だからと何となく手加減されるような空気を感じてモヤモヤすることもありました。そんな悩みや想いを相談したり、話したりできる相手も少なく、自分自身の考えに囚われていました。

ーー出産から現在までの話<後編>もぜひご覧ください。

美奈さんが育休中でも”自分のことを話せる”サードプレイスで孤独感を和らげた『育休スクラ』が気になる方はこちらをご覧ください。

インタビュアー自己紹介

池上朋子
育休スクラをはじめ女性のキャリアを応援するサービスのマネージャーをしています。2018年に結婚を機に浜松に移住し、NOKIOOに入社しました。2019年4月産休取得、2020年1月半育休半復帰、2020年5月フルタイムで復帰してます。1歳の息子を育てながら、子育てと仕事の両立生活を楽しんでいます。とにかく息子がかわいい。
Twitter|https://twitter.com/tomoko_ikegami