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9/25 生活のトリアージが赤のときのルーティーン

金曜日の夜のことである。

わたしがABBAだったら、踊っていたのだけれど、FRIDAY NIGHTS AND THE LIGHTS (MY BATTERY)ARE LOW … 。おなかが空いているのにUber Eatsのアプリを見るのもだるい。だいたい頭が動いていないから、何が食べたいかも分からない。届くまでに寝そう。クーポンコードがうまく使えなくて、料金が高くなってた。腹立つ。ねむい?めまい?世界がふわふわしている。

という状態になり、松屋のカレーと豚汁を食べきって(非常に美味しかった)、昏倒しつつ床につく。次の朝に起きたものの、体がうまくいかない。三度寝をする。

お昼前にようやく動けるようになる。

トリアージは赤!応急処置が必要である!

そんな時はだいたい部屋と自分の掃除から始める。服を全部脱いで洗濯機へ。熱いシャワーで髪の毛から爪先まで洗う。無印良品のシャワーブラシがいい感じの刺激を肌に与えてくれて「生きてる!!」と思う。お風呂から出たら、濡れた髪にワックスを。ねぼすけの肌に化粧水となけなしのメイクを。くちびるにうたを。着心地最重視で服を。シンクにたまった洗い物を片付け、ごみをまとめ、掃除機をかけて、洗濯機が仕上げてくれた衣服を干す。浴室乾燥機のスイッチをオン。完了。

一息つくためにコーヒーを淹れる。カルディの、マグカップにセットするドリップタイプである。

コーヒーが好き。産地とかにこだわってみたいな、焙煎とか挽きもしてみたいな、それってなんだかかっこいいし、とか思う。でも沼っぽいので怖くてやらない。自分を守るためにあえて手を出さない領域というのが、人間には、ある。深くうなずく。

そういえば、実家には「食後のコーヒー」の習慣があって、晩御飯を食べ終わって、洗い物とかお風呂とかが一通り終わったら、夜中に出てくるコーヒー(+ブルボンの個包装のお菓子)。それがからだに習慣として残っていて、21時くらいにコーヒーを飲む癖が抜けない。「夜遅くにコーヒーを飲むな」と友人にはめっちゃ怒られる。みんな夕方何時までとか、1日何杯までとか、決まりをつくってカフェインと付き合っていてえらいなと思う。でも、わたしにはできない。

それはさておき、適当に遅めのお昼ご飯を食べる。道端で低血糖で倒れない程度に。

晴れていたら散歩をする。9月はいい。太陽は暖かいままなのに、風と空気はしっかりとすずしくてさびしい。胸の辺りがスーっとする、感覚。おろしたてのリネンのブラウスを着たような気分になる。全皮膚が喜んでいるのがわかる。ただ花粉もすごいので、出掛ける前に処方薬を飲む。

徒歩圏内の図書館に本を返す。帰り道はすこし遠回りする。商店街の和菓子やさんで団子を買って帰る。自販機でジュースを買う。歩いていると暑いので、プルタブをぷしゅっといわせてその場ですこし飲む。大抵むせる。ぶどう味が広がる。生きている!!という感じがする。

リフレッシュするための散歩ではあるけれど、散歩が有酸素運動の側面を持っている限り、疲れる。帰ってきたら手洗いとうがい、財布や定期をなくす前に定位置に片付けたら、だいたいベッドに横になる。ベッドで横、がゆるされる時空間がわたしに訪れていることがすごくうれしくなる。それだけでだいぶ大丈夫になれる。ここあたりでだいぶふっかつ。

寝転んでいるとき、カーテンから差す光が見えると、「昼間っからなにしてんだ」と思わなくはないが、SNSを見れば寂しくない。みんな(顔も本名も知らない)それぞれの場所で生きていて、笑ったり泣いたり、大仰だったりしょうもなかったり、いろんなことをしていて、みんながいる世の中はあったかい、「まあわたしも、こんなもんでええか」くらいにはやさしくなれる。

上のポッドキャストで「人生には無駄なものが必要だというけど、その無駄は手の込んだサブカルだったり、高尚な旅路だったり、どこか偏差値が高くなるのはなんでだ」みたいな話をしていて「ほぉー」などと思う。無駄の反対は有益だと、さしあたり定義できるとして、無駄を肯定するには「無駄も有益だ(人を笑わせられる、とか)」と示すロジックになりがちだ。その場合無駄も、気合いの入った無駄になる気がしている。気合いの入った無駄は高カロリーだ。疲れる。疲れた人間にはできない。疲れた人間にできるのは寝転びながらSNSを見るくらいだ。話題にも豆知識にもならない、あとにほんとうに何も残らない、体を通過するだけの無駄時間。それが脳を麻痺させて、癒してくれるんだと、最近は半ば信じている。みんないつもありがとう。投稿見てます。

ここまできたら、だいぶふっかつは仕上がっている。「生きてる」と日に数回思えたから。とても大事なことだと思っている。これくらいになれば、オンラインなら友達とも話せるし、宅配便の人にも物怖じせずに対応できる。

あとは、たくさん食べて、日光を適度に浴びて、たくさん寝る。体力を最低水準まで引き上げてくれば、それなりに健康体で社会的にもそこそこいける「わたし」を備えたにんげんがひとり。たくさん食べて、寝ることも難しいのだが、それはまた今度の話。

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