心臓の裏と紙の月【読書感想文】
時々喉元から心臓の裏のあたりにかけて
ぐーっと押されているような感覚になる。
そういう時には、誰かに背中をトントンしてもらいたい気持ちになるのだけど
常に満たされない何かがあって、トントンしてもらおうが緩和はしない。
自分の機嫌は自分で取れというけれど、
人にとってもらいたいときもあっていいじゃないか。
現実にとってくれるひとは存在しないし、存在したとしてそもそも取れないし、ずっと心臓の裏が重たいまま生きていると全ての興味も失せてくる。
こういう時、小説「紙の月」角田光代 著を思い出す。
ジリジリと暑い、焦りと虚しさの描写が今の季節にもはまる。
読了後、自分の中の違和感と満たされない気持ちは永遠に続く気がした。
心臓の裏が重たい夜は
なにも考えずに寝るのが一番。
結局、人間はひとりなんだから。誰も助けられる人はいない。
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