見出し画像

人間失格 『懶惰の歌留多』 きくよむ文学

太宰治 ( だざい おさむ ) 1909年〈明治42年〉6月19日 - 1948年〈昭和23年〉6月13日

きくよむ文学

懶惰の歌留多
太宰治

  ▼ 字幕あり

自嘲する表現しつつも、やってる感アピールがふんだんに盛り込まれているが、やり方が見つからない、やるべきものが見つからない時、時間を埋める仕事が捗らないのは致し方なく、やるべきものを確定させて、やり方を考えたとき、仕事は時間より速く走ろうとするもので、カットアップ手法のような浮かんだ印象的なテクストを口ずさむように並べていくところは、閃きがそのまま反芻されているようでカッコイイ。
カッコイイ、ダメな人だね、でもヤルなぁ、と言われたい人という設定が貫かれている。

人間失格は、できるはずなのにできないのか、踏み外しているのか、だれか認める人がいる前提であるところに出てくる言葉ではないか。

世間に対しての、自己はいったいどうなっていて、世間は自分をどう見るのだろうかという視点についての、読者それぞれの持つこの "多人数の他人からどう思われてしまうのかという感情" の共感を狙っているようである。

この記事が参加している募集

#仕事について話そう

109,959件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?