見出し画像

太宰治文学サロン 太宰治展示室「三鷹の此の小さい家」にて 涙が、そして、だらだら、と。

【本日の読書日記】2022/01/14

三鷹の此の小さい家は、私の仕事場である。ここに暫くとじこもって一つの仕事が出来上がると私は、そそくさと三鷹を引き上げる。逃げ出すのである。旅に出る。けれども旅に出たって、私の家はどこにも無い。あちこちうろついて。そうしていつも三鷹の事ばかり考えている。三鷹に帰ると、またすぐ旅の空にあこがれる。

「誰」昭和16年
太宰治太宰治文学サロン 太宰治展示室「三鷹の此の小さい家」パンフレットより

本日は色々用があって三鷹を歩いておりました。用をすました帰り道、すっかり高層ビルで変わり果てた三鷹駅前に、ショッピングセンターがあり、その最上階、三鷹市立の美術館があり、そこに常設の太宰治の展示室があるのを知り、時間もゆるく空いていたので、なおかつ無料ということで、行ってみました。

三鷹駅の北口ロータリー

三鷹というと、普段は自転車で移動できる行動範囲なのですが、本日は非常に大事な用があったので、敢えて電車に乗り、周辺を自らの足で歩いてみたいと思いました。

よく考えてみれば、三鷹から永く、住んでるところが近かった。ですが意外にJRの駅近くを歩いたことがなかった。

20歳から数年間、三鷹井の頭公園の近くに住んでいたこともあった。それから小金井近辺。その頃にはよく三鷹駅近くの映画館に行きました。

当時は名画座が2つあった。三鷹オスカーと三鷹文化会館。三鷹文化はポルノ映画を上映していたような。どちらも当時の東京での映画通にはご存じの名画座だった。

そこで、何見たっけ。はっきり覚えているのは、『ウィズ』(The Wiz)。マイケル・ジャクソン出演した、「オズの魔法使いの」リメイク版があった。他にも結構いい作品を良く見に行ったと思う。

それから駅前にクラシック喫茶があり、原宿のセミナー会社に就職して東小金井に住んでいる頃、会社の帰りに三鷹で途中下車して、何だか色々本読んだりメモを取ったりしていました。思えば、三鷹、私にとっては隠れた青春の街だったのかもしれない。

実は、本日の三鷹での要件は、昨年末に大切なものを路上で落としてしまい、その大切なものが見つかったとの連絡を三鷹警察署から受けて、取りに行く。そして、何かこれは自転車ではなく直に路上を歩いて取りに行くべき、と手前勝手に考えて、その行動の結果、久々の太宰治に出会ったというわけです。

太宰治は上京したばかりの頃、とても気になっていた作家だった。同じ青森県出身。無頼派であり、「人間失格」のトンデモない、また「走れメロス」の勇気の小説家であった。なんだかんだで、高校時代から20代初旬にかけて、失恋と失望の連続。あれこれ同年代に話すと、結局、青森出身の田舎者かつ変人の愛の失望の物語。そんなこんな太宰の小説は、自分の慰めのためか、一気に1年程でほぼ全作読んでいるはず。

あれから長い月日がたった。

三鷹に立ち、今、あらためて思う。

ここら近辺に暮らして述べ30数年。
意外に太宰治と近しく暮らしていた。

太宰治の風景の進化と変遷を見ていた。

建物は変わったけど、やっぱり三鷹、吉祥寺、から小金井。
武蔵野の風が好きだ。

ついでに、太宰治の展示会。

文学って、やっぱり基本は、紙であり、本なんだなぁ。
と、つくづく実感。

スマホもkindleもいい。
が、武蔵野の風にはためく文庫本の音。

美術館のパンフレットがカバンに入り切れず。
風に吹かれて、がさこそと。

されど、愛おしさをよそに、

よー-くわからんが、

三鷹、凄く気になるけど、
三鷹その土地には暮らす気はあまりない。

隣の小金井あたりなら、
今一度、暮らしてもいいのだが。

三鷹はあくまで、お隣さん、でいいかな。

ここらへんは、太宰治との同郷、青森県、
同じ青森でも、
太宰は津軽、私は南部。
ここらへんの大きな隔たりが、
いい感じにすみ分けられているのかも。

ともあれ、最後に、

この度
昨年末に、路上に落としてしまった
貴重品だらけのカードケース、
免許証から、保険証、親の写真、娘の写真まで
まるまる納めたものを
謝礼も不要とお届けくださった、

あなたへ

心より、本当に心の底から、
感謝いたします!

涙、が。

貴重品書類は、
すぐさま再発行手続きしていたのですが、
流石に、大切な両親の写真ばかりが
気になって。。。

三鷹、

また一つ、

心の故郷が増えました。ㅤ

はな、たらしてごめんなさい。

ばかやろー、泣いてんじゃねえよ
本当に、鼻水がたれてんだよ。

だらだら、と。

 ★ㅤ

三鷹市美術ギャラリー
太宰治展示室
https://mitaka-sportsandculture.or.jp/.../daza.../index.html

で、三鷹ともに、はながだらだら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?