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#35アラサーの豪ワーホリ!オーペア編part8

オーペアをしている間、私は日々子育てに悩んでいた。それは、やはり小さい子どもとの経験はあっても、子どもの数だけ性格や考え方が違うと気付いたからだった。ましてや前にも書いたように、オーストラリアの子どもたちは主張が強く、私ひとりで4人をお世話しないといけないときなどは、言うことを聞いてくれず爆発してしまったことが何度かあった。

農業の繁忙期に、夜の10時頃までマットもサリーも帰って来られないことがあり、夕食・お風呂・絵本タイム・就寝までフルセットでワンオペなことがときどきあった。普段から厳しい両親がいないからか、いつもは7時就寝の子どもたちが8時になっても興奮してなかなか寝ない。末っ子のフレディーは6時には寝かせていたが、起きたらまた寝かしつけないといけない。それだけは避けたかった私は、「フレディーが寝ているから静かに出来る?お願いだから寝てちょうだい」「自分が寝ているときにうるさくされたらどう思う?他の人のことを考えよう」とお願いした。それでもベッドの上で騒いだり、廊下を走ったりして収まらず、フレディーも起き出してしまった。そこでいよいよ私が爆発。

「今すぐ自分の部屋に行って目を閉じろ!!!」

と、子どもたちに怒鳴ってしまった。怒ったり、困ったりしている私の反応を楽しんでいる様子が彼らにはあり、それにも腹が立ってしまった。両親が厳しい分、私は優しかったので(自分で言うか)ナメられていたのかもしれない。

また、あるときフレディー以外の3人を私ひとりでお世話していたときに一日中全然言うことを聞いてくれず、ついには子どもたちの前で泣いてしまった。「みんなが私の言うことを聞いてくれないので、もう今日はあなたたちのお世話はしません」と宣言し、子どもたちから離れようとした。すると、チャーリー(長男)とヒューゴ(次男)が

「でも、僕たちはあなたに給料を払っているでしょ」と言ってきた。この言葉にあまりにもビックリした私は、何の言葉も返せなかった。私のお給料は子どもたちからではなく親からいただいているし、お給料を受け取っているからと言って家族が私を軽く扱っていい理由にはならない。

それに私がお願いしていることと言えば、全て子どもたちのためを思っての言葉だ。全裸で走り回るのを、風邪を引くから服を着るよう言い、外に出るときは日焼け止めを塗るよう言い、外に裸足で出るのを靴を履くように言う。子どもたちに愛情がなければこんなに口うるさく言わない。なぜなら、これらを彼らが守らなくても、正直私は痛くも痒くもないからだ。彼らが私のこういった言葉を聞かないときは怒りの感情よりは、「なぜ心から彼らのことを心配しているのに聞いてくれないんだろう」という悲しさが先に来た。

お給料のことを言われた晩、言うべきか迷ったが、私はマットとサリーに今日あったことを報告した。すると二人とも絶句し、そんな失礼なことを…申し訳ないと心から謝ってくれた。それからマットが子どもたちの部屋に行き、子どもたちが寝ているのにも関わらず起こし、彼らから話を聞き、私に謝るよう言った。寝室から出てきた子どもたちは次々に謝ってくれた。私たちはそうして和解した。

それからも何度か言うことを聞いてくれないことはあったが、「子どもとは言うことを聞かせるものではないのかも」という発想の転換をしてみることにした。子どもでも自分なりの考えを持っていて、それに沿って行動しているのだと分かったからだ。そして今も子ども連れの家族を見る度に子育てについて考える。もし自分に子どもがいたなら、こんなときどうするだろう?どう言葉をかけるだろう?とシミュレーションしている。これが案外、楽しい作業だ。

次回、#36アラサーの豪ワーホリ!オーペア編part9につづく

👇今日はこの曲🎶ディズニー「ムーラン」の一番好きな曲✨

※写真は、シドニーにある公園のベンチ。誰かが亡くなると、こうして記念に名前やメッセージを入れられるらしい。中には日本名もあった。

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