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その咳止め、もしかしたら悪化させてるかも

-風邪薬は症状を悪化させている可能性がある-

 この事実は意外に知られてないんですが咳止めと風邪の相関関係と言うのはありません( https://www.medicalnewstoday.com/articles/antitussives )。

つまり咳止めを飲んでも風邪のへ効果が認められてないと言うことです。少し知識のある方ならお分かりでしょう、咳止めと言うのはあくまで症状止めるものであって風邪そのものの炎症抑えたりするものではありません。最近はA型連鎖球菌あるいはRSウィルスそしておなじみCOVID-19の流行によって咳をしている人が結構たくさんいます。でも世間はパンデミック以来咳に対してとても敏感です。もしあなたが電車に乗っていて隣にいる見知らぬ人が咳をしたらちょっと避けますよね、まぁそういうことです。

 さて本題に入りましょう。先に書いた通り咳止めと言うのは風邪の治癒には全く関係がないものというのが共通の概念なのです。けれども最近は世間の風潮から咳止めを求めて病院に来る人がたくさんいます。

ご存知の通り咳と言うのは異物を体の外に出すと言う機能があります。異物すなわちウィルスや細菌です。そして痰そのものも含みます。痰は繊毛運動と言うところでゆっくりと外に出されていくのですけれども、量が多くなってくるとこれだけでは処理できなくなってきます。
そこで喉のところに異物があると脳に信号がいって自動的に咳が起こるようにプログラミングされています。咳止めでこの信号を止めると、その結果体の中にたまったウィルスなどを外に出す反応が遅くなり、体の中の炎症が長続きしてしまいます。

​咳を止めると言う事は社会的には安定?をもたらしますが身体的には不利になると言う諸刃の剣なんです。ですから皆さん1日3回で咳止めが出ていることが多いと思いますけども…考えてみて欲しいんです。

本当に1日3回必要ですか?

たいていの咳止めは1日3回となっていて大体5-6時間は効きます。社会的に咳を止めないといけない時間、それは1日の中で何時間ぐらいでしょう? 24時間ずっと咳を止めてないとダメでしょうか? ときには咳を止めないで体を自然に任せる時間と言うのを作ってあげてもいいんじゃないでしょうか。そうしたほうが治りが早くなるような気がしませんか?

この間会った20代の男の子は前の病院でリン酸コデインと言うとても強い咳止めを一日の容量の4倍出されていました。また出されていたステロイドをさしてこれが特に欲しいです!と目をキラキラさせて言っていました。

私は思わず大丈夫ですかと聞いてしまいました。。。

リン酸コデインは依存性がありまた必要な容量がどんどん増えていくと言う特徴があります。他には眠くなったり動悸や便秘、下手すると覚せい剤のような症状が認められます。副作用の方が多いし、他に緩やかに効く咳止めがあるので初診からこれは処方されません。

またステロイドは頂きリリちゃん(チラ見くらいしかしていませんが…念のため)のマニュアルくらいに素人が使うと火傷する薬です。故にこれも普通の風邪に出す事はありません。

咳は完膚なきまでに止まっていて深呼吸しようが出ませんでしたが、レントゲンでは少し気管が厚くなっていて痰が溜まっていそうだったので、さらに欲しいという事は夜は出ているのだろうなと思いました。とはいえ、いま止まりすぎです。麻痺してます。

みなさん風邪薬飲んでそのまま仕事行って深夜まで仕事したりして無いですか? 風邪薬はただ不快な症状を和らげているだけ、あなたの体の何一つ、治してくれてはいないです。咳止めも然り。

例外はあります。咳し過ぎて眠れなくて疲れ過ぎて社会生活に問題がある時(とはいえ次の日休んでください、こんな状態なら)、咳が3週間以上続いている時(多分普通の風邪じゃない)、咳止めをずっと飲んでいいと二週間以上処方された時です。

みなさん無理しないで、頑張り過ぎても給料は安いし💦風邪ひいたらちゃんとサボろうー。

*症例男性は一部フィクションです。

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