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イロゴトのモノクロとカケゴト
喪うフィルムに君の33巻は存在しないから
燃えあがる車輪に刻まれた夕暮
季節から離脱したスカーフは
灰燼と変換され__
宵時雨の淑やかな悲鳴
蝙蝠傘に抉られた心臓は無彩色
渇ききった哀歌と止まない拍動に
水槽は彼方の三日月に笑いかけていた
流星と頸動脈張り巡らされ
青空は瞬く間に感電した朱を帯びてゆく
空虚の縊死、或いは916-3と悲嘆の革命
拡声器が儚く響く校庭の果て
錆びゆく鉄棒から延びる影の少女が切断されて__
火炎に包まれた水中都市
未遂の剃刀群れる午後3時を誤認すれば
貴女の石榴は揺らめいたまま
氷鏡に注がれた紅茶と
カステラの彷徨う甘味料を毒だと云えば
この世界は甘美と変死しかない

空白の睡眠時間は自己嫌悪だ
空白の朝は暖房を冷房に
空白の昼はかき氷の焼死 
空白の夜は故意に衝突
空室の4は赤いシーツ
空室の40は淡いレース
空室の404で拭うドレス
空腹の今はシロップと折れた傘
空港の君はドロップと壊れた翼
空欄の貴女はテロップにいない
空欄の私はスクラップの死亡記事

硝子の牢獄に閉ざされた47の右目
執行猶予に充たされた48の左目
最後の海も墜落者の羽毛に覆われて
此処は虚ろな墓場となってしまった
死体が時折揺れる海岸線と2590,1/-7462 2ーー
「カッターナイフで切り裂いた薔薇と彼岸花の色はグレースケール♭だった」

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