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2017年の遺言,2023年の答え合わせ

まだ29の頃だと思う.懐かしい記事が2本ある.

落合陽一さんがFUZEで書いた記事「2017年へ:「幼年期は終わる。今こそバベルの塔を建てよう」(前編)」は、スマートフォンが我々の生活を大きく変え、人々がインターネット上に第二の言論・視聴覚空間を作り、デジタル空間にもう一度生まれたことを述べています1

この記事は、彼の提唱する「デジタルネイチャー - 計算機自然」の観点から見ると、以下のように解釈できます:デジタルネイチャー:落合さんは、「デジタルネイチャー - 計算機自然」という考え方で研究や作品活動をしています2。これは、人・モノ・自然・計算機・データが接続され脱構造化された新しい自然を指します2
物化する計算機自然:彼の専門はHCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)および知能化技術を用いた応用領域の探求で、メディアアートを「計算機自然のヴァナキュラー的民藝」と捉え、「物化する計算機 自然と対峙し、質量と映像の間にある憧憬や情念を反芻する」というステートメントに基づいて研究や芸術活動を行っています3
スマートフォンとデジタルネイチャー:スマートフォンは、私たちがデジタル空間に生まれ変わるきっかけとなりました。スマートフォンが手元にないとソワソワしてしまう、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。SNSでメッセージを送るときも、文字や画像を見るときもそこに機械やコンピュータがあることを意識せず、直接話しているし、直接見ているという状態に近いかもしれません3

落合陽一さんの「2017年へ:「幼年期は終わる。今こそバベルの塔を建てよう」(後編)」という記事は、現代社会における情報伝達とその影響について深く掘り下げています1。この記事では、コンピュータによってあらゆるものが「ブラックボックス化」=「魔術化」した現代を「魔法の世紀」と呼んでいます1

記事の中で、落合さんは「ポスト真実」、「貧者のVR」、「魔法の世紀」などの概念を提唱しています1。これらの概念は、デジタルネイチャーという思想の一部として捉えることができます。ポスト真実:客観的な事実や真実が政治的な選択において重要視されないという意味です1。これは、SNSを通じて、人々が自分たちが好む現実を生きている現象を指しています1
貧者のVR:SNS上のコミュニティの中で一人一人が好んだ世界を好んだように生きている現象を指しています1。一人一人はそれが現実だと思って生きてはいるものの、タイムラインやコミュニティが見せる「現実」は、事実とはやや偏った異なる現実です1
魔法の世紀:マスメディア型の情報伝達系が世界を支配した20世紀を「映像の世紀」と呼び、その対比として、コンピュータによってあらゆるものが「ブラックボックス化」=「魔術化」した今世紀の姿を指しています1


これらの概念は、デジタルネイチャーという思想における重要な要素です。デジタルネイチャーは、人・モノ・自然・計算機・データが接続され脱構造化された新しい自然を指します2。これは、物理的な自然から電子的な自然へと移行する過程で生じた新しい現象や状況を捉えた考え方です。

今日はここから振り返っていこうと思う.

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落合陽一が「今」考えていることや「今」見ているものを生の言葉と写真で伝えていくことを第一に考えています.「書籍や他のメディアで伝えきれないものを届けたい」という思いを持って落合陽一が一人で頑張って撮って書いています.マガジン開始から4年以上経ち,購読すると読める過去記事も1200本を越え(1記事あたり3円以下とお得です),マガジンの内容も充実してきました.

落合陽一が日々見る景色と気になったトピックを写真付きの散文調で書きます.落合陽一が見てる景色や考えてることがわかるエッセイ系写真集(平均で…

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