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映画「青い春」から見るイロモノ達の青春

noteに書きたいことがすごい溜まっていっている。
ちょっとずつでいいからまあ書いていこうかな。

最近映画をよく見ている。
この前見た「ソナチネ」くらい心に残った映画があったから今日はその感想を書こう。
「青い春」。
松本大洋の漫画が原作の映画。
ヤンキー高校ってほどヤンキーばかりじゃないけどぼちぼち不良がいる高校でその不良たちの青春を撮ったもの。

俺はこの映画を浪人してる時に見たことがある。
その時感じたことと今回見返してみて感じたことは少し違ってた。
浪人のときは「あり得たかもしれない行き過ぎた青春」の映画だと思った。
今回は「イロモノたちにとっての青春」の映画だった。

昔は浪人してた、大学に行くって目標があってそこに向かって生活してたし、高校も卒業して誰とも絡まんくなってた。
だから出てくるキャラ達には「俺もこうなってたかもしれんなぁ。」みたいな感想は持ったけど、共感はしきれんかった。
でも今回は違った。
共感しまくったし、出てくるやつらの状況に俺がダブりまくってるように見えた。
将来がずっとぼんやりしてて、おそらく世間の「普通」には合わせられない俺にとっては、この映画は刺さりまくった。

基本的には不良のやつらがメインで映されてる。
不良と言ってもそんなにデカく組織してるわけでもない。
それに高校もヤンキーばっかなわけじゃなくて、普通に授業してる先生がいて真面目ってほどじゃないけど机に座って勉強してる生徒がほとんど。
やから授業を真面目に受けてなかったり、サボって遊んだりしてる不良たちは浮いてて腫れ物扱いされてる。
それに不良として出てくるやつらも不良であることにアイデンティティ見出してる感じじゃないんよね。
流れ着いて不良になったってゆーか。別に不良であることにも居心地の良さを感じれてないってゆーか。

キャラの置かれてる状況について、人によって共感できるやつが違いそうやなって感じた。
九條はとにかく自分に対して諦観してる。
ビビらない胆力とか喧嘩の強さみたいな不良の才能はあって、でも別に不良になりたいわけじゃないけどやりたいことがない感じの人。
青木は九條に対して憧れと苛立ちを覚えてる。
「カッコいい不良」に対してもなんか憧れてるところがあって、それになれるのにやる気がない冷めてる九條に対してもったいなさを感じたりムカついたりしてるキャラ。
基本的にダサいシーンが多い、吹っ切れてもどっかダサい。でもそこが好き。
雪男はなんて言うんやろなー、掴みどころがないけど俺は今回コイツが一番共感できたんよなー。
自分の将来とかやりたいことについて具体的に考えれてなかったり、衝動性を抑えきれへん感じが俺はめっちゃ共感できた。
「漠然と…世界平和とか考えてます。」ってセリフがめっちゃ好き。マジ分かる。
多分そんな悪いやつじゃないし、学校も嫌いじゃないとこも俺にダブってて好きなキャラ。
ひたすら学校に適合できてない感じで、そこが好き。
木村は理想と現実に自分なりに折り合いつけようともがいてるやつやな。
甲子園に行きたかったピッチャーなんやけどラストの試合にサヨナラ打たれて行けんかった。
最後に投げた球種に未練があったり、それを後輩にこぼしてるとこが好き。
多分ぼちぼち男気とかキャプテンシーのあるやつで、そこを買われてヤクザにスカウトされてる。

そういう不良たちについて、TMGEの曲を使ってバリバリカッコよく撮るときもあれば、めちゃくちゃダサく撮るときもある。
(「赤毛のケリー」を流しながら松田龍平が階段から降りてくるシーンが格好良すぎる。スタイル良くて雰囲気あるのって無難なイケメンより人を沼らせられるやろ、エグい。)
この映画が不良たちを突き放しすぎず大きく見せすぎずって感じにしてる気がして、そういうとこが俺はすごい好きやな。
いい感じの距離感がある気がする。
そういう風に良い距離感で「青春」っていうキラキラしてる、もしくは「不良」っていうトガった響きのあるテーマを書いてる作品を見たら、俺は「分かってるやんかー」ってなって好きになっていく気がする。

基本全員にどっか共感できるとこあったなー。
そういうとこが俺のキワモノっていうか世間の「普通」とズレてるとこなんやろなー。
今のシェアハウスとかnoteのマガジンも、どっかそういう「普通」に合いきらんだ人が多いコミュニティな気がする。
「ソナチネ」の死の虚無感といい、今回の「青い春」のイロモノ達の青春といい、俺は自分の暗い部分について上手く撮ってくれてる映画が好きなんかもな。
暗いんだけどどっか爽やかさがあるっていうか、その暗い面とまあ付き合っていくしかないよねってメッセージ性が感じられるのがええんかな。
いい映画、いい作品を見たら心が洗われる感じがするな。
まあこれからもぼちぼち青春してきますね。

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