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体調を予測する「カンポー予報」とは

この記事を書いているうちに、梅雨が明けるかな?と思ったのですが、まだ関東地方の梅雨明けの発表はないようです。昨日は東京都心で38℃近くまで気温が上がって、ほんとに梅雨はどこに行ってしまったんだろうと思うほどの暑い日が続いています。

Twitterの方で少し前から「カンポー予報」というものを作って、2ヶ月ごとにアップしています。これは昨年に作ったものですが、まだ梅雨に入る前の5月の時点で、今年の梅雨は「雨が少ない」と予報していました。


2022年の天気の振り返り

ところで、昨年の夏はどんな天気だったか覚えてますでしょうか?

6月に「統計開始以来、最も早い梅雨明け」となったと思いきや、7月に入ってから全国的に雨の日が続き、結局梅雨がいつ明けたのか結局分からないまま、猛烈な暑さがやって来ました。

2022年のおもな天気をまとめてみた

2022年は、夏はめちゃくちゃ暑く冬はめちゃくちゃ寒い、そんな極端な年だったように思います。

また、先ほどの「カンポー予報」で振り返ってみても、昨年の6月は「かなり暑い」、10月は「いきなり寒い」となっていて、実際の天気と比べてみても合っていたのではないかと思います。

どうしてそんなことができるのかと言うと、別に私がスピリチュアルな力で予言したわけでも何でもなく、それは「スケジュールが決まっているから」なんです。



「カンポー予報」のしくみ

スケジュールというのは何かというと、前回お話した「運気」の流れが「天気」に影響するという考え方で、「運気」が天体の動きと同じく一定の周期で巡り回っていることから、同じように「天気」もそれに合わせて、大まかなリズムが決まっているということです。そして、そのリズムを作る元になっているものが「五運六気」です。

「五運」とは、木・火・土・金・水の「五行の運行」のこと、
「六気」とは、風・熱・暑・湿・燥・寒の「6つの気」のことで、

この「五運」「六気」が互いに組み合わされながら巡っていくことで、季節や天気にさまざまな変化をもたらします。

例えば1年を単位として見てみると、「五運」5年で1周し、「六気」6年で1周することになるので、全部の組み合わせで一巡するには、60年かかります。

なので、1年ごとの「五運六気」のリズムには「60パターン」あることになり、年単位で見たときの大まかな気候の変動は、60年ごとに回ってくると考えられています。

この「五運六気」の中で起こる、陰と陽の移り変わりや、そのバランスを取ろうとする働きによって、季節の巡りとともに、毎年違った気候の変動が現れてくるのです。

「五運六気」の基本的な1年の流れ

こちらは「五運六気」の基本的な1年の流れですが、1年を6つの節季に分け、2ヶ月ごとの「五運」「六気」の組み合わせによって、その時期の気候の特徴が見えてきます。そしてその気候の特徴から、人にどういった体調の変化が起こりやすいかというのを考えていくのが、「カンポー予報」のしくみです。

例えばもし、毎年同じこの流れで巡っているとすれば、どの年も同じような気候の流れになるはずなのですが、これは1年の中で見た時の流れであって、先ほどお話しした年ごとに回ってくる「60パターン」をここにかけ合わせて見ていくことで、毎年同じ季節が巡ってきたとしても、年によって暑かったり、寒かったりといった気候の変動が生まれるのです。



《参考》60パターンのでき方

覚えなくても大丈夫です。

こちらは、その60パターンのでき方をまとめたものですが、詳しく説明をするとそれだけで本が一冊書けてしまいそうなくらいの量になってしまうのでやりませんけども、これが「黄帝内経」のうちの「運気」に書いてある、いわゆる中国医学における〝気象医学〟というものです。

また、暦を表している「十干十二支」は、東洋のさまざまな「占い」の方法にも通じていて、天気だけでなく、人の運命にも同じように影響を及ぼす考え方として使われています。



2023年の「カンポー予報」

というわけで、これらをふまえて、今年2023年の「カンポー予報」をみていきたいと思います。みなさん、ついてこれてますでしょうか…?(心配)

2ヶ月ごとに4つの気をかけ合わせて考えます

今年の干支は「癸卯(みずのと・う)」ですので、(先ほどの表と照らし合わせてみると)五運は「火弱」といって、「火」の気が弱くなる年になります。

「火」の気が弱いと、抑えられる方の「金」の乾燥させる力が逆に強くなってしまったり、またかえって「水」の気も強くなるといったような、五行のバランスを取ろうとする働きが行われます。

また今年は「卯(うさぎ)」の年なので、六気は年の前半は「燥」の気、年の後半は「熱」の気となります。

「燥」は、乾燥させる性質なので、今年の前半はからっとした天気になるが、気温はやや高くなりそう。「熱」は、温める性質ですが、今年の五運が「火弱」でもあるので、バランスが取れておだやかな天候になりそうかなという予測です。


干支の話になりましたけども、今年の干支は「卯(うさぎ)年」とよく言われますが、実は干支には2つあるんです。「卯」は十二支の1つなので、干支でいうと「支(と)」に当たります。

え、じゃあ干支の「干(え)」はどこいった?となりますが、干は十干(じゅっかん)(じっかん?…どっちでもいいか)のうちの1つが入ります。今年は「癸(みずのと)」なので、今年の干支は「癸卯(みずのと・う)」ということになります。

このように「干」「支」が1つずつペアになって組み合わされながら、1年ごと1ヶ月ごと1日ごと2時間ごとに巡っていきます。なので、干支というのは「年」のことだけを言うのではなくて、「月」「日」「時間」の移り変わりを示してくれる記号のことでもあるのです。

(ちなみに、生まれた「年」「月」「日」「時間」の4つを見て、その人の人生の流れを占うのが「四柱推命」です。「四柱推命」は、生まれた「時間」までを使うことで、その人の過去から未来までを詳しく見ていこうとする占い方ですが、生まれた「日」にその人本人の性質が一番表れていると考えられているので、「カンポー占い」では、その生まれた日を基準にして作っています。)


「カンポー占い」についてもまた次回説明したいと思いますが(ああまた果てしないことになりそうだ…)なるべく分かりやすく、興味を持っていただけるように話したいなと思っていますので、どうぞお付き合いくださいませ。私も頭をひねくりこねくり回しながら、頑張って考えてお話していきます。



2023年今後、起こりやすい体調の変化

今年、6〜7月までは、梅雨の時期ですが、「燥」2つ重なっているので、雨が少なく、気温はからっとして、やや高くなりそうな感じです。まさに今その通りの天候のように思います。

一方、九州などでは〝線状降水帯〟が発生して局地的に豪雨になったりと、土砂災害などの大きな被害もありました。大まかな運気の流れでは「雨が少ない」といっても、ここにも陰陽の「バランスを取ろうとする働き」が常に起こるので、天気の変化が行き過ぎてしまうと、どこかでその辻つまを合わせようとするといったこともが起きてしまうというのも、忘れてはいけないことだなと感じました。


8〜9月は、「火弱」「熱」「寒」となっているので、どちらかというと「寒」の働きで、涼しくなっていく夏になるのではないかという予測しています。

7月の連休はまた気温が高くなるそうなので、今年の夏は一体どうなってしまうんだろうと心配ですが、8月末、遅くても9月頃までには、この厳しい暑さは収まってくれるのではないかと思っています。あくまでも運気による予測ですが、どうかなあ…これも当たるといいなあ。


10〜11月は、「火弱」「熱」「風」となっています。

秋の時期なので「風」が来ると、そうです、台風が気になります。今の梅雨の時期に雨が少なかったのと、まだ台風があまり発生していないので、秋の台風はおそらく雨が多く風も強くなるかもしれません。

気温的には過ごしやすくなりそうですが、急な天気や気圧の変化によって、自律神経のコントロールがうまくいかず、頭痛やストレス、めまいやだるさなどが多くなるかもしれませんので、こちらも注意したいところです。


12〜1月は、「火弱」「熱」「熱」が並んでいます。

冬の時期に「熱」が2つ重なっているので、寒さはあまり厳しくならず、過ごしやすい冬になりそうというかなという予測です。

ですので、気温の変化に合わせて、こまめに着るものや部屋の温度などを調節しながら、うまく〝冬仕様〟の体にしていくことが大切になります。暖かい部屋でじっとしているのではなく、なるべく適度な運動お風呂(サウナもいいね。ほどほどに)などで上手に体温を上げながら、冬の旬のものを食べてしっかり栄養を付けるといった、冬の養生を忘れないように行っていくのがいいかなと思います。



今日のまとめ

今日は、体調を予測する「カンポー予報」についてお話してきました。いかがでしたでしょうか。

ちょっと難しい部分もあったかもしれませんが、なるべく難しいところはさらっとすっ飛ばしながら、少しマニアックに、占いにつながる部分なんかも入れてみたりと、バランスを一応取りながら書いてみました。これ陰陽の極意。


もしかすると占いに詳しい方の中には、「ん?なんで甲なのに土が強くなるんだ?」などといった、占いのやり方とちょっと違うといった疑問を持った方もいるかもしれません。

私も勉強するうちに、四柱推命もひと通りですが学んだので、理解できないことがあったりしました。しかし、そのことも実はちゃんと「黄帝内経」を読み直すと書いてありました。


「それは明らかな道理でございます。今申し上げているのは、天地を運営する五運六気の上での陰陽や五行でありまして、あなたが申し上げているのは、ただ人間どもに関係ある一般的な陰陽や五行の分類でございます。・・・そんなわけで、五運六気の陰陽五行の理屈が、常識的な陰陽五行のきまりからはずれているようにみえても、それはそれ、これはこれでよろしいのです。」

「運気」小曽戸丈夫・新釈

なんと、「天地のことは、人間のこととは違うんだ」と、なかなか無理矢理な言い訳のように聞こえてしまうのですが、昔の人がいろいろ調べ上げてこう言っているのだから、きっとそうなんでしょう。しかも最後には「それはそれ、これはこれ」とまで言いきっちゃってますから、世の中や宇宙にはまだまだはっきりと理解することができないことがたくさんあるんだなと思いました。

私はこれを読んで、ちょっと肩の力が抜けたようにラクになりました。


分からないことを、分かろうとするのではなく、
「分からないことは、分からない」と認識をして、

分からないことを、そういうものだと受け入れられる気持ちの広さを、常に持っていたいと思いました。


それでは次回もお楽しみに。ごきげんよう。

いつも見ていただきありがとうございます!「漢方茶」を広げていけるような活動をいろいろとやっていきたいと思います。