村人に迷惑をかけない事
最近、何だかんだ忙しくてめっきりプレイしていなかったのですが、前回の續きを始めます。
…と、その前に、どうもゲームのシステムがわかりにくいとの連絡が有ったのですが、いちいちメール等で説明するのも面倒なのでわざわざ説明書を作りました。
一寸昔のゲームにはこうした説明書が附属されていたものでありまして、讀んでいるだけでも樂しくなったものでしたが、いつの頃からかこうした氣の利いた物がなくなってしまいました。
嗚呼、イマドキの斯くは味氣無く貧しくなりにけりと云ったところであります。
さて一応前回、オープニングイベントで女の子を助けて村に行った訳でありますが、とりあえずこの村を探索する事に致します。
RPGに於いて「村を探索する」と云う事は「他人の家の物を勝手に持ち出す」事と同義でありまして、数多の勇者達が住民の氣持ちも顧みずに他人の財物を窃取していったものでありました。
ゲームの仕様とはいえ私は昔から何となく抵抗があったので、いっその事私の作ったゲームではその点をよく考えてみようと思います。
早速當たり前の様に部屋にある箪笥を調べると、この通り怒られてしまいます。當然アイテムも手に入りません。
つまり、RPGの常識である行為が一切否定されてしまっているのです。
人の家の物を盗ろうとするとこうして怒られてしまいます。
尤も歴史を辿ればRPGのご先祖様であるテーブルゲームに於いて探索の結果得られる物としてこうしたアイテムが設定されていたのが「かの有名な國民的RPG」に於いて街中の壺や箪笥にこれらの要素が落とし込められた經緯がある様です。
よくある「王道RPG」では王様から世界を救う使命を言い渡された「選ばれし者」であると云う大義名分があるので、一般市民から物資を接収する事は當たり前だったのかもしれません。
また、現実の歴史に於いて中世欧州では「私掠」の概念があり、領主から許可を取れば(敵對國に對しての)略奪が合法だった時代すらあるのです。
更に戰争にでもなれば一般市民から物資を徴用する事も古今東西よくあるハナシです。
しかし、いづれの場合も住民にとってはたまったものではないと思います。
我が國に於いては江戸時代は公事方御定書に「盗人御仕置之事」と厳罰に処する旨が記されており、言う迄も無く現在は刑法235条により窃盗罪が設けられております。
…と云う訳で、このゲームでは町中で物を盗る事が出來なくなっております。
但し、それでは町を探索する面白味が無くなるとの意見も有り「一部例外」を設けております。
そもそも探索の面白味が「物を盗る事」と云うの自軆が問題である様に思えますが今日のRPGでは仕方の無い事かと存じます。
さて、ここで言う「一部例外」でありますが、要するに人が見ていない所で盗めば良いのです。
留守宅へ入ってしまえば誰も見ていないので取り放題です。
要するにアイテムが欲しければ空き巣の様な事をするのです。RPGの主人公なんて所詮そんなものです。
…とは言え、やはり攻略上有利になる事に変わりは無く、今日もこうしてせっせと空き巣を繰り返しているのであります。
空き巣の他にも、こうして畑に入り込んで野菜泥棒なんかもしてしまいます。農村の野菜は町に持って行くと高く賣れるんですよ。
しかし……
勿論、倫理的に決して容認出來る行為ではないので、實は密かにこうした行動はゲームシステム上で監視されていて「村人の評判」と云う隠し変数で管理されているのです。
この変数は「村人にとって好ましい事をした度数」と云う意味合いで何か困っている村人を助けたりすると増加していき、村人の不利益になる事をすれば減少する様になっております。
當然、盗みをすれば知らない内に減っていってしまうのです。
そしてこの変数がある一定量を下廻ると村人が親切にしてくれなくなり、話しかけても碌な回答をしない様になってしまいます。
つまり「人に話しかけてヒントを得る」と云うRPGでは當たり前の行動原理が不可能になってしまうのです。
村人に嫌われる主人公
碌な話をしてくれなくなります
子供にさえも…
こうなると、ほゞノーヒントで攻略せざるを得ないので非常に厄介になります。
しかも一部のお店では出入禁止になるオマケ附きです。
こうなってしまうと途端に難易度が跳ね上がります。
自業自得ですから開き直ってしまうところでありますが、余りにも惡行が過ぎると度数がマイナスになってしまい、そうなるとフィールド上で周辺の敵よりも数段強力な役人が出現する様になります。
つまり主人公は犯罪者と見做されてしまうのです。
「主人公」だから常にその行いは正しいなんて事はありません。
善人になるか無法者になるかはプレイヤー次第と云うところであります。
この村人の好感度は主に敵のボスを倒したりすると大巾に増加する傾向があるので滅多な事ではマイナスになりませんが、必要惡も程々しなければなりません。
尚、町や村に在る神社をお參りしたり各家の仏壇を拝むと微量乍らこの度数が回復していきます。
何事も信心が大切なのです。
さて、こうして最初の村を探索した結果、問題無く入手出來たアイテムがこちら…
回復アイテム3つに頭の装備である「ほっかむり」と或る意味最強の武器である「肥溜めの柄杓」そして食料兼換金アイテムの「野菜」が1つ。
この他にお金を50文手に入れまして、とりあえずこんなところでありますが、旅支度と呼べる程満足なものではありません。
町に出て装備を整えるべく色々賈出しをしてきたいところでありますが、お金も不足しております。(50文は現在の貨幣価値で凡そ1,200圓位です)
そこで有力な情報が一つ。
人ではなく、こうした本からも情報が得られます。
案外こう云う物の方が良い情報源になったりするものです。
人に話しかけて云々なんてのは古いのです。
何やら雑誌に求人広告があった様でございますが、良い儲け話がある様です。
一通り村を見て廻ったので次はこの銚子の町を目指す事にします。
フィールドに出て東へ、九十九里の海岸に沿って北上すれば銚子の町です。
次回はこの銚子の町から始まります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?