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【そういえば・・・】LDLはどこで作られるのか?

1.一体LDLはどこからやってくる?

LDLはどこで作られるのでしょうか?

実は、厳密に言うとLDLを作る臓器はありません。

動物の体は、余ったエネルギーを脂肪として蓄えようとしますが、
その脂肪は基本的に、肝臓で作られます。
肝臓で作られた脂肪は、
VLDLとして、肝臓から血液中に放出されます。

VLDL = Very Low Density Lipoprotein 超低密度リポタンパク

つまり、LDLよりも軽いリポタンパク質という意味です。
あっ、リポは脂質のことですね。

何故軽いかというと、軽い脂肪をたくさん含んでいるからです。
つまり肝臓で作られた、VLDLは血液中で、
軽い脂肪を切り離しながら、LDLへと縮んでいくのです。

2.VLDLからLDLへ

LDLまで縮むと、細胞に取り込まれやすくなります。
この時、通常は細胞表面の、LDL専用の取り込み口である、
LDL受容体という所から取り込まれます。
このLDL受容体は、体の各細胞と50%は肝臓にあるといわれています。

ご飯を食べて、血液中に取り込まれた糖や脂質やタンパク質は、
ブドウ糖を除いて、基本的には肝臓で必要なタンパク質や
脂質に作り変えられます。
ブドウ糖インスリンでコントロールされながら、
血中でいつでも使えるように、待機です。

それでも余った分は、生命活動に必要なエネルギーが
足りなくなった時のために、頑張って脂肪という形で貯金します。
貯金のために作られた脂肪は、
全身で利用できるように、VLDLという形で運びだされます。

いわば、VLDLは脂肪という貯金をたくさん載せたトラックですね。

そして、あちこちに貯金してください!と脂肪を配り終えると、
VLDLは縮んで、LDLという形になります。
LDLはそのまま細胞に取り込まれたり、
また肝臓でVLDLに作り変えられたりします。
ちなみにLDLにもまだ脂肪は残っています。

3.血液検査でLDLを調べるのは?

では、血液検査で、LDLが高いということは、
どういうことかと言いますと、
シンプルに、体が余ったLDLを処理できないくらい、
エネルギーが余っているということです。

つまり、食べすぎです。

ただ、一部の方は遺伝的に、
上に出てきた、LDL受容体の数が少ない方がいらっしゃいます。
その方は食べすぎでなくてもLDLは高値になります。
この遺伝病は家族性高コレステロール血症という名前で呼ばれます。

LDLを検査するのは、この病気の方を見つけるためでもあります。

家族性高コレステロール血症については、
また記事を書こうと思います。

家族性高コレステロール血症の方以外は、
LDLが上がるのは、慢性的な食べすぎです。
正確には慢性的な摂取エネルギー過剰です。

お腹いっぱい食べていないのに、LDLが高い方は、
家族性高コレステロール血症か、
お腹は膨れないけど、カロリーの高いものを食べすぎかです。

4.LDLとインスリン抵抗性

ちなみに、摂取エネルギー過剰は、
インスリン抵抗性をもたらします。

各細胞の側に、貯金がたくさんありすぎて、
お腹がいっぱいなので、
さらなるエネルギーの受け取りを嫌がるんですね。

各細胞がインスリンを受け入れると、
各細胞の血液中のブドウ糖が細胞の中に入ってきますので。

この状態が続くと、糖尿病のリスクもあがるというわけです。

つまり、この状態を改善するには、

・摂取エネルギーを減らす
・消費エネルギーを増やす

しかありません。

5.どうしたら良いのか?

食事でできる工夫と言えば、
小腸からのエネルギー摂取効率を悪くするくらいです。

ただ、食事の内容や生活習慣で、生じやすい病気はそれぞれです。

は、それぞれの病気の命に関わるリスクを下げるために
存在はしていますが、
食べすぎや生活習慣をチャラにしてくれるわけではありませんので、
お気をつけください。

分からないことや、気になることがあれば、
気軽にコメントしてください!




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