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花粉症と天気と漢方の話

花粉症は「風」「熱」「湿」が重なった時に、症状がひどくなる。


「風」は、風によって運ばれるもの。

まさに花粉。

それ以外にも、春の季節に動き始める〝気〟のことを言ったりもする。冬の間じっとしていたものが、暖かくなって動き出す。それは体の中にも起きていて、気が動き出すとソワソワしたり、イライラしたりする。

その〝気〟の流れを調節しているのが、自律神経。なので、春は自律神経が乱れやすいと言われる。


ただでさえ気が乱れる春に、さらに風に乗って運ばれてくる邪気「風邪」の影響を受けると、体はその邪気から身を守ろうとしてざわざわざわっ!となる。うまく言えなくて申し訳ないのだが、これが一番分かりやすいかもしれない。

ざわざわとは、かゆみだったり、くしゃみだったり、寒気だったり、邪気から身を守ろうとする反応のこと。かぜの引きはじめの時の症状にも似ている。

そういえばかぜも「風邪」と書く。漢方では、花粉症もかぜも同じ「風邪」によるものと考えたりする。


「熱」は、熱によって引き起こされるもの。

熱には、外から受ける熱と、内から起こる熱がある。

外から受ける熱とは、季節で言うと春から初夏に向かって徐々に高くなりはじめる頃の気温。また、熱を上げる食べものによる影響もある。

例えば、生姜やねぎといった熱を上げる食材や、にんにくや羊肉も「大熱」に分類されるくらい非常に熱を上げる食材だったりするのだが、それ以外にも糖分や脂っこいものも食べ過ぎれば「熱」になる。お酒も適量ならいいが、飲み過ぎると水分不足になって「熱」になる。

ジンギスカンにビールがぶ飲みなんて、花粉症がつらい人には不適切にもほどがある行為である。

熱を上げないためには、糖分や脂っこいものは控えるようにしたい。辛いものもじわっと汗をかくくらい。パンや麺ばかりの食事も糖分が多くなるので、なるべくごはんの方がいい。ごはんは食物繊維が含まれているので、余分な熱は排出してくれる。花粉の時期ぐらいはグルテンフリーを推奨したい。


内から起こる熱とは、巡りが悪くなって滞った時に起きる熱がある。気が滞るとお腹が張ってガスがたまる。血が滞ると痛みや腫れが起きる。水が滞るとむくんだり、それが続くと熱を含んで「湿熱」になる。分かりやすいのは便がべっとりするような状態だ。

これらがある時は、体に「熱」が余分にあるかもしれない。すると花粉の症状はひどくなりやすい。

熱を上げない食べ方をするのが、この時期に一番大切なことである。


「湿」は、湿気によって体にたまる水分。

水分でも、いい水分はサラッとしているが、悪い水分はジメッとしている。これが「湿」である。

胃腸はこの「湿」をとても吸いやすい。湿も胃腸もどちらも五行で言うと土グループなので、土が水を吸うように水分を含む。

「湿」が多くなる原因は、湿気の多い日。季節で言うと梅雨の時期。また、冷たいものを摂りすぎたり、水の巡りがうまくいってない時にも多くなる。


五行バランスでいうと、元々の五行が多い人、の五行が多い人は「湿」の影響を受けやすい。また、の五行が0の人も、胃腸が弱くて「湿」の影響を受けやすい。

特にの五行がない人は冷たい水分が残りやすく、の五行がない人は乾燥できずに水の巡りが悪くなりやすい。

「湿」は、ジメッと重くてとどまりやすい性質があるので、体が冷えやすくなって、くしゃみや鼻水が多く出る。花粉症で鼻水がつらい人は、胃腸の働きを上げて余分な「湿」をためないようにすると、症状を改善することができる。


次回は、「風」「熱」「湿」のタイプ別に、花粉症の改善方法についてお話したいと思います。

いつも見ていただきありがとうございます!「漢方茶」を広げていけるような活動をいろいろとやっていきたいと思います。