長谷川慎平

京都で弾き語りをしています。

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最近の記事

京都には山があったな。東京には無いな。の巻

 今日は、映画を見に行って、8時くらいに家に帰ってきて、阪神戦を見ていたら寝落ちしてしまい、今起きた。布団に入っても寝れぬので今この文章を書いている。今日見た『悪は存在しない』という映画で、長野の山のイメージがたくさん出てきた。そのことを思い出すと、京都の景色を思い出して郷愁みたいな感情に駆られた。東京に来た時、360度どこを見渡しても山がないことに不思議な、いい意味での違和感があった。ずっと山の近くに住んできた。実家から出ても山の麓に住んだ。山がない解放感というのは、水槽か

    • 完璧な夜

       なんだか、街を歩くと風が俺にだけ吹きつけてるように感じる。  雨上がりの風は、大気中の水分をシャーベット状にしている。衣服の隙間から、染み入るのだ。そして、心にまで臆病風を吹かしてくる。甲州街道を、乱反射するライトをぼうと目に入れながら歩く俺に、「お前はどこに行っても孤独なんだよ」と叩きつけてくる。  本当に孤独になってしまった。良かれと思ってやったことが全部裏目に出た。雰囲気を醸し出して、壁にもたれかかったまま、しらけた笑いをしていれば、全てのものが効率よく手に入ったかも

      • 京王線

         京王線は駅と駅の感覚が短いから、回転寿司のお腹いっぱいがわからない状態みたいな感じでまぁチャリでいけるっしょとたかを括って走り出して、やめるにやめられなくなって、どこまでもいってしまい、精算してみたら3,000円超えてたみたいな、お腹の代わりに太ももがパンパンになって後悔したりする。距離の間隔がバグる。  今日立川まで映画見に行った。(厳密にいうと、京王線からJRの何ちゃら線に乗り換えなきゃいけないんだけど)駐輪場が狭くて、出す時に後ろのチャリに反射板が引っかかって無理や

        • もしもここを生き残れたら

           お芝居の本番が二週間後に迫ってきました。一年以上ぶりの本番で正直楽しみよりも緊張の方が勝っています。が、じたばたしても仕方がなくできることを力抜いてやっていくしかないです。それは、体や心の健康も含めて、整えてやっていくという意味も含めて。後悔ないようにちゃんとやりたいです。劇団しようよ『ゆわない事にした』11月4日(土)ー5日(日)の二日日間ございます。よろしくお願いいたします。  さて、この文章では今回の作品に関する思いみたいなものを書こうと思いますが、ネタバレにならな

        京都には山があったな。東京には無いな。の巻

          宅録弾き語りDEMO音源集 Vol.3『東村』 歌詞

          1.車ってさぁ 車ってさぁ 車ってさぁ 車ってさぁ どこへでも行ける気がする 安い国産の中古車ってさぁ どこへでも行ける気がするぜ 偽物のオーロラを見に行こうか 本当のお日様浴びに行こう 道端は不完全な穴ぼこだらけ 薄汚れたおもちゃだらけ 笑えてくるよ 両手広げて 抱きしめるのさ 持てるだけの幸せ 車ってさぁ 車ってさぁ 車ってさぁ どこへでも行ける気がする 安い国産の中古車ってさぁ どこへでも行ける気がするぜ エフェクトがギラギラの目の前は 誰かの悪事がサブリミナ

          宅録弾き語りDEMO音源集 Vol.3『東村』 歌詞

          今年の1月くらい

           今年の1月ぐらいがとても幸福だったことを覚えている。別に特別お金が入ったり、彼女ができたり、おいしいものを食べれたりしたわけじゃないけど、幸せだった。  シェアハウスの2階の共同スペース、となりの部屋の人がスキーの長期バイトに行ったので、占領することができた。奥まったところにある、離れのような俺の部屋とは違い、窓はガラス張りで目通しが良かった。そこに布団を敷いて、灯油ストーブにあたりながら、好きな漫画を枕元に並べて一日中読んでいた。ボーボボとか、ギャグマンガ日和をずっと読ん

          今年の1月くらい

          夜を蹴飛ばせ!

          自分の弾き語り活動について思い返してみると、変だったなーと思って、初期は自分でも理解できていない意味不明な歌詞を羅列し怒鳴り散らすみたいな芸風だって、やれ田舎の国道に俺は幽閉されて死んでいくんやとか世界の実態は結局滅びなんだみたいなことを自嘲を装って歌っていたなと思う。 そういうのばかりではやっぱり観客が、サーッと引いていったり、こいつはいったい何を言ってるんだ?みたいな不思議な感じになったり、ひどい時は俺はこいつのいうことに腹が立つなぜなら陰気だからという刺青の入った反社っ

          夜を蹴飛ばせ!

          安藤くんについて

           読書を意識してするようになったのは高校からで、確かブルーハーツのウィキペディアにヒロトもマーシーも読書家だと書かれていたからだったと思う。その時、漠然といつかロックスターになりたいなーと思っていた俺は、そうかロックをするためには読書もせなあかんのかと思って図書室によくいくようになった。昼休みは、図書室に行って、放課後は野球部の練習みたいな毎日が続いた。  おかんの本棚からもよく本を借りた。町田康とか、中島らもとか西村賢太とか笑えるやつをよく読んでいた。はじめて読書したのは

          安藤くんについて

          宅録弾き語りDEMO音源集 Vol.2 『関本』 歌詞

          冷たい雨 冷たい雨は嫌いだけど あなたと抱き合う理由にはなるな そんな暗いとこで本読んだら 俺の毛穴も見えなくなるぜ 褒めてるのか けなしてるのか わからないこと言うよね ぬるいぬるい アイスコーヒーみたいだ 失敗か成功かは 後からしかわからない だから力抜いていくのだ 抜いていくのだ 冷たい雨は嫌いだけど 外に出なくていい理由にはなるな 二人で一緒に音聞いていよう 抜け毛を集めて遊ぼうよ ほんとのことか物語か わからないこと言うよね ぬるい おいしい 豚汁みたいだ

          宅録弾き語りDEMO音源集 Vol.2 『関本』 歌詞

          乾パン

           先日、市の福祉協議会でフードパントリーがあり、米とかレトルトカレーなどの保存できる食料をもらった。無職なんですよとメールしたら、抽選に当たった。  がさっとXLくらいの袋が二つ分、重くて持って帰るのも苦労した。しばらく、なんとか腹は持ちそうで、節約が苦手でもそれなりに切り詰めて、預金残高を細い目で眺めながら生活しているので(てか、京都府から住民税の支払いの通知が届いたのだけど、高すぎて、まだちょっと余裕あるかなと思っていたのが、そろそろほんまに色々考えていかなまずいなーとな

          終わった(断片の短編)

           誰が言うかで文章の意味が変わるってほんとだなと思ったのは、彼女が「私は、なりたい自分になりたい」と言った時で、それは、京王線車内の中吊り広告、全身にうっすら蛍光灯が仕込まれてるんじゃないかと思うくらい肌が光っているタレントの横に「激安!全身脱毛!」と書いてある、そのまた横に「なりたい自分になろう!」と、あなたの個性を尊重しますと同時に(あなたはこうならないといけません)という意味を含んだ言葉、とは一線を隠す切実さみたいなものがあって、私はちょっと気圧された。  しばらく黙っ

          ¥100

          終わった(断片の短編)

          ¥100

          武蔵野のー

           今日暇に任せて、武蔵野公園のあたりを歩いた。午前中に、思い立って今日はめちゃくちゃ歩く日にするぞと決めて。甲州街道を東へ、ほんで看板に文字が見えた多摩霊園というデカすぎる霊園を多分北西方向に通り抜けたら(多摩霊園もレポートしたいが、結構墓参りの人が多くて見て回るのは挙動不審かなと思った)、すぐ野球場があってそこが武蔵野公園だった。  武蔵野公園はもわっと湿気っぽいもの、霧っぽいものが立ち込めていた。ちょうど昨日雨が降ったのもあるかもしれない。  バーベキュー場を抜けると野

          武蔵野のー

          6月が苦手

           6月がめちゃくちゃ苦手だ。月の中で一番苦手だと思う。曇り空や気圧で空気がどよーんとしてるので、身体や心もどよーんとしてくる。  自分は体の歪みがひどく、特にその影響を受けやすいかなと思う。そもそも体が硬い(前屈が全然届かないし、開脚もできない)のと、野球をやっていた時に素振りをし過ぎた影響で右肩が下がっていて姿勢不良になっているのとで、気圧の上下が直に、顎関節痛や腰痛に影響してくる。野球の素振りは、やればやるほど顧問の先生に褒められるし、真面目な俺は頑張って手が豆まみれにな

          読み間違えがすごく多い。

           俺は、読み間違えがすごく多い。し、多いね、と他人からよく言われる。  恥ずかしかったのが、琴線をずっとことせんと読んでいて、実は、きんせんと読むと後から知って、ぐわああとなった。布団をぐしゃぐしゃにして喘いだ。と言うのも、知る一ヶ月前くらいの弾き語りライブでけっこう音楽分かってる風のおじさんが多分ポジティブめの評価をくれた時に(まどろっこしい言い方で、最初貶しにきたのかと思った)、「どんな音楽聞くの?」と質問してきて、「中学時代にブルーハーツが、琴線(ことせん)に触れて…

          読み間違えがすごく多い。

          『グレート・ギャツビー』を読んでのちょっとした感想 ※ネタバレあり

           町田康の創作講座に4年前行ったことがある。確か、京都は四条烏丸のNHKカルチャーセンター。そこで、一番印象に残った、おもろい小説を書くためのコツ。これは「秘伝のタレみたいなもので…。教えたくないんですが」と芝居がかった勿体ぶる感じで言った。「ほんまのことを書いてください」。   『グレート・ギャツビー』はほんまのことを書いている小説だなと思う。だから良い小説なんだと思う。  デイジーは、ギャツビーとのロマンチックで夢想的でそれ故に危険な恋と、トム・ブキャナンとの保守的で退屈

          『グレート・ギャツビー』を読んでのちょっとした感想 ※ネタバレあり

          松田くんについて

           小学2年生の頃、田村さんという女の子が好きだった。田村さんは色白で、鼻に大きなホクロがあって、リスみたいな目をしていて、かわいかった。三つ編みやったと思う。田村さんはよく鼻血を出した。顔が真っ赤になったら、鼻血がでる危険信号だった。夏休みに近づくにつれて、鼻血が増えた。血が染みた、真っ赤な鼻栓をしてた顔をよく思い出す。でも、田村さんは太ってて、それとなくいじめられ気味だった俺にも優しかった。消しゴム貸してくれたり全然してくれてたと思う。同じ班でとなりやったのがうれしかった。

          松田くんについて