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第3話 見て話して

「今日学校が終わったら公園に集合して、トンボを捕まえようぜ!おっくんとおれでどっちが大きいの捕まえれるか勝負!」って言ったのはショウタの方なのに一時間経っても来ない。

かといってこのまま帰ってもつまんないし、とりあえず公園にある池に小石を投げている。

もしかしたらなんか家の用事ができちゃったとかだろうとショウタがこの後くることはもう期待もしていなかった。

ぽちゃんと投げ入れる小石は、そこを中心に波紋を広げていく。

その様子をただ眺めていた。

後ろから声が聞こえた。

「あ、おっくんじゃん。何してるの?」

振り返ると今日学校で僕の消しゴムを拾ってくれた【ゆっちゃん】だった。

「いや、ショウタと遊ぶハズだったんだけど、来ないから用事でもできたのかなって。帰ってもやることないからここにいるだけ」

「そっかぁ……」

で? みたいになって、なんか場が悪いような感じになっちゃったからなんか話をしようと思い僕はあの話をゆっちゃんにした。

「最近学校で好きな子いる?とかよくみんなが話してるじゃん?その【好きな子】ってどういうものだと思う?」

そう話し出すと普通にゆっちゃんは隣に座ってきた。

「それ私もはっきりわかんないんだけど、多分きっともう近くにいるものだと思う。違うよ!おっくんが好き!とかじゃなくてね?!」

少しびっくりしたけど笑いながらゆっちゃんの横顔を見ると、多分近くで見たことなかったんだと思うんだけど、肌が白く綺麗で『うわぁ……』と思った。

「あ!!!」

「え!なになに!?」

僕が驚いた声を上げるとゆっちゃんも驚いたのが面白かった。

僕はお母さんに聞いた【恋】と【好きな人】の話をゆっちゃんにした。

「で、今ゆっちゃんの顔見た時に『うわぁ……』ってなったんだよ!」

「じゃあそれが恋ってこと?」

「いや、それはわかんない」

「今話してて『オォ』ってなってる?」

「いや、なってない」

「じゃあ違うんじゃない?」

「でもゆっちゃんの言った通り近くにもいる人だよ?」

「その好きってなるのってどんな感覚何だろう?」

「いやそれこそ今日ここにショウタがいてくれたら聞けたのにねー?」

「ネー?今から来いよショウタ〜!」とショウタを呼ぶように遠くに向かってゆっちゃんは声を上げた。

ハハハハ、と僕ら二人が笑っているとゆっちゃんが声を向けた先にある電柱のある曲がり角からショウタが現れた。

「え!?すげー!マジで来たよショウタ!」

「本当に来た!おもしろい!」

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