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#236 "察すること"を大事にする文化に染まりすぎていないか?

今日から6月1日ですね。
週末、まだ日が高いうちに、フクちゃんの散歩を夫としたらですね、汗ばむ陽気で、夏は近いなと感じた今日この頃です。
今日から新しい月が始まりますけれども、今月も一ヶ月良い月にしよう、こんな気持ちで臨みたいなと思っています。

先週、すごく面白くて考えさせられる会話をしたので、それを今日は共有したいなと思います。
どんなメンバーで話をしたのかですけれども、まず私が敬愛する”F島さん”、ちょっと微妙な伏せ字ですけれども、F島さんは大手損害保険会社で、今、人材育成グループ会社の役員をされています。
すごくポジティブで、ストレートで、オープンで、話す度に元気がもらえるF島さんと、そしてお馴染みリナちゃん、この3人で話をしました。
F島さんとは一年ぶり以上の近況交換になるので、盛り上がったのですけれども、いろいろ話した中で、「ちょっと私たちって”察すること”を大事にしすぎていないだろうか?」こんな話題が出ましたので、ここだけちょっと切り取って、放送のネタにさせていただきたいなと思います。

"察すること"を大事にする文化に染まりすぎていないか?

”察すること”を大事にしすぎている、そんな感覚ありますか?
どんなイメージかというと、伝えぬとも分かってほしいとか、伝えぬとも汲み取ってほしい、そして伝えずとも普通理解するでしょう
こういった思いを過剰に持っちゃうことをイメージしております。
具体的にこんな問題があるよねと、話の中で出てきたのですけれども、例えば、上司になんでもかんでも私たちは期待しすぎていないだろうか?
例えば、上司と部下のコミュニケーションギャップ。
これってよく組織の中で問題として取り上げられるのですけれども、そういうケースってだいたい、もっと上司が傾聴して部下の考えていることを引き出して、そして部下の役割をきちんと設計して、達成をサポートしていくべきだ。こういった論調で語られるのですけれども、本当にそれでいいんだっけ?
要は、上司だけの課題なんだっけ?
そういったテーマがあったりだとか、一方で、上司も部下に空気を読むことを期待しすぎていないか?
自分が求める報告、方法や頻度、読んで普通できるでしょって思い込んでいないか?とか、イメージするアウトプットを細かく擦り合わせずとも出せることを期待していないか?

”察する”ことを前提に一方的に期待をしてしまう

こういった中で、何が本当の課題なんだろうね?、そういう話をしました。
これって、翻って、組織の中だけじゃなくて、例えば、家族の間とか、夫婦とか、親子、友人との関係性の中で、”察する”ことを前提に一方的に期待をして、そこにギャップが生じて、そのギャップからストレスを感じることってすごく多いと思いませんか。
「いやいや、もう言わずとも分かってよ、そこ。もうずっと一緒にいるからね」
特に近い関係性だったり、相手に期待があればあるほど、そういうことを感じちゃうことってありますよね、普通に。
これは、仕事もプライベートもよくあるのですけれども、こうなったときに、相手がもっと××してくれないから、要は、理解してくれないから、もっと読んでくれないから、自分のことを分かっているはずなのに、そこに目を向けてくれないからって思う一方だと、すごく苦しいんですよね。
ストレスも抱えちゃうし、一方で相手は相手で、「いや分かるかよ」って思っていると、この状態というのは、永遠に平行線か、もしくはストレスを抱え続けるわけなので、事態が良くなることってほとんどないんじゃないかなって思います。

お互いに伝え合って聴き合わないと分からない

じゃあ、どう捉えればいいかというと、結局のところ、自分が考えていることとか、大事にしていることとか、望んでいることって、やっぱり伝えないと分からない
これを受け入れることが大事だよね、そんな話になりました。
同じように相手が考えていること、大事にしていること、望んでいることっていうのは、これは聞かないとわからない
これだけ背景も価値観も違う人たちが集まって仕事をしたり、一緒に生活したり、こういったシーンがあるわけなので、そこで必要なのが対話ですよね。
対話って、お互いに伝え合って聴き合うこと。
それが対話かなって思いますが、要は、対話をしていかないと、物事がよく進まないし、余計なストレスから労力がかかったり、仕事においてはパフォーマンスが下がってしまったり、それでモチベーションが上がらなかったりとか、こういったことにつながるんだよね。

作者の気持ちは作者に聞こう

今回の話は、なんでこんなにも”察する”ことを大事にする感覚が、私たちの中に根強いんだろうか?こういったところに話が転がっていたわけですね。
皆さんなんでだと思います?
なんでこんなに察することを大事にする価値観に私たちは染まっているんだろうか?
そこで、F島さんが言ってたのはですね、国語の影響が大きいかもしれないという。
どういうこと?って聞いたら、過去に私たちはいろんな試験で文章問題を解きまくってきたじゃないですか。小学校のころのテストに始まり、高校大学入試、いろんなところで文章問題が出てきて、そのお決まりのパターンというのは、長文を掲載し、かつ作者が考えていることを答えよ。
この聞き方がすごく多かったですよね。
そのパターンに慣れているので、そうやって聞かれると一生懸命考えるわけじゃないですか。
要は、より適切に察することができた人が正解するわけなので、いかに察するか、これが非常に重要になってくるんですよね。
でも、冷静に考えると、本当はですね、これって作者に聞かないと分かりません
答えは、この一択ですよねってF島さんが言ってました。
まじその通りだなって思うのですけれども、さらにリナちゃんがですね、「いや、こんなことがあったんですよ」と言っていたのが、大学で自分の著書のある先生が言っていた話がすごい印象に残ってますと。
どんな話かというと、自分の著書の文章が、試験の問題に使われたことがあるのだけれども、そこで作者が考えていることを答えよと問題に出されて、正解としてあげられた回答がですね、自分が考えていることと全然違う内容で困惑した。
そういう話だったと。これはもう笑い話ですよね。

”察する”、”察してほしい”に依存しきっていないか?

「リナちゃん、それめっちゃ面白いね」そんな感じになったのですけれども、もちろん読解力だとか、相手の立場に立って想像する、考えることって、超超大事じゃないですか。
それは否定のしようがないかなと思うのですけれども、改めて、そこに染まり過ぎちゃうと、本当は伝えるとか、聞く必要がある場面でも、”察しよう”とか、”察してほしい”に依存しきってしまうことってあるんじゃないかな。
だから、「あれあれ、もしかしたら、察することに依存しきっていないかな?」こういったことに立ち止まって気付けるようになれたらいいよね、そんな話をしました。
結局相手に過剰に求め過ぎないということは、相手に期待しないということではなくて、自分も相手もお互いに寄りかかるんじゃなくて、2本の足でしっかり立って、その上でコミュニケーションすること。
それがやっぱり対話なんだなって思いました。
その中で相手の出方を待たずに、その働き方はいつでも自分から取れるようになったらいいよね。
そんな話で盛り上がった先週でした。

雑談シャアって感じですけれども、私も改めて、”察する”、”察してほしい”に依存しきっていないか?そして、そこに依存することで無駄なストレスを抱えていないか?、これについて考える機会になりましたので、共有させていただきました。

出版記念イベントを開催します

そして残りの時間で、今日の話とも無理やり紐づけながら、6月のイベントの紹介をさせてください。
今週はですね、出版記念トークイベントのPRウィーク引き続きです。
6月9日水曜日、お昼明けの13時から14時半。
【人生の武器を手に入れよう!働く私たちの育休戦略】こちらの出版を記念したスペシャルトークイベントを要約書サービスのフライヤー久保彩さんとトークライブという形でお届けさせていただきます。
そして、テーマは「育休戦略」なのですけれども、育休戦略とか言いながら、私はその戦略を描けずに失敗したタイプの人間です。
だからこそ言えるという見方もできるのですけれども、その中で一つの失敗の切り口はですね、パートナーに対しても、会社や上司に対しても、自分の状況や考えていることを、察することを求め続けて、一方で自分からはきちんと対話をせずに失敗したこと、これがやっぱり「育休戦略」の発信の一つの根底になっている気がしています。
ですので、今の課題感に気付きのある方、ぜひイベントに遊びに来てください。放送にリンクを貼っておきます。

イベントバナースクエア

それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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