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サービス16周年イベントマーケ施策の効果検証と企画立案の舞台裏

■この記事について

株式会社モバオクでプロダクトマネージャー兼部署のマネージャーをやっております小田切航平(@odacoh)と申します。

この記事は「モバイルアプリマーケティング Advent Calendar 2020」の8日目の担当としての投稿となります。

ちょうど年末に向けて実施中の大きめのイベントをようやくリリースしたところで、施策の狙いとその効果というマーケっぽい話と、ちょっとだけ企画立案までの舞台裏、といった2度美味しいかわからないけどなるべく実務っぽい内容を共有させていただきます。

■自己紹介

出自はカスタマーサポートで4年前にビジネス職に転身、サービス側に回ってからはモバイルアプリとの関わりが深く、2015年にリニューアルしたiOS/Androidアプリについて、プロダクト/マーケ双方からグロースさせる業務に携わり、いまは部署を統括しています。

■16周年のサービス??

モバオクは2004年にガラケー専用のオークションサービスとしてはじまりました。当時はガラケーの全盛期でインターネットというものが、一気に敷居が下がった時代で、ネットオークションというインターネットを通じた取引を行うCtoCサービスを、若い女性を中心に一般の人にとって身近にしたサービスと思います。

マーケ視点でいうと、16年毎日アクセスし続けている超ヘビーなお客様から、新しく利用を始めたライトなお客様まで、幅広いターゲットいるのが特徴です。今回のイベントで最も工夫したのはこの部分となりました。


1.イベント企画概要とねらい


■企画概要

一言でいうと、ミッション達成型のスタンプラリーイベント、となります。

スマートフォン版LP

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PC版スタンプ帳

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企画のねらいは大きく3つ。

1.長く使っていただいているお客様へ感謝を伝え還元すること
2.年末に向けて流通(GMV)の山をつくること
3.新規ユーザー及び復帰ユーザーのLTV向上

このうち、ECサービスとして年末に向けて2.全体の流通活性化につなげる共に、戦略的に伸ばしたいKPIである3.の新規及び復帰ユーザーのLTV向上を主要な数値目標としておいて取り組んでいます。

■工夫した点

新規の方にモバオクの良さを体験してもらう、既存のお客様にも楽しんでもらう、ポイント目当てだけのスタンプ集めになりにくいようにする、という点がポイントでした。

ここに対し、後述するミッション達成すると特別オークションに参加できる、という仕組みにすることで、スタンプ1つひとつの付与ポイントは抑えつつ、ミッション達成のモチベーションは落とさないような工夫につなげました。

また、インセンティブ自体を「お得なオークションへの参加」とすることで、サービス自体の魅力を新規の方へ伝える、という設計にしています。

ミッション達成ごとにお得なシークレットオークションへ参加できる

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2.結果、キャンペーンの初速


本件キャンペーンの開催期間は11/30-12/21の3週間となり、執筆時点12/7ではまだ7日目となりますが、キャンペーンの初速はどうだったか。

まず全体流通に山を作れたか?が気になります。当社では入札UUがここにあたるので、見ていきます。

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伸びてる!

諸事情から色々と数字は入れられないため雰囲気になってしまいますが、キャンペーン開始以降入札率/入札UU共に順調に伸ばせており、担当の予測値より好調な出だしとなりました。

実は10月末もキャンペーンをやっていたのですが、その時よりもよい。また12/6(日)に大きな山を作れていて素晴らしい。この日の入札UUは今年度のレコードとなりました。これも数字載せられずすみませんが、前年比のトレンドを加味してもアドオンと分析しています。

では、狙いとしていた新規/復帰ユーザーはどうだったのか?UU数から見ていきます。

現在弊社ではアクセスユーザーを以下のように分類しています。

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理由はいくつかありますが、定着ユーザー(2週間以上連続でアクセスしているユーザー)の翌週訪問率が80%以上と非常に高い特徴があることから、新規及び復帰ユーザーを定着ユーザーへ引き上げることに着目しているのが一番の理由です。

ではキャンペーンでどう動いたか。以下はUU数の推移。

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復帰ユーザーが増えた!休眠ユーザーが、キャンペーンをきっかけに戻ってきてくれている可能性があります。では入札率で見るとどうか。

まずは新規。

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うーんいまいち。

次は復帰。

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こちらはCP初日が入札率高いほか、入札UUもしっかりついてきています。

最後に定着ユーザー。

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定着ユーザーは、アクセスUU数の伸びはまちまちでしたが、入札転換率が高く、入札UUの伸び幅が大きいことがわかります。

12/6の入札UUレコードは、定着ユーザーの転換率が高いことが貢献していることがわかります。

結論

1.長く使っていただいているお客様へ感謝を伝え還元すること
2.年末に向けて流通(GMV)の山をつくること
3.新規ユーザー及び復帰ユーザーのLTV向上

上記ねらいに対して初速としては、

1.定着ユーザーの入札転換率が大きく伸びている
2.全体の入札UUは山を作れている
3.新規ユーザーはいまいち。復帰ユーザーは呼び戻せている。

ということができます。

ここから、概ね企画のねらいどおりの結果を出せているが、新規ユーザーについてはテコ入れ余地あり、ということで、残りのキャンペーン期間で課題に対して考えられる打ち手につなげています。

ちなみに、新規についてはキャンペーンのエントリー率が低かったため、まずここをテコ入れすべきではないか、といった議論をしています。

初速ということもありざっくりとした内容になりますが、アクセスユーザーを新規、復帰、定着、といったように予め色付けしてアクセス数や転換率を見ておくだけで、施策の成果が見えやすくなるのでそういった点がご参考になれば幸いです。

これ以外にも、今回ご紹介に入れませんでしたが、スタンプラリーのミッションに指定したアクションを行うUUが10倍に増えたり、定着ユーザーの1週間の訪問回数が1.5倍に伸びたりとマクロで観測している数値も面白い結果となり色々学びの多い取り組みとなりそうです。

そちらはもし機会があれば共有します。

3.企画立案の舞台裏


ここからは、このイベントの企画立案の舞台裏について、こちらもホットなうちに共有させていただきます。

■長く使っていただいているお客様へ感謝を伝えたい!

企画のねらいは3つあります、みたいなことをいいましたが、最初はここからはじまっています。ネットサービスで16周年です。日本探してもそうたくさんはないはず。もう、使い続けて支えてくださるお客様に感謝しかないわけで、なんかしたいよねと。

(ちなみに、スタンプラリーというのが、KPI的には新規の方向けになりますが、一番楽しんでいただけるのは、既存のヘビーなお客様だろう、という予測もありました。)

(既存のお客様向けに、いいね!やフォローといった機能の登録数の上限を引き上げるといったことも、イベント開催に併せて行いました。)

ただ、リソースやコストも限られる中、戦略的に伸ばしたいKPIにどう取り組むかという話にもなり、ブレストで議論を重ねました。

■企画が固まる瞬間

「サービスイメージをビジュアルで表現しつつ感謝を伝える」「スタンプラリーで利用を活性化させる」というのはわりと早く決まっていましたが、それを企画に落とすにあたって何回かブレストを繰り返しながら議論していました。

で担当からショートメールが。

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まあ、せっかくの週末の午前中からよく働くよな。。そして、週明け担当が共有してくれたたたきが以下になります。ちなみに、なんの本紹介したかは忘れました。

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サービスイメージのビジュアル活用の企画への活かし方がうまく整理されました。結果から見ると簡単そうに思えるけど、意外とここが大変。

また、担当は当初から、「どうやって新規のお客様にオークションに関心を持ってもらうかが大事だ!」と言っていて、それをどう実現させるか悩んでいました。

スタンプラリーのミッションに「入札しよう!」と入れるだけでは、どうも足りない、それではお客様に本当に興味は持ってもらえないと。

議論を重ねる中で、「ミッションを達成すると、達成者のみ参加できる豪華な1円スタートオークションに参加できる」というアイデアにつながり、そこが冒頭のこの企画の肝となる工夫につながっています。

この工夫が功を奏したかも検証中で、こちらも機会があれば共有できればと思います。

さいごに

アドベントカレンダーの方々見ると、グロースハック的な理論的な話は私の100倍くらい細かく書きそうな方多かったので、開催中のキャンペーンの取り組みについて、初速を共有する、といホットさで勝負することにしましたw需要があればよいですが。

本文でも触れましたが、このキャンペーンは長くご利用いただいている方へ感謝を伝えたかったのが発端でしたが、キャンペーン開始後、逆にお客様から「16周年おめでとうございます」という声が届いたりと、感動と共に、こういったお客様に支えられて16周年を迎えられたことに改めて身を引き締める思いでした。メンバーと一緒に引き続き一つひとつの取り組みを積み上げながらサービスの改善に努めていきたいと思っています。

本キャンペーンは12/21まで開催しておりますので、まだ間に合う方ぜひご利用いただいて、感想などお聞かせください。

モバオク感謝祭

それ以外にも、もっと詳しい話を聞いてみたい等ありましたら、TwitterのDMなどでご連絡いただければ喜びます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

最後に、「モバイルアプリマーケティング Advent Calendar 2020」へお誘いいただいた稲田さんの定型文を借用して締めとさせていただきます!

ぜひこのnoteの感想やご意見を、ハッシュタグ「#アプリマーケアドベント 」をつけてTwitterで教えてください!

https://twitter.com/HirotoInada


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