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73小品目 いたわりながらみがく

今の中年の高校の頃は体育会系スパルタの末期にの頃で。前の世代の人達みたいにウサギ跳びとかケツバットはさすがになかったけれど、水を飲まないことが褒められたり、体調悪くても頑張るのが偉いとされた。



ナルシスである。こんなにしんどくてがんばっていれわたし、のどが渇いていても我慢するわたし、熱があるのに走り込みに参加しているわたし。いや、それでは結果を出せないし、そのうち身体を壊してしまう。実際その頃、日本の選手は世界で活躍できていなかったし、選手の故障は日常茶飯事だった。そしてナルシスを上回るのは休んだりして、サボってると思われたらどうしようという恐怖に近い気持ちだった。



でももはや、中年なので結果も出したいし健康でいたいのだった。そしてそのためには自分を磨いたり鍛えたり頑張ったりするのと同じ量のだらだらしたり甘やかしたりサボったりが必要なのだった。



若い頃に頑張りすぎて、燃え尽き症候群になったこともある。あれは火加減を間違えたのだ。はじめチョロチョロ、なかパッパ、赤子泣いても蓋取るな、ではないが、火は最初に大きくしすぎると燃え尽きてしまうのでチョロチョロがよい。そのまま火が消えなければ、お好みの強さを日替わりで良い。あと、昔から「赤子泣いても蓋取るな」てフレーズ怖いなと思う。泣いてるなら取ろうよ。

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