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施設での金融教育 はじめの一歩

こんにちは!
「福祉×お金の教育」のテーマで活動をしている、Ocalea+です🌼
児童養護施設や里親家庭など「社会的養護」の分野での、お金のトラブルを防ぐための活動をしています。 お金の準備をできるだけ簡単に整え、安心して出発できる社会を作ることを目指しています。


今日は、職員さんからのご質問にお答えします!

退所者のお金のトラブルがよく起こる。子どもたちにいろいろ指導はしているものの難しさを感じている。施設での金融教育では、まず何から始めたらいいか??

…ということで、施設で導入しやすい金融教育について5つの例を紹介いたします!

①先取り貯金の説明をする

「先取り貯金」とは「収入が入ったら、まず一定額を貯めて、残った分を使う」という金融教育でもっとも重要なポイントです。お金のプロでこれをやっていない人はいないのでは…というくらい効果的です。

施設では、職員さんが子どものおこづかいから先取り貯金をしてあげていることが多いです。とてもいいことなのですが、「先取り貯金」がスゴイ方法なのだという意義を知らずに、単に自分のお金が引かれていると反発したり、退所後に一気に使ってしまう子もいます。

そのため「先取り貯金」を始めるなら説明をセットにするのがオススメです。できれば、子どもと一緒に貯金計画を立てて毎月の金額を決めるところから始められると最高です!先取り貯金の言葉をはじめて聞いたという方はこちらの記事もご覧ください😊


②おこづかいを活用

施設では、おこづかいを渡しおこづかい帳を付けることがルールとなっていると思います。
おこづかいを渡す時のルールに以下を加えるのがオススメです。(一度に全部でなく、どれか1つからで充分です👍)

  1. 先取り貯金を実施する。

    • それまでにいくら貯まったかも可視化して確認できるといいですね!

  2. 次の1か月の計画。

    • 難しく考えず「買いたいモノリスト」でOKです。できれば「絶対買いたいモノ」「お金があれば買いたいモノ」に分けます。

    • 職員さん自身も作って見せあいっこしても有意義です。

  3. 先月のふり返り。

    • おこづかい帳に書き出したひとつひとつに「買って良かった→〇/普通→△/買わなくてよかった→×」をつけていきます。

    • 大人はあまり口を出さずに子ども自身に判断させます。ふり返るとこれにこんなにお金つかってたの?!と分かったり、購入時と数週間後では気持ちが変わっていることなど気づきがあります。

    • ふり返っても最初はあまり意味がないような反応を子どもはするかもしれません(全部〇にするなど)。でも、まずは振り返る習慣をつけるだけでも上出来です!


③職員の家計簿や貯金計画を見せる

子どもって「〇〇しなさい」と指導しても興味持たないのに、大人自身が実際に〇〇してると興味を持ったりしますよね😅 そこで職員自身の家計簿を見せたり、貯金計画を見せたりするところから始めるのはどうでしょうか??
ほとんどの子が、身近な大人がいくらお給料をもらっていて、いくらお金を貯めているのかなどは気になると思います。(私も金融教育の講座では、子どもたちによく聞かれます) 

職員が仕事として自分と接していることに敏感な子もいると思うので、見せるのはさすがに難しいかたもいるかもしれません。その場合は、「お金の勉強をしていて、貯金ふやしたいんだー。どうしたらいいと思う??」と相談してみると、子どもたちそれぞれのアドバイス(=考え)が聞けるかもしれません。


④キャッシュレス、アプリ、投資、奨学金の話から始める

子どもによっては、この方法がいいかもです!
キャッシュレスや、アプリ、投資、奨学金については、子どもの方が興味を持っていて詳しいということもあります。(それらに付いていくのが難しいという職員さんの声も)

そこで、それらを子どもたちに聞いてみるのを、お金の話をするきっかけにしてはどうでしょうか?

  • おこづかい帳アプリやキャッシュレスアプリを入れてみて、使い方を子どもに相談してみる

    • 家計簿アプリ:マネーフォワードやZaimなど

    • キャッシュレス:PayPay、LINE Payなど。キャッシュレスの中に、購入履歴がみれる方法や、投資やキャッシングなど様々な機能があります。子どもと一緒に確認できると金融教育としてGood

  • FX、ポイント投資、NFTなど、子どもから話題に出してきがちなテーマを自分で勉強しつつ、子どもと話し合ってみる。例えば、FX=危ないとなりがちですがどの点が危ないのかを、どういう仕組みでどの点が危ないと言われるのかを話し合えると、金融教育になりますね!

  • 多額がもらえる奨学金の話であれば、子どもたちも関心を持ちやすいです。申請すれば数百万円をもらえる(給付型)ことから教えて、話のきっかけにしてもいいかもしれません。


⑤ゲーム、児童書をきっかけにしてみる

施設職員さんで、人生ゲームのような体験型・シミュレーション型の金融教育を希望されている方も多いです。こちらの記事に依頼できる団体紹介をしていますのでご参考にしてください。


児童書の中にもお金が勉強できるものがありますので、そちらを購入してきっかけにしてもいいと思います。(注意点としては、このような書籍は、必ず家庭での様子が漫画で出てきます)


ご参考になれば幸いです😊💰