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この様に稼ぐのだ

子供時代、夏休みは早朝のラヂヲ軆操に續いて學校のプールに行き、そこに居た友達と午后は遊ぶのが定番の過ごし方でした。
そんな思い出のある夏休み。水泳バッグの持ち方も人それぞれにて、今日は主人公達も夏の1日を満喫していた様でした。

小學校の時の思い出でありますが、學校のプールはこの時分に夏休み最後の進級檢定があり、私は6年生の時に學年でも男女合わせて数人しかいない最上位の「特級」に合格したのを今でも憶えております。
水泳帽には自分の名前の脇に級が記されている布を貼る決まりになっており、私の黄色い水泳帽には「特」の字が誇らしげに附いていたのが嬉しかったのです。

さて、8月も終わりに差し掛かり夜には次第に虫の声も聞こえる様になりました。
お向かいさん家の櫻の木の下には少しずつ落ち葉が見られる様になってきて、その遥か上空には高くなった空に鰯雲が白く輝いているのでありました。
子供時代は大好きだった夏休みも「8月31日」と云う誰もが經驗するあの「特別な日」に1日、また1日と近附いているのであります。
そんな思い出も今は昔。今日は來たるべき締め日に備えて色々と事務作業に追われていました。

「今の心境を語るなら夏休みの最後の日に宿題を一つもやっていなかった事に気が付いた時に似ている…」と云う有名な文句がありますが、丁度そんな感じではなかろうかと存じます。



ここらで閑話休題。
前回の記事の續きでございますが、木更津の町で色々と散財をした主人公達は少々路銀を稼ぐ事になりました。

RPGに於いてお金を稼ぐ手段と致しまして「街の外で出會ったものを倒す」と云うのが最も一般的かと存じますが以前にお傳えした通り、このゲームはそうはいかないのが私のヒネクレたところなのです。

この地域は「獣」や「蟲」と云った「どう考えても貨幣經濟とは無縁の種族」ばかりが出るので、そう云うのを倒してもお金なんか出てこないのです。時々現れる泥棒も倒したところで幾らも持っていません。

そこで當地に於いて何か儲けになる話は無いか耳を傾ける事に致します。
これが大事なのです。

金儲けの話が…

木更津は物流の拠点であると同時に江戸時代は大規模な漁師の町でした。
商家の脇道を通って行くと浜辺に在る漁師の集落に出る事が出來ます。
そこで聞き附けた話によると何やら魚を賈い取ってくれるとの事。
早速に魚を探しに行きましょう。

漁師に怒られる主人公

浜には魚が轉がっているのですが、當然これは漁民が獲ってきた物。触ると怒られます。
そこら辺に在るアイテムを勝手に持ち出そうなどと云う勇者の様な行為はこのゲームでは御法度なのです。

魚と遭遇

仕方が無いので町の近くの浜辺をウロウロしていると早速出てきました。
魚は何ら抵抗せずに数匹まとまって出てくるのですが、逃げない内に出來るだけ多く倒す様に工夫する必要があります。

猟師の仲間の出番

そこで仲間の猟師の男の子が活躍します。
エサや投網を使って魚の動きを止めてしまいます。

魚を入手

あとは主人公達で魚を倒せばアイテムとしての「魚」が手に入る仕組みです。
これを集めて網元の家迄持って行くのですが、魚は時間經過ですぐに腐敗してしまうので注意が必要です。
コツとしては町のすぐ近くであまり長居せずに適當なタイミングで切り上げるのを何回か繰り返すのです。

鮮度が命。すぐに賈い取ってもらいましょう。

10匹程集めたら網元の家に行ってみます。
途中で1匹腐ってしまいましたが9匹で180文の儲けです。
これを3回程繰り返すとお金も500文を超えて、一通り旅支度が整う様になります。
大學は會計學専攻だった私の作るゲームは金儲けも厳しいのです。

装備品もグレードアップ

女の子が「肥溜めの柄杓」から「根取り」に持ち替えて数字上の強さが下がっているのですが、この辺りは人間系よりも獣類の敵が多く出るので有効打となる刃物を持たせた方が結果的に効率良くダメージを與えられるのです。
出現する敵に合わせて適宜武器の種類を替えていくのがこのゲームの攻略のポイントです。

以上が比較的眞面目にお金を稼ぐ方法なのですが、もっと効率的に稼ぐ事も出來ます。

ただの百姓が現れた!

それがコレ。
實はフィールド上では「敵でない者」と時々エンカウントします。
ファンタジー世界の様に「街の外は魔物でいっぱい」ではないので、當然一般人ともフィールドで出會うのです。

どうする主人公?

ここでは専用のコマンドが出てきます。
話しかけるとヒントをもらえたり、食べ物を分けてもらえる事もあります。

さようなら。お氣を附けて…。

1巡過ぎると、そのままどこかへ行ってしまい戦斗画面が終わります。
それだけなら別段大した事は無いのですが…

殺してでも奪い取る!

ここで「襲い掛かる」を選ぶと百姓と斗う事が出來ます。
こうなると相手も必死に抵抗してきますが、所詮は「ただの村人」に過ぎません。この程度の相手ならば赤子の手を捻る様なものです。

「フィールド上で出會ったものは全て敵だ」と云うのがRPGの常識。
然して主人公達は何の罪も無い百姓を倒して金品を強奪するのでありました。
これが結構良い稼ぎになるのです。
百姓の他にも「旅の商人」や「飛脚」「鳥追い娘」「子供」なんかにも出會いますが同じ様に襲い掛かって倒す事で多額のお金や經驗價を得る事が出來ます。

しかし、これはどう見ても路上強盗です。
どう判断されるかはプレイヤー次第ですが、當然これは許されざる事ですのであまりやり過ぎると「評判」と云う隠し変数が0を下回ってしまい主人公達はみんなから嫌われてしまいます。

それで良いのか主人公…?

續く…

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