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とある夏の記憶|詩

自転車を押す後ろ姿
白と紺のシマシマTシャツを着た
その人からは
ほんのり甘い香りの
柔軟剤が漂っていた

ふわっと風が吹くたび
香りも一緒に運ばれてくる

あの時の匂いは
確かこんな感じだったかなと
いまここにはない匂いを
頭の中で再現する

どきどきそわそわした
あの時の感情も
なんとなく夏が来ると
ふと引き出しが開くように
なっているらしい

ささやかな
いい思い出があるのは
幸せなことだ








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