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#xDiversity の成果報告シンポジウムで号泣した話.

こんにちは遠藤さん.舞台は遠藤さんのトークがあり,落合のトークがあり,最後のパネルディスカッション.

私は基本的に情緒不安定なので涙腺は緩めだが,人前で泣くことはほとんどない(そりゃそうか).今回はずるいよって感じである.

xDiversityのプロジェクトの中で一番思い出深かった瞬間はなんですか? 

「(すでに涙がツーッと伝っている)採択される前,申請書を出したときかな,(落合泣き出す)」 

(何を言ったかは中略で秘密.最初は禁則事項です)

「でも社会に対して少しでも何かしたいと思って,多様性とAIの研究プロジェクトを始めたんです.私は音と光と波動の研究者だから,障害の研究もしたことないし,できることは限られているから,でも何かしたい,なんかしなければならない,そういう衝動が自分を動かしたんです.それで障害の研究をしている友達に話しかけて,そしてAIが得意な友達と話して,仲間ができて,無い知恵を絞りながら始めたんです.障害というのはいつ当事者になるかわからない.当事者になったときの驚きや焦りは皆が持つことです.病気になったときに気づく人もいるし,足を切った時に気づく人もいる,親になったときに気づくこともある.もちろん医療やテクノロジーの発展で過ぎ去ってしまうこともある.過ぎ去ってしまったらそのときのことは正確にはもう思い出せない.でも人生の困難や岐路に,何かなすべきことがある,そういった自分を突き動かす熱が生まれたとき,自分がプロフェッショナルとして何ができるか,どう貢献できるか.その能力を持ち寄れる社会を作っていくことが,多様性ある社会になるための条件だと思います.だから僕は一番深い瞬間は,自分が当事者として自分を自覚したときがだったと思います.それはその瞬間にしかない熱があるんだと思います」 

味わい深いこともある.人生は過ぎ去っていく.人は思い出だけで生きていけるか.こうやって人生のページは捲れ,青春の時間は思い出の中で輝き,人生の次の1ページに向かって動いていく.人生は短く,限られた時間は胸を高鳴らせることに,熱を持って向かえるものに,注がれるべきなんだと思う.私は歳をとった.私にはまだやるべきことがたくさんある.全ての一瞬一瞬を与えてくれたみんな,ありがとう.その時間,その空間,その思い出の全て.あの世で会おう.来世で会おう.脳の終わる瞬間にまた会おう.


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落合陽一が「今」考えていることや「今」見ているものを生の言葉と写真で伝えていくことを第一に考えています.「書籍や他のメディアで伝えきれないものを届けたい」という思いを持って落合陽一が一人で頑張って撮って書いています.マガジン開始から2年以上経ち,購読すると読める過去記事も800本を越え(1記事あたり5円以下とお得です),マガジンの内容も充実してきました.

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