Girl meets 焼さばおにぎり
初めまして。臙脂 おきゅ と申します。えんじ おきゅ です。
高校3年生なのですが、進路が決まって時間を持て余しているもので、noteを始めてみようと思い立ちました。
近頃文章を書くことがめっきり減ってしまい、これではいけないと思いつつもトレーニングは腰が重く…というわけで日記感覚で書いて参ります。
さて、突然ですが好きな食べ物について語ろうと思います。
あれは高校2年生の冬。
日中は眩しい日差しで背中が焼ける思いをしつつも、朝晩は冷たい風に身体が縮こまる、そんな日でした。
とあるイベントの報告会に参加すべく、私は友人と会場の最寄り駅に降り立ちました。
地図アプリを開いて場所を確認し、一歩踏み出したところで、重大な問題に直面しました。
まだ昼食を取っていない。
腹が減っては戦はできぬ。腹が減っては報告会はできぬ。
「重大」は大袈裟ではないのです。食事は大切です。
私達は顔を見合わせ、見慣れた黄緑と水色の建物に駆け込みました。
コンビニのお惣菜コーナーって、どうしてこれほどワクワクするのでしょう。
お弁当いいな…。でも思い切り広げて食べるのは恥ずかしいからパス。
パンもいいな…。でも食べたい総菜パンがないからパス。
そんな私はおにぎりコーナーにたどり着きました。
左上から眺めていく私の目に飛び込んできたのは、
「藻塩熟成 焼さば」
刹那、雷に打たれたような衝撃を覚えました。
え?さばって?魚の?さばを?おにぎりにしちゃうの?
気が付いたときには会計を済ませていました。
先ほどまで「優柔不断だから~」などとヘラヘラしていた私の豹変ぶりに、友人は言葉を失っていました。
会場が飲食可能か分からなかったので、コンビニ近くの屋外のベンチで食べることにしました。
腰を下ろし、荷物の整理もそこそこに袋を勢いよく開けました。
コンビニおにぎりといえば三角形が一般的ですが、これは丸みを帯びた四角形で、それに合わせるかのように四角い袋に入っていました。
一口かじる。
…まだ鯖が出てこない。
少々落胆しましたが、その分期待は大きくなりました。
今度こそ。
……
雷に打たれたような衝撃を覚えました。本日二度目です。
見上げると頭上に雷雲が広がっていた(ような気がしました)。
その雷雲は鯖の大群だった(ような気がしました)。
一目惚れは雷に打たれたような感覚と言うけれど、こんな感じなのかしら。
「うまっ!!!」
その叫び声が自分から出ているのだと理解するのに数秒を要しました。
呆気に取られている友人に私はまくし立てます。
「ねえ、鯖のしょっぱさとご飯めちゃくちゃ合うんだけど!やばい!待って!やばい!」
語彙力なんてありゃしない。
そこにあるのは、食べかけの焼さばおにぎりと、その美味しさにはしゃぐ人間。
もう一口。もう一口。
冷たいのにふっくらしているお米。
塩気も油の乗り具合もちょうどいい鯖。
しっとりしていて、それでいて噛み切りやすい海苔。
インタビュアーに扮した私は彼らにマイクを向ける。
「チームワークの良さの秘訣は何ですか?」
聞いてからハッとする。
白いご飯と鯖の塩焼きは美味。
白いご飯と海苔は美味。
三段論法でいくと、鯖の塩焼きと海苔も美味。
ああ、そうか。
皆さんは集まるべくしてお集まりになったのですね。
野暮な質問を投げかけてしまってすみませんでした。
本日はお忙しい中ありがとうございました。
「ごちそうさまでした」
手を合わせた私は幸福感でいっぱいでした。
あまりの美味しさに目頭が熱くなっていました。
友人の視線は心なしか冷たい気がしましたが。
それからというもの、私の好きな食べ物ランキング1位は焼さばおにぎりになりました。
あ、帰りに飲んだスタバの抹茶フラペチーノも美味しかったです。
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