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吾輩は狸である

先日、神輿を担いでから脚の筋肉痛が取れる迄数日かゝりました。
その間、ジムのプールにも行かずに酒を傍らにツクールの打ち込みをやっていたのですが、これじゃ軆に良い訳ゃ無いよ!解っちゃいるけどやめられね…♪

…と、かの有名な歌を唄い乍ら前回の續と致します。

前回迄に「暗闇を照らすアイテム」を探す事になり、木更津の町で情報収集をしたところ「近所の古寺に何か光る物がある」と云う事が解りましたので少々路銀を貯めて探索の準備を整えたところであります。

森に囲まれた古寺を發見

木更津の町から海沿いの道を進むと見えてきます。
町からは目と鼻の先ですが、長年無人の荒れ寺で地元の人も滅多に近附かない場所らしく、噂ではバケモノが出るとか…。
しかし何か重要なアイテムとは得てしてそう云う所に有るものです。
町も近いので、いざと云う時の補給も利き易い筈です。臆せず入っていきましょう。

早速妖怪出現か?

草木で荒れた境内を進み本堂に入ると何やら怪しげな声が聞こえてきます。

化け狸があらわれた!

そして狸の妖怪を嗾けてきます。
しかし、これは前座に過ぎません。落ち着いて倒しましょう。

どこかで聞いた事のある有名な台詞が…

化け狸達を倒すと声の主が襲い掛かってきます。

かの有名な「大魔王」

どうやらこいつが声の主らしいのですが、どこをどう見てもあまりにも有名な「大魔王」です。
とんでもない奴が出てきました。こいつが附近の村人が恐れるこの古寺に出てくるバケモノなのでしょうか…?

…!?

投石行為を繰り返す大魔王。
なんだか攻撃手段がセコい様な氣が致します。

本當に大魔王…?

おなら攻撃を受けると味方一人の能力價のいづれかが下がってしまいます。
大魔王の割には下品な様です。

凍てつく波動ではない。今のは余のギャグじゃ…!

どうも見た目に反してやっている事があまりにも狡いのですが、鳥山先生の考えた駄洒落を言い放つ辺り、やはり腐っても大魔王なのでしょうか…?
敵の能力もそれ程高いとは思えません。暫く斗ってダメージを與え續けていると……

「よくぞ我が闇の衣を剥ぎ取るすべを知っていたな…!」

なんと大魔王の正体はこの化け狸だったのです。
しかし可愛らしい見た目に油断していると怒りだして手下を呼んで再度襲い掛かってきます。

「もう怒ったぞ!みんなやっちまえ!!」

この化け狸達は「はらづつみ」や「狸囃子」でこちらの動きを封じてきます。
ウカウカしていると身動きの取れなくなったところを袋叩きにされてしまいますので長期戰は禁物です。手短に1匹ずつ確實に仕留めて參ります。

妖怪の正体はこの子だった様です

どうやら巷で恐れられていた古寺のバケモノはこの狸の仕業だった様です。
「久留狸」(くるり)と云う名前らしいです。
木更津出身らしいです。仕方ないね。

RPGの勇者諸君に告ぐ

どうしてこちらを襲うのか問い質すと、この回答。
RPGの主人公とは人の家だろうと何だろうと入れる場所にはズカズカと上がり込むものです。そして壺やタンスの中身を勝手に持ち去るのです。
この狸はその事をよく知っている様で俗に言う「勇者」と云うのが非常に嫌いらしいのです。
だから「大魔王」に化けていた様ですが、今度は「竜の王」に化けようと思っている様です。

古寺に住んでいる理由

この古寺は空き家になっていたので住み着いていたらしいのです。
動物の目線から見ると人間の行いは誠に理解し難い様です。
確かに田舎の誰も居なさそうな場所に立派なアパートが建っているご時世ですから狸の言う皮肉も尤もな話です。

この狸のキャラクターのモチーフは、かの夏目漱石先生の有名な小説に出てくる猫だったのです。
人間の行いを動物の目線でユーモラスに描くこの小説は私のお氣に入りです。


さて、ここでお目当ての「光る物」について狸に尋ねます。
すると、その品物を持っていると言うのです。
昔は人間達に勝手に取られたりと苦労した様です。

更に續く人間批判

誰もこの狸の言う事に反論出來ないのであります。
人間とは強欲な生き物なのです。
しかし、それが無いと先に進めないので譲ってもらう様に相談しますが…

一應、交渉成立

何とか貸してもらえる様です。
これで暗闇の洞窟を進む事が出來そうです。

金銭を要求されます

しかし、そこは狸。タダと云う訳にはいかなかった様です。
このアイテムを手に入れるには100文を支払う必要があるみたいです。
「金を取る氣か」とお坊さんはツッコみますが…

…だそうです。

どうするか仲間のお坊さんに相談されます。
ここは主人公として決断しましょう。

正解は…?

素直に100文を払えばすんなりと貸してもらえますが残り2つの選択肢も氣になります。

「払わない」を選択すると…

確かにこれが無いと先に進められないので困ります。
何とか半額に値切ろうとしても…

50文に負けさせようとしても…

ここに至り100文を出すまで會話が進まないかに思えます。
しかし、このゲームには「有限ループ」と云うのがあるのです。

流石に代金を払わないのは一寸かわいそうなので「50文に負けさせる」を選び續けます。
何度も同じ答えが返ってきますが、更に何度も繰り返していると…

何度も同じ事を聞いている様では一流のゴルファーになれないぞ!

狸の方が折れて50文に負けてくれます。
このゲームには、かの有名なRPGの名物である「無限ループ」はないのです。
そもそも、折角選択肢があるのですから無意味な事はしない事です。
そんな、ひどい…。

そうです!その通りなのです!!

このゲームではこうした場面がしばしば出てきます。
今回はどれを選んでも大した事にはなりませんがイベントによっては明らかにおかしい選択肢が出てきます。
最惡の場合、ゲームオーバーになる事なんて日常茶飯事です。

常にゲームオーバーの危機に晒されている、このクソゲーすれすれのスリリングなゲーム。
その主人公に突き附けられた選択肢は慎重に考えて行動する事がこのゲームでは求められます。

選択を誤ると…

ちなみに代金を支払わない事を選択し續けると主人公が刀で脅して無理矢理アイテムを奪い取ってしまいます。
流石にこれはどうかと思いましたので今回は50文に負けさせました。

渋々渡す狸さん

ヒカリモとは暗所で光を反射する性質のある藻類の事で現實に千葉縣は鋸山近辺の洞穴に自生しています。以前、現地も確認濟みです。
RPGのネタは歩いて探すのが私のポリシィなのです。

さて、漸くの事で「暗闇を照らすアイテム」を手に入れる事が出來ました。
早速アイテム欄で確認してみましょう。

まさかの粗惡品…!!

なんと使い古しなので光が弱まっているそうです。
一應機能はするみたいなのですが金を払ってこんな物を掴まされてしまっては、たまったものではありません。

汚い…。流石タヌキ。汚い…!

結局この粗惡品を使うしか無い様です。
少々不安でありますが、ここを後にして主人公達は再び暗闇の洞窟へ向かうのでありました。

續く…



余談ですが、この木更津の近くの古寺は言う迄も無く「証城寺」がモデルでです。
だから狸が出てくるのでありますが、私も現地に行って色々と取材してきたものです。
その様子はいつか何かの形でお傳え出來ればと思っておりますが、まだまだ日本にはRPGのネタになりそうなものが幾つも轉がっているものです。

ふと氣附いてみれば今日は秋分の日の旗日。お彼岸の中日です。
お茶を飲んでおはぎを食べ乍ら執筆致しておりますが、狸さんは友達と遊びに行こうと思った様です。しかし………

「けっ!狐なんかと仲良くしやがって…!!」

狐に先を越されて、どうも素直になれない様でした。

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