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夢みたいな本当の話

いつもより仕事を早く切り上げることができたので
バスタブにお湯を溜めて、
バスボムを入れて、キャンドルをつけて、
好きな小説を読みながら、
途中でお風呂でアイスを食べて。
しかもハーゲンダッツ。

何もかも完璧な水曜日の夜だった。

お風呂から出て、めったにしないストレッチと、
筋膜ローラーでごろごろごろごろ…

22:00にはベットに入り、
小説の続きを読みながら、うとうとしていた。




テロリテロリテロリン〜

LINEの電話が鳴る。
着信相手は、会社の先輩。
先週飲んだ時にずいぶん社内の元カレについて
イジられたから、あんまり良い印象はない。

けど、一応出とくか。

「…はい、〇〇ですけど…。」
思ったより自分から寝起きな声が出た。

電話の向こうでは繁華街の声が聞こえる。

「今何してんの?飲んでるから来いよ!」

「すいません、実はもう寝てて…」

「えっ!早!まぁいいや。ちょっとさ、
 お前と話したいっていうやつがいるから
 代わるわ!」

ゴソゴソ

「…えっ…ちょっと本当に電話したんですか?!
 あっ…えっ…あっ…こんばんわぁ〜!」

この時点で、私の沸点はもうすでにぶち超えていたのだけど、まぁ、いい。
そして誰だ電話口の女。だいたい検討はついているが、もしそうだったら本当に私はブチギレる。

「えっ!誰だかわかりますかぁ〜?」

「えっと…(敬語の時点で後輩か)
   ごめんね、ちょっとわからないや…」

「え〜私ですよぉ〜〇〇△△ですぅ〜♡」


あらかじめ予想してたとはいえ、
本当にそうだと笑えてくる。

そう。電話口の酔ったメスは、
私の会社の元カレであり、元セフレの
現セフレ(噂)だった。

「あ〜!〇〇さんね!こんばんは。久しぶりだね
   この前本社で会ったね〜」

意外と落ち着いた声出るじゃん。偉い私。

「はい〜!あの時お会いできて嬉しかったです♡
 え、てか今度ふつ〜に飲みに行きましょうよ〜」

は?

「うん、そうだね。(絶対行かない)
 まだ水曜日だし、遅いから早く帰りなね。
 先輩にはよろしく伝えといて〜。」

「はぁい♡おやすみなさぁい〜」

電話が切れた。
そして、私の脳の血管も切れた。

ふぅ。

落ち着け。
一旦、友だちに電話しよ。
待って、
てか、「ふつ〜に」飲みに行きましょうって何?
私は普通に飲みに行けるけど?
普通に飲みに行けないから、わざわざ
「ふつ〜」って付けた感じ?
え?それはどうして?
は?
ひ?
「…あ、もしもし?ちょっと聞いて今さ…」

その後、
お茶割りさんは興奮して眠れませんでしたとさ。


次回は幸せ号が書けますように。

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